【yoppy】 対談:煙山光紀×吉田尚記③ 「メディア芸 ‘伝え方の差’」

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同じ「アナウンサー」でも、「スポーツアナウンサー」はちょっとまた違う職種だったりする。吉田尚記アナは音楽やアニメの「現場」にいるのに対し、スポーツアナは野球場やスタジアムといった違った「現場」にいる事が多いため、じっくりとお話を聞けるチャンスが少ない。

そこで行われた、スポーツアナウンサー煙山光紀とアナウンサー吉田尚記の対談。
今日は第3回。最終回となります。

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吉田:煙山さんと一緒に行った仕事の中で、一番面白かったのは、“ラストイニング”ですね。

煙山:これは楽しかったですよね。ヨッピーのおかげです。

<編集部補足>

2010年、ビッグコミックスピリッツで連載された人気高校野球漫画『ラストイニング』とプロ野球中継「ショウアップナイター」でもおなじみのニッポン放送がタッグを組み、実際の野球中継さながらにマンガの世界をラジオで完全再現した。

ラストイニング」は、主人公を監督にすることにより、試合だけでない高校野球の裏側まで描いた意欲作。作戦、練習方法等もふんだんに織り込まれており、”野球”というものをきわめて理論的に描き評価も高い。2010年度第一回サムライジャパン野球文学賞優秀賞にも選ばれている。

ニッポン放送で「ニッポン放送ホリデースペシャル ビッグコミックスピリッツ ラストイニング 全国高校野球県予選決勝 聖母学苑VS彩珠学院」(13:00~15:30)として、2010年12月23日(木・祝)にスペシャルラジオ番組が放送され、解説役として、同コミックの大ファンとして知られるお笑いコンビ・アンジャッシュの渡部建が登場し、ニッポン放送スポーツ部の煙山光紀アナウンサーが実況を務めた。

この企画を発案したのはマンガ大賞の発起人も務める吉田尚記アナウンサー。この放送は、第48回ギャラクシー賞のラジオ部門で優秀賞に選ばれ、この実況放送の模様は「ラストイニング」第29巻の初回限定バージョンにCD2枚組で収録された。

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吉田:この“ラストイニング”は野球マンガだけど、魔球とかが出てくるマンガではなくて、ちゃんと1球ずつ、どんなボールを投げ、どんなプレーが行われているかが完全に想像されて、最高に面白い試合を中原裕先生が考えて書いています。選手が「日高さん足元!」と言ったりする細かい描写がされている。これだけ、ちゃんとプレーが描かれていたら、実況ができるんじゃないか?と思って、煙山さんに実況をやってもらったんですけど、これが面白いんですよ!

煙山:いやぁ、自分で聴いても面白かったもん。

吉田:高校野球の県大会決勝という設定なのに、12月にオンエアしていて、それを本物と信じた人がいたみたいですね。

煙山:まったく、アニメっぽく演出してないですよね。純粋に野球の実況をしたんですよね。あまりにもリアルに実況をしたので、本物と勘違いした人も多かったみたいですね。

吉田:このときに、キャッチャーがピッチャーに語りかけるシーンがあるんですけど、「放送席にいる設定の」煙山さんに内容が聞こえるハズが無いから、「キャッチャーが出てきて、何か声をかけました」という事しか、煙山さんは表現しなかったのは面白く、印象に残っています。

煙山:やっぱり、ネットではなく、ラジオだから伝わるものはあるんだよね。足元のボールを捜してオタオタしている雰囲気なんかは、ネットだと伝えづらいから、ネットと合わせてラジオを聴いて貰えるといいな・・・と思うんです。

吉田:メディア芸なんだと思いますよ。同じ試合を中継していても、放送局や人によって伝え方が全然変わってくる。その、伝え方の差を楽しんでもらえるからこそ、メディアが多数存在する意味があるのかなと。

煙山:そうそう。何を切り取るかによって、全然違ってくるもんね。ピッチャー側なのか、打つ側なのか・・・全部は切り取れ得ないから。

吉田:ホームランのシーンで、打ったバッターを切り取るか、打たれたピッチャーを切り取るか、はたまた、その時ホームラン王争いをしているライバル選手がレフトにいれば、その選手を切り取る事も考えられるし・・・

煙山:「ホームラン争いをしているレフトの○○の上を越えた」というコメントを入れるかどうかで、ニヤリ感も違いますよね。本当、何を切り取るかによって、変わってきますね。まぁ、これをきっかけにショウアップナイターを聴いてみてください。そして、ショウアップナイターファンクラブ も面白いので、是非チェックしてみてください。

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煙山アナ×吉田アナの「アナウンサー異色対談」。
それぞれが「現場」を大事にし、「尊敬」しあっているのが伝わってきた。
彼らが「現場」から届ける「声」を是非、聴いて欲しいと思った。