はやく幕内に上がり嘉風関、石浦関と対戦したい。大相撲西十両14・翔猿正也(とびざる・25歳)スポーツ人間模様

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はやく幕内に上がり嘉風関、石浦関と対戦したい。大相撲西十両14・翔猿正也(とびざる・25歳)スポーツ人間模様

母校の埼玉栄高で、化粧まわしを贈呈される新十両の翔猿(左から3人目)=2017年6月22日、さいたま市 写真提供:共同通信社

斬新で格好いい-の声。名は体を表す、とはよく言われることですが、猿がつくしこ名を耳にしたことがありません。7月9日に初日を迎える名古屋場所の番付発表で、翔猿がクローズアップされました。ユニークなしこ名では、かつて三毛猫という名前があったそう。ところが、猿がつくものは「資料にない」。おそらく、幕下時代の岩崎なら、そのまま見過ごされていたでしょうが、しこ名のおかげで一躍注目力士となりました。

追手風部屋は、親方の現役時代のしこ名(元前頭、大翔山)から『翔』の1文字をいただくことが慣例。ただ、遠藤、大奄美は本人のたっての希望で翔をつけていません。岩崎が十両昇進で、親方は当初、「猿翔」(さるとび)にしようと考えていたそうです。本人が申年生まれで、身軽で猿のような動きを連想させるからでした。でも、待ったをかけたのは、当の岩崎。自身でもいくつかの名前を考えていたとのことですが、親方からの好意は無にできません。さるとびでは、猿飛佐助のよう。熟考して、

漢字を入れかえ、とびざるにしてください。

と親方に申し出たとのことです。

出身は東京・江戸川区で、相撲をはじめたのは小学1年生です。影響を受けたのは、3学年上のお兄さんでした。この兄も、現在プロの力士で、今回、史上18組の兄弟関取が誕生しました。兄は、元幕内で木瀬部屋所属の、西十両2枚目英乃海。あえて、兄と同じ部屋には入門しなかったそうです。となれば、兄弟の対戦が実現すると、と脳裏に浮かびます。しかし、慣例で4親等以内は、対決がなし。例外は優勝決定戦だけで、これは同部屋と同じ扱いです。

25歳で新十両は遅いと感じますが、2015年初場所で前相撲。大阪場所で序ノ口デビューを果たして、約2年半と出世はかなりはやい。埼玉栄高から日大を経ています。日大時代、右足首骨折で1年間のブランクがあったため、タイトルには無縁でしたが、素質はかなりのものがある。

埼玉栄高相撲部は、大関豪栄道を筆頭に18人もの関取を輩出。名古屋場所も8人の関取がいます。母校は有難いもので、関取昇進のお祝いに化粧まわしを贈られました。名古屋場所は当然、好成績をあげなくてはなりません。

日大の先輩、幕内の石浦と仲がいい。というのは、共通の悩みをもっているからです。太りにくい体質。連れだって一生懸命に食べる。

はやく幕内に上がり、嘉風関、石浦関と対戦したい。

と話しています。いずれにしても、また1人、個性派の誕生です。これで追手風部屋は、伊勢ヶ浜、九重と並んで6人の関取を抱える一大勢力になりました。

6月27日(火) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」

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