ニッポン放送の人気アナウンサーたちも出演!『海よりもまだ深く』 しゃベルシネマ【第10回】

さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
今月から始まりました「しゃベルシネマ」。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介していきます。

5月11日から22日まで開催中の「第69回カンヌ国際映画祭」
日本からは個性的で斬新な作品を集めた「ある視点」部門に、深田晃司監督の『淵に立つ』と、是枝裕和監督の『海よりもまだ深く』の2つの作品がノミネート。
さらにスタジオジブリがフランスの会社と共同で製作しオランダ出身のマイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督が手がけた『レッドタートルある島の物語』もノミネート。
ほかにも、映画監督の河瀬直美さんが「短編コンペティション」部門と学生映画を対象にした「シネフォンダシオン」部門の2つの部門で、日本人として初めて審査委員長を務めるなど、今年も日本映画が注目されました。

そこで今回の「しゃベルシネマ」では、不器用な家族の姿を描いたハートフル映画『海よりもまだ深く』を掘り起こします。

“なりたかった大人”になれなかった大人たちの物語

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15年前に文学賞を一度受賞したものの、その後は売れず、作家としての成功を夢見続けている中年男性・良多。
現在は生活費のために探偵事務所で働いているが、それについても周囲には「小説の取材のため」だと言い訳。
元妻の響子はダメ夫の典型のような良多に愛想をつかし、11歳の息子・真悟を連れて離婚した。
一方、良多は響子に未練タラタラで、探偵業で身につけた技を使って彼女を「張り込み」。
しかし彼女に新しい恋人が出来たことを知って、ショックを受ける。
ある日、良多の母・淑子が一人で暮らす団地に集まることになった良多、響子、真悟。
すると台風のため翌朝まで帰れなくなり、4人はひとつ屋根の下で一晩過ごすことになる…。

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カンヌ国際映画祭でも注目を集めた是枝裕和監督の最新作は、大人になりきれない男と年老いた母を中心に、夢見ていた未来とは違う現在を生きる「“元”家族」の物語。
主人公・良多を演じるのは、本作が是枝監督と3度目のタッグとなる阿部寛。
笑ってしまうほどのダメダメ人生を更新している中年男。
しかし阿部さんが演じると、どこか憎めない可愛らしさが光ります。
憎めない可愛らしさと言えばこちらも然り、母・淑子を演じる、樹木希林。
飄々とした母親を演じたら天下一品!
ほか共演に、真木よう子、小林聡美、リリー・フランキーと、豪華な顔ぶれがズラリ。

本作の撮影は、是枝監督が幼少期から20代後半まで暮らしていた清瀬市の団地で敢行。
団地と言えば、元々、狭くて限られた空間。
物理的な距離が近い状態で撮影されている故、俳優たちの演技からはほかの映画では感じられない距離感が生まれ、それが作品に深い味わいを育(はぐく)んでいます。

是枝版「家族のカタチ」から、日本の社会が見えてくる

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是枝裕和監督と言えば、これまでにも「家族」を題材にした映画を数多く手がけています。
『海街diary』では、異母妹を迎えて4人となった姉妹を。
『そして父になる』では、「子どもの取り違え」という出来事に遭遇した2組の家族を。
『誰も知らない』では、母親に捨てられた子どもたちが自力で生きる姿を…。

「家族」とは家を形成する礎であり、もっとも小さな社会形態。
結婚したり、子どもが産まれたり、親が亡くなったりと、時の流れによってその構成要員が変化し、新陳代謝して次の世代へとつながっていく。
「家族」が持つ “変化していく部分” と “変化しない部分” を巧みに表現することで日本の家族の姿を描き、ひいてはもっとも小さな社会形態である「家族」から現代の日本社会を浮き彫りにする。
それこそが、是枝版「家族のカタチ」なのではないかと思います。
だからこそ、是枝監督が描く家族の映画は「自分が育ってきた環境とは違うはずなのに、どこかしら共感を覚える」という人も多いのではないでしょうか。

そんな『海よりもまだ深く』には、さらなる見どころ、いや、聴きドコロがあるんです。
なんとニッポン放送から、増山さやかアナウンサー、垣花正アナウンサー、新保友映アナウンサーが出演!
果たしてどんなシーンに登場するか…!?
ストーリーと共に注目ですよ。

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“家族”という存在は、海よりも深く、空よりも広く…。映画『海よりもまだ深く』は2016年5月21日から全国ロードショーです。

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海よりもまだ深く
監督・原案・脚本:是枝裕和
出演:阿部寛、真木よう子、小林聡美、リリー・フランキー、池松壮亮 ほか
©2016 フジテレビジョン バンダイビジュアル AOI Pro. ギャガ
公式サイト http://gaga.ne.jp/umiyorimo/

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