石破茂から見た加計学園問題とは?高嶋ひでたけのあさラジ!

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6/16(金)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!③

加計学園問題~文科省が記録文書の一部が存在していたことを認める
7:10~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター石破茂(前地方創生大臣・自民党衆議院議員)

加計学園,松野博一,文科相

加計学園問題再調査会見に臨む松野博一文科相=20170613午前東京・霞が関文科省 写真提供:産経新聞社


再調査の結果「総理の意向」等記載の文書の一部が存在したことが明らかに

学校法人加計学園の獣医学部新設計画をめぐり「総理の意向」などと書かれた記録文書について、文部科学省は14の文書が省内に存在していたとする再調査の結果をまとめました。また新たに存在が確認された内閣府から送信されたメールの中に、萩生田官房副長官が学部新設を認める条件を修正するよう指示する記載がありました。

文部科学省の再調査は当初の職員7人から職員26人に増やして聞き取りを行い、個人のメモも調べました。対象は民進党などが示しました19の文書で、この内14の文書について同じ内容の物が関係部署の共有フォルダや職員個人のパソコンのフォルダで確認されました。2つの文書は存在を確認できず、3つの文書は存否を明らかにできない、公にすると学園の利益を害するとしています。
内閣府の解答として「総理の意向」と記載された文書、それから「官邸の最高レベルが言っている」と記載された文書については、獣医学部を担当する専門教育課のフォルダに保存されていました。松野文部科学大臣の昨日の会見です。

松野文科大臣)前回確認できなかった文書の存在が明らかになったことは、大変申し訳なく私としてもこの結果を真摯に受け止めているところでございます。発言の真意が何を指しているのか、目標にしているのかとかに関して、具体的にそこで相手に突き詰めたわけ
でもないし、真意に関しては自分としては分からない。

また萩生田官房副長官が文部科学省に対し、獣医学部新設を認める条件を記した文書の原案の修正を指示したとする新たなメールの存在も明らかになりました。これは内閣府の藤原審議官の発言として萩生田官房副長官から「広域的に存在しない地域に限る」と、このように修正するよう指示があったと記載されております。この修正によって獣医学部が存在していない四国以外の申請は事実上不可能になったという指摘がありますが、萩生田官房副長官は「修正の指示を出したことは無い」としています。
山本幸三地方創生担当大臣は「内閣府も再調査をし、今日の午前結果を公表する」と述べています。一方“怪文書”扱いをしました菅官房長官、それから民進党の蓮舫代表の記者会見です。

菅官房長官)「怪文書」という言葉だけが独り歩きをしている。ここについては極めて残念なことだという風に思っております。圧力が働いたり行政が歪められたりということは一切無い。

蓮舫代表)文科省の調査が始まる前からこの文書を「怪文書」と言い放ち、個人攻撃を繰り返してきた菅官房長官の責任が問われると、改めて強く言わせていただきます。

今日の午後参議院の予算委員会が開かれて集中審議が行われるのですが、国会会期末を明後日に控えておりまして、事実上最後の本格論戦になってしまいます。


総理に物申す人が少なくなってきている?

高嶋)世間は皆「加計隠しで国会を早く閉じたいのだ」と。
石破さん、国民全員ではもちろんないのでしょうけど、私は周りの人に訊いたり、それからいろんな意見を他のマスコミとかで拾ったりしていると、皆「あれは本当に文書があったに違いない。前川さんの言っていることは正しい」と。それで官邸の方は何だか「それは絶対認めない。これはだめだ」とかいうことを、絵柄をちゃんと書いてそれに則って皆に言わせていると。
松野文科大臣のあのパシリ風景なんていうのは、見ていて非常に格好悪いですよね。あれで象徴のトップ、大臣と言えるのかという。こういう印象を持たれること自体が少しまずいと思いませんか? それとも私が言っているのがおかしいですか?

石破)世間は皆そう言っていますよ。それはそうなのです。ただ私たちはこの政権を作った責任があるのだし、この政権が続く限り支えなければいけないのですよね。だから国民の感覚とずれてきているというのはあまり良いことではないのです。国民の感覚に近づくような努力は政権の中でしていかなければいけないと思います。

高嶋)何だか“安倍一強”と言ってしまえばそれで片付いてしまうということらしいのですが、例えば昨日の投票風景を見ていても、もう結果は分かっているわけで、そういう意味では本当に誰もものを言わなくなってしまった。この根本原因はどこにありますか?

石破)それはやはり官邸が、あるいは党中枢が強い力を持っている、人事権とか公認権とかそういうものを持っている。議員でも官僚でもそれなりのポストについて自分の能力を発揮したいですよね。でも「辞めちゃえ!」とか「左遷だ!」とかいうことになると「一族郎党どうしましょう」みたいなこともあるのですよね。だけど正しいことは正しいのだし、間違っていることは間違っているのだし、自分の意に反した人でも「なるほどお前の言うことは正しいよね。じゃあお前の言う通りにやってごらん」という、そういう制度の問題じゃなくて運用の問題じゃないかと思いますし、だったら「じゃあ堂々とものを言えばいいじゃないか」と言うけれど、どんな組織でもそういうのって結構きつくないですか?

高嶋)だけど国民にそういう状況が見え見えになってしまって、周りが皆腰の弱い人に見えるじゃないですか。

石破)少なくとも、我々国会議員というのは別に官邸に任命されてなった訳でもないし、選挙面で一票入れてもらってなっている訳ですよね。そこは官僚と違うところですよね。だから我々国会議員というのは、有権者に誠実であれば良いのだと、私はそうずっと思ってしょっちゅう逆らっているわけです。
でも自民党が昔嫌われたのは「党内ガタガタしているじゃない」ということで、そういうのも派閥闘争みたいに見えて嫌われるのです。そうならないようにという自制心もあるのですけど、そこの調和は難しいです。

獣医学部新設問題は専門的かつ慎重に進めていかなければいけない

高嶋)加計学園問題ですが、“4条件”というのを前に作っています。それはもっともなことを言っています。「新しい時代の獣医さんは必要である」と言っている。加計学園はそれにクリアできる内実がありますか?

石破)それは中にいる者でなければ分からない。新たなニーズがあるのは確かです。感染症対策とか生物化学兵器とか、新しいニーズはある。じゃあ東京大学だろうが北海道大学だろうが、今の獣医学界ではできないのかというのは専門でなければ分からない。新しく作ろうとする加計学園、これはそれを上回るような教授陣・施設を持っているかどうか、それも私では分かりません。だってそれは専門的な領域だから。いい加減なことを言ってはいけないと私は思いますよ。だからそれは獣医学の人とかそういう人たちがきちんと検証することでしょう。
そして「じゃあ獣医さんの数をたくさん作れば良いじゃないか」と言うのだけど、獣医さんでもお医者さんでも薬剤師さんでもそうだけど、理系の人ってライセンスを取るわけですよね。そこに至るまでにものすごい国費も投入している訳ですよね。それで国民の税金を使って養成しておきながら、そういう人がいっぱい出て来て職にあぶれてということになったら、それって「国民の税金何だったの?」ということになるので、何も面白おかしくて数を絞っているわけではないのです。
国民の税金を使って養成しているのに、そういう人たちがいっぱい余ってしまったらそれは国民の税金を無駄にしたことになるじゃないですか。だから数を調整してきたのであって。今犬や猫のお医者さんはけっこういらっしゃるのです。でも牛や馬や豚のお医者さんはいない。じゃあそれは獣医さんの数が足りないからなのかということは、きちんとこれも検証していかなければいけない。

高嶋)全く石破さんは正論だと思う。私もいかに安倍さんのお友達でも、今言ったような4条件をクリアし、そしてこんな設備を持ち、こんな研究のテーマを持って「いやあ、加計はすごいよやっぱり。京都産業大学が負けるわけだ」というようなことならば、たまたま加計学園だったと言われたら「あー、不思議な縁ですね」で、これで終わる。
だけど“御意向”があって、元の審議官がこう言った。それから加計学園にお抱えになっちゃっている人がこう言った。それから総理は言えないけど「俺が代わりに言う」みたいな、そういうことがバンバン起きてしまって、それに対して総理は一度も国民に向かってものを言っていない。そういう状況でいくのだったら、これは安倍さんに対して大変な不信感が高まるのではないですか?

石破)安倍さんの為にもならないでしょう。安倍さんが「加計を認めろ」なんて言ったとは思わないですよ。ただ周りが慮って言ったとして、本来認められるべきではないものが認められるとしたら、それは駄目でしょう。安倍さんの為にもならないです。

高嶋)大学設置なんたらというのがあるらしいですね。

石破)これは文部科学大臣の諮問機関で、最終的にはここが決めるのです。

高嶋)それはいつ頃決めるのですか?

石破)8月です。だけどそこで仮に駄目だということになったとしたら、他の大学がもう1回やるとすれば、それで1年くらい遅れてしまう。もっと遅れるかもしれない。それって国民全体にとってどうだったのかな、ということです。

高嶋)そういう経済問題も含めていろんなところで、一見表向きに平穏に見える日本ですが、いろんなことが内蔵されていて、なんとかしなければいけないということまで渦巻いている。石破さんは来年の総裁選挙に出るのですよね?

石破)またそれですか(笑)。

高嶋)一応それは押さえないと。

石破)だから、自分がそれに値するものであれば出る責任があるし、なって国民にご迷惑が掛かるようであればやってはいけない。そこへ向かって自分を高めていくというのは責任だし「お前頑張れよ」って言ってくれる方々に対する責任である。それは自分の努力なのです。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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