JR九州・特急かわせみやませみ車内限定!「球磨の四季彩弁当と郷土料理つぼん汁セット」(1,300円)【ライター望月の駅弁膝栗毛】

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特急「かわせみやませみ」と「いさぶろう・しんぺい」

特急「かわせみやませみ」と「いさぶろう・しんぺい」

国鉄時代から特急列車の愛称には、「鳥の名前」がよく使われてきました。
その代表格「つばめ」は、今も九州新幹線で健在ですし、他の新幹線にも「はやぶさ」「はくたか」「とき」など、鳥の名前がいっぱいです。
ただ、2種類の鳥の名前を組み合わせた特急は、今回が初めてではないでしょうか?
JR九州の特急「かわせみやませみ」・・・、今年3月から熊本~人吉間を毎日3往復しています。

特急「かわせみやませみ」

特急「かわせみやませみ」

特急「かわせみやませみ」は、熊本を出ると、鹿児島本線を新八代、八代と停まり、肥薩線へ。
坂本、一勝地(いっしょうち)、渡の順に停まって、人吉まではおよそ1時間半の旅となります。
この列車も、既存のキハ47形気動車を“水戸岡デザイン”でリニューアルして生まれたJR九州・第11弾の「D&S(デザイン&ストーリー)列車」で、今回の特徴は地元の素材にこだわったこと。
ドアから一歩車内に足を踏み入れると、八代産のい草で出来た暖簾がお出迎えです。

特急「かわせみやませみ」2号車

特急「かわせみやませみ」2号車

特急「やませみかわせみ」は2両編成で、人吉寄りの1号車が「かわせみ」車両、熊本寄りの2号車が「やませみ」車両となっており、この日は2号車の指定を受けました。
客室内にはJR九州では800系新幹線などでおなじみ、中央の肘掛けにインアームテーブルが収納された2人がけリクライニングシートが並び、床材には人吉球磨産のスギが使われています。
日中の列車は全車指定席で運行、朝の1・2号のみ、この2号車が自由席となります。

特急「かわせみやませみ」

特急「かわせみやませみ」

2号車8番・9番の座席は、「やませみベンチシート」と銘打たれた座席。
窓側に向かって、ソファのような広い座席を1人占めしてドーンと腰掛けることが出来ます。
ただ、このシートのみ、通常の特急料金に加えてプラス210円が必要。
小さいお子さんと一緒に座る分には、2人で座っても十分な空間です。
パパ鉄・ママ鉄の皆さんには、重宝するシートかも。

球磨の四季彩弁当と郷土料理つぼん汁セット

球磨の四季彩弁当と郷土料理つぼん汁セット

さて、「かわせみやませみ」の2号車にあるサービスカウンターでは、車内限定商品の販売などが行われています。
特にお薦めは、土・休日の2~6号だけで提供される「かわせみやませみ」数量&車内限定弁当、「球磨の四季彩弁当と郷土料理つぼん汁セット」(1,300円)!
ドアが開くとお客さんは、この弁当目当てに2号車のカウンターへ向かってまっしぐら!
発車前からサービスカウンターには、長い列が出来ることも・・・。
そんなこともあってか、7/1乗車分からは、弁当の「電話予約」を受け付けるようになりました。

受け付けるのは、週末の「かわせみやませみ2~5号」で、1日最大30個まで。
予約受付の締め切りは、乗車週の月曜日(月曜が祝日の場合、火曜午前)までとなっています。
電話:099-253-4512 (JR鹿児島支社総務企画課、平日10::00~17:00)

球磨の四季彩弁当

球磨の四季彩弁当

【おしながき】・・・2017年春メニュー
・地元産のお米で握ったおむすび(菜の花風、梅、菜飯)
・山の幸 椎茸の陣笠煮
・おふくろ野菜煮しめ
・焼鱒の甘露煮
・若鶏の唐揚げ柚南蛮
・梅の焼酎漬け
・人吉特産きくらげの佃煮

球磨の四季彩弁当

球磨の四季彩弁当

弁当の調製元は、人吉市内の地元食材にこだわるお店、「ひまわり亭」。
テーマは、「地元で採れた旬の食材で作るおばちゃん達の愛情弁当」なんだそうです。
鞠形の可愛らしいむすびとたっぷりのおかずからも、世話焼きおばちゃんの声が聞こえてきそう。
なお、画像の弁当は、3~5月に提供された春バージョンのもの。
6月上旬からは初夏バージョンに変わっていますので、季節によって違う味が楽しめそうですね。

郷土料理つぼん汁

郷土料理つぼん汁

この車内限定弁当の素晴らしいところは、何と言っても温かい汁ものがいただけること!
「つぼん汁」とは、相良氏700年の歴史を誇る人吉球磨地方に伝わる郷土料理で、深い壺にこの汁を作って盛り付けることにちなんだネーミングと言われています。
「つぼん汁」には細かく刻まれた人参、椎茸、ゴボウなど9つの食材が入っていて、それぞれ縁起のいい意味があるのだとか。
ふたを開けると地鶏の旨みと醤油の風味がよく、弁当の食が進む一品となっています。

駅弁やコーヒーの車内販売はたくさんあれど、温かい汁ものって山陽新幹線でたまに見るくらい。
駅弁文化と共に、こういった温かい汁ものが車内でどんどん頂けるようになってほしいものです。

球磨川

球磨川

「かわせみやませみ」が走る肥薩線の八代~人吉間は、通称「川線」と呼ばれる区間。
車窓の友は、日本三大急流の1つ「球磨川」です。
天気のいい日には、川下りの船やラフティングを楽しむ人の姿が見られることでしょう。
景色だけでもお腹いっぱいになりそうですが、甘いものは別腹!
次回は、「かわせみやませみ」限定のスイーツをご紹介しましょう。

(取材・文:望月崇史)

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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