しゃベルシネマ

真夜中に怪物があなたの真実を喰べに来る【しゃベルシネマ by 八雲ふみね・第218回】

さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。

今回は、6月9日(土)から公開となる『怪物はささやく』を掘り起こします。

児童文学の大傑作を完全映画化


13歳の少年コナーは難病を抱える母と一緒に、裏窓から教会の墓地が見える家で暮らしていた。
毎夜悪夢にうなされるコナーの元に、ある夜、怪物がやって来る。

「今から私は、お前に3つの“真実の物語”を話す。4つ目の物語はお前が話せ」と、コナーが隠している“真実”を語ることを要求する怪物。
コナーが頑に拒否するも、その日を境に夜ごと怪物が現れては、物語の幕が上がる。

これは夢か、現実か。そして怪物の正体とは…。
そしてコナーが最後に語る“真実”とは…。


原作は、カーネギー賞とケイト・グリーナウェイ賞をW受賞した、イギリスの作家パトリック・ネスによる世界的なベストセラー。
『永遠のこどもたち』のJ・A・バヨネ監督が実写映画化。
13歳の少年と、突然彼の前に現れた怪物が繰り広げる“魂の駆け引き”を、幻想的な映像で描いたダークファンタジーです。


主人公のコナーを演じるのは、1,000人の中から選ばれたルイス・マクドゥーガル。
思春期の少年が持つ心の葛藤や純粋さゆえの残酷さを繊細に体現し、大人顔負けの演技をみせています。
また母親役をフェリシティ・ジョーンズ、祖母役をシガニー・ウィーバーと二大大物女優が顔を揃えるのも、魅力的。
そして、夜になると現れる恐ろしい怪物の声を務めるのは、俳優歴40年を迎えるリーアム・ニーソン。
自身のキャリアで初のモーションキャプチャーに挑戦し、CGで再現された怪物に魂を吹き込みました。


現実と虚像の世界を織り交ぜたファンタジーな世界観を美しい映像で表現した本作。
特に、アニメーション表現の精巧さには、目も心も奪われることでしょう。
人間は、善悪を持ち合わせている生き物。
それをどう捉え、受け入れていくか、それが大人への階段を登るということなのかもしれません。

物語を通じて描かれる少年の成長は、切なくも苦しく、そして美しい。
原作が児童書でありながら、大人が観るとより深い感慨に包まれることでしょう。


怪物はささやく
2017年6月9日、TOHOシネマズみゆき座ほか全国ロードショー
監督:J・A・バヨナ
原作・脚本:パトリック・ネス「怪物はささやく」(あすなろ書房刊)
出演:ルイス・マクドゥーガル、フェリシティ・ジョーンズ、シガニー・ウィーバー、リーアム・ニーソン ほか
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