障がい者競技に必要なこと。そして東京をランナーでいっぱいにしたい-高橋尚子(スポーツキャスター、マラソン解説者)インタビュー

ニッポンチャレンジドアスリート・高橋尚子(スポーツキャスター、マラソン解説者)インタビュー(4・終)】

13151847_992042320878727_1112518284426088912_n (1)

 

-車いすマラソンや視覚障がい者マラソンにキューちゃんはかかわっているということですが

高橋 はい。いろいろな大会やイベントに出させていただいています。たとえばこれは絆というかたちで目が不自由な方がを持って伴走する方と一緒に走るという“絆”です。
これは道下美里さんという今度、リオのパラリンピックにも出るであろう方のお友達が作っていつも活用しているという手作りのものをいただきました。

-伴走者が必要なので、伴走者というのはパラリンピックにでるような方ですからある程度走れなくてはいけないわけですよね?

高橋 そうですね、道下さんで約2時間59分の速さの選手です。
今、男子だと2時間半くらいの選手で、私なんかなんかとても伴奏なんかと思われてる方もいるかもしれませんが、実はトップ選手というのはほとんどがジョギングです。
1キロ6分でもいい、7分でもいい。
一緒に走ってくれる人がいるだけで全然違うんですよ。
一人に対して5人、6人10人くらいいて、そしてやってくれる人が、その時に代わってもらえると毎日練習ができるそうなんです。
常にではなく1か月に1回、1か月に2回とか、そんな頻度でいいそうなんです。
パラリンピックの一員として自分も活躍できる場というのは実はまだみなさんそれぞれにあります。ですからこういった角度に参加のしかたもあるんだということを知っていただきたいともいます。

 -競技で言いますとやっぱりメダルを取りたいというのがありまして、その辺の新人発掘ですとかいろいろなアイデアっていうのはお持ちなんでしょうか

高橋 オリンピック競技であると新人発掘という部分は地域でやっていて、各競技団体のほうでも非常に細かくやっています。
またその競技団体だけではなくて全国で体力診断をしていて、あなたはラグビーをしていますが、ボートのほうが自分の力を生かすことができますよといったように、自分に合った競技に導いていくようなシステムもできています。
ただ、オリンピック種目のほうではできているようなことが、まだパラリンピックのほうでは普及していない部分が多いですからそういった経験がそちらのほうであるのであればもっとそちらをパラリンピックのほうも層を増やしていく、もっと競技力をあげていくということができるのかなということが大きいですね。
私の経験談を活かしながらみなさん自身が考えられるようなそんなシステムや誘導をしていかなくてはいけないと思います。

-2020年非常に楽しみですが、最後にひとこと、今後の意気込みをいただけますか。

高橋 これは現役の時に私自身が自分に教えられたことですが、金メダルを取りたい! その目標だけに縛られてしまうと先に進むことができません。
金メダルを取りたいのであれば、今日、何をするべきなのかというのを考えることが一番の近道です。
それを取りたいと思って計画をきれいに紙に書くよりも腹筋を10回、20回したほうが近道になります。
ダイエットをしたい、健康になりたいという人もそうです。ダイエットをしたい、こういうふうにするんだ、5日後、10日後というよりも今日食べるものを制限するほうが近道ですし、部屋をきれいにしたいと思っている時には、そこにあるリモコンをひとつ片づけるほうが早いです。

オリンピックに関しては私自身アスリート委員会だったりJOCだったりというものはありますけれども、私自身がやりたいことっていうのがあります。
それは東京をランナーで街をいっぱいにしたいなと思うことなんです。
世界卓球が東京であった時に私の知り合いのエルサルバドルの子供たちが初めてその国の国旗を背負って東京にやってきたんです。
私もエルサルバドルで知り合っていたので、その会場に応援に行きました。
そしたら、彼らが言うのです「東京はすごい」と。何がすごいのかっていうと、一人で子供がバスに乗って通学しているし、一人で女性が走っている。
犯罪率が高い私たちの国では考えられないと。それを初めて聞いた時に、日本のようにスポーツを身近に感じられるだけの余裕があったり、気持ちよく走れるような環境があるところは世界でも少ないのかもしれないなと思いました。

それぞれの国旗を背負ってやって来る選手というのは国民の憧れであり、尊敬のまなざしで見られるような選手たちばかりです。
その選手たちが日本のような国にしたいんだと思ってそれぞれの国に帰るということはとても大きなメッセージだと思うのです。
だからこそもっと多くの人たちに走ってもらってこの日本の素晴らしさというのを各国に伝えていけるような瞬間が来ればいいなと思っています。

(5月9日~5月13日放送分より)

ニッポンチャレンジドアスリート
ニッポン放送 毎週月曜~金曜 13:42~放送中
(月曜~木曜は「土屋礼央 レオなるど」内、金曜は「金曜ブラボー。」内)
番組ホームページでは、今回のインタビューの模様を音声でお聴き頂けます。