ジャーナリストとして向き合っている障がい者アスリートとの関係-高橋尚子(スポーツキャスター、マラソン解説者)インタビュー

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ニッポンチャレンジドアスリート・高橋尚子(スポーツキャスター、マラソン解説者)インタビュー(2)】

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-現役を引退された後、オリンピック、パラリンピック取材されたと思いますが、渦中にいる時はそのすごさはわからなかったと思うのですが、実際ジャーナリストとして接してみてどうでしたか?

高橋 ジャーナリストとしてキャスターとして行ったロンドンオリンピックは初めてオリンピックの大きさとか偉大さを知りました。
開会式で本当に各国の中継局がその一瞬を放映するためにたくさん集まっている姿、この一瞬を世界どんなところにいても観れるような状況で注目されているんだなということを初めて客観的に見て、あえて逆にそれを知らなくてよかったという部分はありました。

-8月のリオオリンピックが終わりますと9月には同じリオでパラリンピックも始まります。
高橋さんは非常に多くのチャレンジドアスリートを取材していらっしゃるのですが、どれくらい取材されているのですか?

高橋 20人以上は取材させていただいたり、お友達としての付き合いがあります。
ただ、誰が最初ですかって言われると全然覚えていないですね。
というのは健常者と障がい者という形で私自身が区別をしていないんです。
オリンピックの種目でも例えば冬季だと、スケートを履いて、スキーを履いて競う、そんな種目がありますよね。
パラリンピックも一緒なんです。
その履いているものが車いすになって、車いすでその先にたどりつくのが誰が早いかというのを競っているだけで、オリンピックもパラリンピックもそんなに変わらない。
健常者も障がい者もスポーツをやる以上は全然変わらないというように思うことが多いのでこの人は健常者、この人は障がい者というように感じてはいないです。

-その中でも印象に残っている選手はいらっしゃいますか。

高橋 そうですね、やはりマラソンと言った部分では車いすマラソン今度のリオもたぶん出られるでしょう土田和歌子選手だったり廣道純さんなどトラックで走っている選手などは交流も深いので印象は残っています。

-車いすマラソンはすごいスピードで普通のマラソンよりもタイムがいい

高橋 私の世界記録を当時出したら2時間19分です。
車いすマラソンは1時間20分くらいで42キロ走るんです。
すごく早いですよね。
車いすは車輪もあるから乗れば早く走れるんじゃないかって思っていましたが、一度、イベントで走っている人と健常者と障がい者がタスキを渡して駅伝をするというイベントがあったのです。
そこで車いすを貸していただいて走ったのですが、全然進まなくて歩いている人よりも遅くて、1時間やると手の皮がむけてべろべろになって、次の日上半身も筋肉痛でした。

それだけ早く走るためにはどんだけの頑張りがあったのかということを思うと本当に尊敬します。
子どたちも車いすを体験したのですが、終わったころには「おとうさん、車いす買って、車いす練習したい」と言う子もいましたが、もっとみんなに体験してもらうことって大切ではないかと思います。

-Qちゃんは4年後、東京に向けて、東京オリンピック、パラリンピック競技大会組織委員会のアスリート委員会で委員長を務めていらっしゃるということで、パラリンピック競技をいかに知っていただくか、イベントをいかにやっていくかという活動をされています。

高橋 皆さんと一緒にタッグを組んで重ねられるかということが大切だと思います。
オリンピックではなされていることがパラリンピックではまだ普及されていないことだったり、広げていけるところは広げていきたいと思います。

(5月9日~5月13日放送分より)

ニッポンチャレンジドアスリート
ニッポン放送 毎週月曜~金曜 13:42~放送中
(月曜~木曜は「土屋礼央 レオなるど」内、金曜は「金曜ブラボー。」内)
番組ホームページでは、今回のインタビューの模様を音声でお聴き頂けます。

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