文科省前事務次官会見「加計学園文書は確実に存在していた」高嶋ひでたけのあさラジ!

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5/26(金)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!③

加計学園文書「なかったことにはできない」文科前次官が会見
7:10~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター宮家邦彦(キャノングローバル戦略研究所主幹・外交評論家)

加計文書「確実に存在」加計学園の獣医学部新設計画を巡る記録文書について記者会見する文科省の前川喜平前事務次官=20170525午後東京・霞が関 写真提供:共同通信社

加計文書「確実に存在」加計学園の獣医学部新設計画を巡る記録文書について記者会見する文科省の前川喜平前事務次官=20170525午後東京・霞が関 写真提供:共同通信社


文部科学省の前川前事務次官が「総理の意向」等記述の文書の存在を強調

安倍総理大臣の友人が理事長を務める学校法人「加計学園」の獣医学部の新設計画をめぐる記録文書について、文部科学省の前川喜平前事務次官は「あったものを無かったことにはできない」と強調しました。一方、民進・共産・自由・社民の野党4党は前川前次官の証人喚問を要求する方針です。

高嶋)いろいろ意見は分かりますけれども、ああいう文章があったということは昨日の彼の話で非常に説得力はありました。それではニッポン放送報道部森田耕次解説委員です。

森田)文部科学省の前川喜平前事務次官は昨日の夕方4時から東京千代田区の弁護士会館で記者会見に臨みました。この中で前川前次官は加計学園の獣医学部新設計画について「総理の意向」などの文言が含まれる記録文書について「確実に存在していた」と強調しました。

前川前文科省事務次官)これらの文書については私が実際に在職中に共有していた文書でございますから、これは確実に存在していたわけであります。あったものを無かったことにはできないと。結局押し切られてしまったということにつきましては、私自身が追わなければならない責任は大きいと思っております。

森田)その上で前川前次官は獣医学部の建設計画について「獣医師の人材需要への明確な見通しが示されず、薄弱な根拠の中で規制緩和が行われた。公平公正であるべき行政の在り方が歪められた」とこのようにも述べました。
一方、菅官房長官は昨日午前の記者会見で文部科学省の天下り問題を持ち出して前川前次官を批判しました。

菅官房長官)当初は責任者として自ら辞める意向を全く示さず、地位に連綿としがみ付いておりましたけれども、その後の天下り問題に対する世論からの極めて厳しい批判等に晒されて、最終的に辞任をされた方であった。ご自身が責任者のときにもしそういう事実があったら、堂々と言うべきじゃなかったですか?

森田)こうした官邸幹部の怒りは今後の国会審議、それから7月の都議会議員選挙への影響といった政権運営への危機感の裏返しという風にも見られています。
そもそも日本の大学で獣医学部を作ったのは1966年の青森県の北里大学が最後です。国民的なペット人気が続く中、半世紀以上も新設が無かった背景には「質の確保」を理由に獣医師の数を制限してきた国の方針があります。全国の7割近い獣医師が所属する「日本獣医師会」自体もこうした岩盤規制を後押ししてきていました。この為加計学園が加わった愛媛県今治市の獣医学部の誘致も2007年以降実に15回も申請が繰り返されたのですが、ことごとく却下されてきました。
ところが安倍政権で生まれた「国家戦略特区制度」によって政権の意向が反映されやすいということもあって、この計画がとんとん拍子に進んだということが背景にあります。


半世紀近く規制されてきた獣医学部の新設

高嶋)宮家さんはどういう印象を持ちましたか?

宮家)役人の立場から言ったら「内閣に押し切られた」なんて言って、要するに“敗軍の将は兵を語らず”という言葉があるのだけど、いらっしゃったときにもっと頑張れば良かったと思うのですよ。もしそれでもおかしいことがあるのだったら辞表を叩き付けてビシッとやると。これは僕の美学ですよね。僕はやらなかったけど、それほど偉くならなかったから。
ただ他方、この文書があるかないかの問題について僕は彼の言う通りだと思います。彼が「見た」と言うのだからそうなのでしょう。だけど元々の話、獣医の問題。やはり岩盤規制と言うかは別にして数を制限しているわけでしょう。競争を制限しているのですよ。ある程度緩くすることによってより良いサービス、安いサービスになるのかもしれないから、一概には言えないのではないですかね。そこのところはやはり国会でよく議論すべきだとは思います。

高嶋)確かに、今治に獣医学部の大学が無い、そこに作るということについてこれは意義がありますよね。だけど私は素朴な疑問に思うのは、いわゆる加計学園の理事長さんが、安倍総理がスピーチか何かで半分お世辞にしても「心の友」のようなことを言い、そして共にゴルフをしたり食事をしたりという、つまり親友ですよね。そういう間柄の人に対して土地が36億とか37億とか言われている。それが国から出る。それからその建築する96億というお金が県と市から半額出ちゃって。

高嶋)だから逆に言うと、普通それやっちゃうと安倍さんは「俺は何も言っていない。俺は別に加計とは友達だけども、あそこに作れなんて言っていないし、そんなことされたらむしろ痛くも無い腹を探られるじゃないか」という風なことは言えないものですか?

宮家)まあ総理が何を言おうがそんな何十億なんてお金が総理の一声で出て来るわけは無いので。それは制度の中で決まっていることなのですよ。だからそういう意味で一個一個積み上げていったらそれなりの説明が付くのであれば、それをちゃんと説明していったら良いのではないですかと、私は思います。


菅官房長官が前川前事務次官を批判

高嶋)だけど菅さんも昨日色を成していましたが。「なんで現職のときに堂々と言わなかったんだ」って。だけど現職のときに堂々と言える人は何人くらいいるのでしょうね、分からないけど。

宮家)最近特に厳しいのですよ。2014年に内閣人事局でしたっけ、それができて簡単に言えば役人的に言うと、役人の自治はもう終わっちゃった。直に人事権が無くなっちゃって、局長の人事はもう官邸が決めるとなれば誰も次官の言うことなんて聞きませんよ。そら官邸の言うことを聞きますよ。

高嶋)そらそうですね。それはいつからなったのですか?

宮家)2014年。

高嶋)安倍さんがしたのですか?

宮家)でも話はずっと前からありました。

森田)福田内閣時代から構想はあったのですよね。

宮家)政治主導だという形でね。要するに役人が何でもかんでも政治的な言葉で口を出すようになっていた時期があったから、そらおかしいじゃないかと。確かにおかしいのですよ。だけど役人からすると次官に人事権が無くなっちゃったら誰も次官の言うことを聞かない訳だから。

高嶋)その頃は我々外野もそれをおかしいと言っていたのですよ。

宮家)でもそれをやるとどうなるかというと、役人の組織が壊れていって、そして良い人材が回らなくなって、全体としては官僚組織の地盤低下になるのですよ。それで良いのですか? という話なのです。

高嶋)だけどテレビを観ていると、文部科学大臣も、それから今の文部省のトップも、何か皆官邸に恐れを成して全身痺れまくっちゃっているというのが明らかに分かるだけに、ちょっと寂しい役人だなと。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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