英国自爆テロ~欧州組織と関連か?混乱続くリビアは?高嶋ひでたけのあさラジ!

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5/26(金)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!②

マンチェスター自爆テロ~テロリストは崩壊国家が生んだ“力の真空”に集まる
7:02~ひでたけのニュースガツンと言わせて!:コメンテーター宮家邦彦(キャノングローバル戦略研究所主幹・外交評論家)


実行犯の祖国リビアでは「アラブの春」で“力の真空”が生まれた

高嶋)イギリス・マンチェスターの自爆テロ、背後は大がかりなのだなというのが昨日ニュースを聴いていた感想です。
カッザーフィー大佐が「アラブの春」でやられて血まみれの死に方をしてさらし首になりました。今リビアというのは東西にふたつの政府が並び立っている。それで何かいろいろ入り込んで来た奴らがIS(イスラム国)の戦闘員なんかになって、多いと5,000人、その内の外国人が3,000人とか。このテロをやった犯人も僅か前にリビアに戻っているのですよね。

宮家)故郷だということもあるのでしょうけどね。

高嶋)“温床”になっちゃっているのですかね? 今リビアは。

宮家)やはり「アラブの春」なるもの、あそこで一種の“力の真空”が生まれた。だって中央政府が無くなっちゃったわけですから。そうすると壊れると当然力の及ばない部分が出て来てそこにテロリストが蔓延ると、こういう図式ですよね。イラクの場合もそう、シリアの場合もそう、そしてリビアももちろんそうです。
その意味ではこのような破綻国家、もしくは中央政府がしっかりしていない国家が増えれば増えるほどテロリストは蔓延るということだと思います。

高嶋)昔、なぜああいう人たちは自爆するのかというのは日本でも大きなテーマになって、それが宗教上のいろんな説明があったのですが。


マンチェスターのテロは組織的犯行か

高嶋)実行犯の親父も捕まっている。弟も捕まっている、それからガールフレンドか仲間か知らないけども女の人も捕まっている。
つまり垣間見えるところから見ても単独犯ではなくて、殺傷力の高い爆弾はいわゆるテロリストの内の専門家が作っている。

宮家)組織的と言っても一枚岩の組織ではないのですが、そういう連中は地下に潜って皆で連絡を秘密に取り合いながら生き延び、そしてできれば攻撃をする。これをずっとやっている。
先ほども申し上げたように力の真空のあるところに流れて行って、そこで次の計画を練るということなのだろうと思います。それがたまたまリビアだったということです。

高嶋)そういうことですよね。要するに国がしっかりしていないと付け込まれる要素っていうのは多々あるのだと。

宮家)多々あるのですね。残念ながらああいう風に壊れればふたつ問題があって、ひとつは難民が押し寄せる、もうひとつはテロがやって来る。イギリスは2005年から十何年がんばってきたのですけどね、遂にまたやられちゃったね。


今までの考え方ではテロリズムの根絶は不可能

高嶋)でもイギリスは七つの海を支配する、そういう帝国主義の時代があって、働き手として労働者を受け入れて来ましたよね、ずっと。そしてリビアからもかなり入っているということで。その辺を今度どういう風に調整していくのか、極めて難しいのではないですか?

宮家)やはり移民の問題です。もしくは難民をどうやって受け入れるかの問題です。
イギリスとフランスでやり方が少し違う。フランスの場合は「フランス人になって下さい。フランス語を喋って下さい。だからスカーフなんかは駄目。その代りフランス人にしてあげる」と。イギリスは逆で「もうムスリムのままでどうぞ、そのままで良いです。でも郊外に住んで下さい、我々のところには入って来ないで下さい。でも受け入れますよ」と。
どっちも失敗しましたね。だからその意味では起こるべきことが起きているということですよ。

高嶋)何処に行ったにしても過激派はそんな政府の温情だとか住民の暖かい眼差しであり行為、そんなものを受け付けるような玉ではないのだと。やるところはいつでもやるのだという感じなのですかね。

宮家)そうですよ。ただ誤解を恐れずに言いますが、テロリストというのはほんの一握りです。殆どの難民・移民・それから市民になった人たちは真面目に生きていますよ。そこを忘れちゃいけない。

高嶋)そこを忘れちゃいけないのだけど、これだけの事件が起きるとね。

宮家)ただやっぱり100人に1人とか1,000人に1人は必ずそういうのがいるから、それが上手く動く人民の海というかイスラムの海があるのかもしれない。だけどあくまでも少数派だということですよ。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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