福士蒼汰と工藤阿須加がちょっと今から仕事やめてくる。【しゃベルシネマ by 八雲ふみね・第208回】

By -  公開:  更新:

さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。

今回は、5月27日から公開となる『ちょっと今から仕事やめてくる』を掘り起こします。

すべての“働く人”に贈る、共感ストーリー

福士蒼汰と工藤阿須加がちょっと今から仕事やめてくる。【しゃベルシネマ by 八雲ふみね・第208回】
ブラック企業で働く入社1年目の青山隆は、厳しいノルマを課せられ精神的にも追い詰められていた。
疲労のあまり駅のホームで意識を失い、電車に跳ねられそうになったところを、ある青年に助けられる。

ヤマモトと名乗るその男は隆と幼馴染みだと言うが、隆には彼の記憶はまったくなかった。
爽やかな笑顔と軽快な大阪弁が印象的なヤマモトに出会ってから、隆は本来の明るさを取り戻し、仕事も順調に。

しかしある日、隆は神妙な表情で墓地行きのバスに乗るヤマモトを見かける。
不審に思って調べたところ、実はヤマモトは3年前に自殺していたことが判明。
一体、ヤマモトと名乗るあの男は、何者なのだろうか…。

福士蒼汰と工藤阿須加がちょっと今から仕事やめてくる。【しゃベルシネマ by 八雲ふみね・第208回】
ちょっぴり風変わりなタイトルからも分かるように、本作のテーマは「仕事」。
長時間労働、パワハラ、自殺といった現代社会に即した題材を扱った北川恵海による同名小説は、すべての“働く人”の共感を誘いベストセラーを記録、第21回電撃小説大賞に輝きました。
そんな人気小説がいよいよスクリーンに登場します。

福士蒼汰と工藤阿須加がちょっと今から仕事やめてくる。【しゃベルシネマ by 八雲ふみね・第208回】
謎の男・ヤマモトを演じるのは、福士蒼汰。
ヤマモトのトレードマークとも呼べる鮮やかなアロハシャツがよく似合い、初の大阪弁にも挑戦。
一方、ブラック企業で働くサラリーマン・青山隆には工藤阿須加。
ハードワークにパワハラにと打ちのめされるという精神的に辛い役どころをきめ細やかに演じています。
観ているこちらも、隆に感情移入して鬱々となったり、ヤマモトの笑顔に癒されたりと、とにかく二人のコンビネーションの素晴らしさは特筆もの。

メガホンを取ったのは、成島出監督。
重苦しくなりそうな社会的テーマを取り上げながらも、ハートウォーミングなストーリーへと導く手腕はさすが!の一言です。

福士蒼汰と工藤阿須加がちょっと今から仕事やめてくる。【しゃベルシネマ by 八雲ふみね・第208回】
本作で描かれている以外にも、現代の日本はさまざまな社会問題を抱えています。
人によって置かれている状況は違っても、いかに自分らしく生きていくか…というのは、共通のテーマではないでしょうか。

ゴールデンウィークも明けて、新人社員に限らず、ちょっぴり疲れがたまる時期。
この映画は“明日へとすすむ元気”をあなたにもたらしてくれるかもしれません。

福士蒼汰と工藤阿須加がちょっと今から仕事やめてくる。【しゃベルシネマ by 八雲ふみね・第208回】
ちょっと今から仕事やめてくる
2017年5月27日から全国東宝系にてロードショー
監督:成島出原作:北川恵海『ちょっと今から仕事やめてくる』(メディアワークス文庫/KADOKAWA刊)出演:福士蒼汰、工藤阿須加、黒木華、小池栄子、吉田鋼太郎 ほか
©2017 映画「ちょっと今から仕事やめてくる」製作委員会
公式サイト http://choi-yame.jp/

連載情報

Tokyo cinema cloud X

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。

著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/

Page top