直江津駅「北国街道お弁当」(1,300円)~駅弁文化を未来へ!子供たちの「食育」に繋がる駅弁【ライター望月の駅弁膝栗毛】

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北陸新幹線E7系「はくたか」

北陸新幹線E7系「はくたか」

E7系「はくたか」が、北陸新幹線・上越妙高駅に減速しながら入ってきました。
上越妙高駅は、長野~富山間では唯一、列車の“追い抜き”が出来る駅。
このため、朝夕の「はくたか」の中には、ココで「かがやき」の通過待ちをする列車もあります。
ちなみに、上越妙高はJR東日本とJR西日本の境界駅ですが、乗務員の交代は長野で行われるため、ホームは東日本の駅員さん、運転士・車掌さんは西日本の乗務員の方が担当しています。

上越妙高駅「山﨑屋」

上越妙高駅「山﨑屋」

さて、上越妙高駅の駅弁売場、直江津駅弁の「ホテルハイマート」が手がける「駅弁 山﨑屋」を訪ねますと、新作駅弁が登場していました。
前回、2月末に訪れた際は無かったので、売場の方に伺うと、3月12日に発売されたとのこと。
今回の新作は、北陸新幹線開業2周年に合わせて、上越妙高駅近くにある上越市立大和小学校6年生の皆さんが、「総合学習」の一環として考案に携わったそうです。

北国街道お弁当

北国街道お弁当

駅弁の名は、「北国街道お弁当」(1,300円)。
掛け紙には信濃追分から始まる北国街道の地図が描かれ、児童の皆さんの顔写真も・・・。
そもそも、「北国街道」とは、江戸時代に中山道と北陸道を結んだ“脇往還”のこと。
特に佐渡で産出され、幕府の財政を支えた「金」を江戸へ運ぶのに大きな役割を果たしました。
このような小学生の皆さんが“学んだこと”が、掛け紙の裏側に手書き風で記されています。

北国街道お弁当

北国街道お弁当

【お品書き】
白飯(大葉・種なし梅干し、桜の花、錦糸玉子・でんぶ・カニ、おかか・野沢菜)
鱈の甘露煮
南蛮海老
豚肉炒め
なす揚げ
人参煮物
きんぴらごぼう炒め
切干大根炒め
黒豆・ひたし豆
くるみ小女子
笹もち

北国街道お弁当

北国街道お弁当

ご飯はもちろん豚肉、大根、ごぼう、豆などは、地元・上越産のものを使用。
カニやエビなどは北陸産、くるみや野沢菜など信州の食材も使うなど、北国街道(北陸新幹線)ゆかりの食材を使っているのが特徴です。

「ホテルハイマート」によると、当初は1日限定販売を考えていたそうですが、弁当が出来ていく中でいいものが仕上がってきて、『1日で終わらせるには勿体ない』と通年販売が決まったのだそう。
これはなんとも粋な計らい!
そして、子供たちにとっては、きっと嬉しい知らせだったハズ。
小学校で6年学んだ自信にもなったでしょうし、地元の「駅弁文化」を学ぶ機会にもなりました。

えちごトキめき鉄道・ET127系

えちごトキめき鉄道・ET127系

この時期に学んだことって、大人になってもずっと憶えているんですよね。
私自身、最初に「駅弁」の文章を書いたのが、中学1年の時。
地元の東海道新幹線・新富士駅が出来て、「新幹線グルメ」なるものが登場した際に、学校の“壁新聞”で駅弁について調べて、特集記事を書いたのが最初です。
新潟鉄道発祥の地(えちごトキめき鉄道・関山~直江津間)沿線に生まれ育った児童の皆さんは、自分たちが手がけた駅弁を誇りに、きっと直江津の駅弁文化を未来へと伝えていってくれることでしょう。

(取材・文:望月崇史)

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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