今年で75周年!森の「いかめし」を森駅で買う~森駅「いかめし」(650円) 【ライター望月の駅弁膝栗毛】

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北海道で駅弁といえば、何を思い出しますか?
恐らく、多くの人が「いかめし!」と答えると思います。
もしかしたら、何人かは「森駅のいかめし」という人がいるかもしれません。
では、その「森駅」とはどんな所なのか?
実はこんなに風光明媚な駒ヶ岳と噴火湾を望む駅が、函館本線・森駅なのです。

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森駅は、函館本線の途中駅。
ただ、函館本線は森駅の南、大沼駅までの間で「駒ヶ岳回り」と「砂原回り」に分かれます。
このため、両線の乗換駅として特急「スーパー北斗北斗」は全列車が停車。
森発着の普通列車も設定されており、函館本線の中では比較的大きめの駅となっています。
このため、古くから駅弁の販売が行われてきたわけです。

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森駅で「いかめし」を買う場合には、一度改札を出て待合室にあるキヨスクへ。
朝10時頃から概ね売り切れるまで販売されており、途中下車が出来ない近距離のきっぷでも、改札で「駅弁を買いたい」旨を伝えれば通してくれます。
今は1日300人程度が利用する森駅ですが、キヨスクではちゃんと保温用のボックスで「いかめし」をキープされています。
「わざわざ「いかめし」のために寄ってくれる人も少なくない」とはキヨスクの方の弁。
もちろん「取り置き」にも対応してくれるそうです。(森駅キヨスク、電話:01374-2-6362)

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この日は13:01着の特急「スーパー北斗11号」で着いて、13:44発の普通列車長万部行まで43分の待ち合わせ。
首都圏で暮らしていると「40分待ち」と聞いただけで気が遠くなりそうですが、北海道にいると「ま、いっか」となっちゃいそう。
待ち受けていたのは、国鉄時代から変わらない寒色系のボックスシートが並ぶ「キハ40」形気動車です。
北海道のキハ40をはじめとした、国鉄時代からの普通列車用気動車は、窓が二重構造になっているのが特徴。
本州のような二段窓ではなく一段窓で、窓も小ぶりに作られていて、厳寒地向けの構造となっています。

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東京駅の「駅弁屋・祭」や、デパートの北海道物産展でもおなじみの森駅の「いかめし」。
現地・森駅で買うと保温ボックスから取り出されたばかりなので、温もりがあって掛け紙の外側のラッピングが曇っています。
シンプルですがこういう心遣いがあると、現地で買った甲斐があるというもの。
元々は昭和16(1941)年の発売といいますから、今年で発売75周年というロングセラーなんですよね。
調製元の「いかめし阿部商店」は元々旅館業を営んでおり、森駅開業と共に駅弁を販売、現在は「いかめし」のお店となっています。

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ゴロンと大きめの「いかめし」が2個。
いかめし阿部商店」の公式情報では、製造過程は至ってシンプルです。
洗ったイカにうるち米ともち米を混ぜたものを詰めて爪楊枝で止め、3連ガスバーナーでボイル。
ボイルしたイカを「秘伝のタレ」に入れて味付けし、箱詰め、包装して出来上がりです。
入荷するイカが小さいと「3個のいかめし」になることもあり、3個バージョンに当たったらラッキーかも!?

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一般には9割以上をデパートの催事などで売り上げるという森駅の「いかめし」。
ゴールデンウィーク中は、新函館北斗駅のキヨスクでも販売がありました。(連休中の特別企画だった様子)
でも、現地で買って、昔ながらのサボ(行先案内版)のある気動車で食べると旅情が増してくるでしょう?

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合わせておススメしたいのが、函館本線からの噴火湾の車窓。
森駅から長万部方面に向かって、進行右側の座席に身を委ねると、天気が良ければ真っ青な海が広がります。
ボックスシートを独占して足を伸ばし「いかめし」を頬張る・・・といった至福の時も過ごせます。
おそらく森~長万部間を走る函館本線の普通列車こそが、森の「いかめし」を一番おいしく味わうシチュエーション。
シンプルな味だからこそ”景色による調味”が一番効いてくるのです。

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さあ、今回は1日6往復の列車しか停まらない函館本線の無人駅で下車。
次回、素晴らしい温泉と、北海道の鈍行列車の旅の楽しみ方を追求していきます。

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
「ライター望月の駅弁膝栗毛」
(取材・文:望月崇史)

【ごあいさつ】
はじめまして、放送作家の望月崇史(もちづき・たかふみ)と申します。
ニッポン放送には、昔の有楽町の社屋の頃から、かれこれ20年お世話になっています。
最近では、月~木・深夜24時からの「ミュ~コミ+プラス」で放送された、
ルートハンター」のコーナーに、5年ほど出演させていただきました。

そんな私がライフワークとしているのが「駅弁」の食べ歩き。
1年間に食べる「駅弁」の数は多い年でのべ500個。
通算でも4500個を超えているものと思います。
きっかけとなったのも、実はニッポン放送の番組。
2002年~05年に放送された「井筒和幸の土曜ニュースアドベンチャー」の
番組ウェブサイトで「ライター望月の駅弁膝栗毛」を連載することになり、
本格的に「全国の駅弁をひたすら食べまくる生活」に入りました。
以来、私自身のサイトや、近年は「ライター望月の駅弁いい気分」というブログで
「1日1駅弁」を基本に「駅弁」の紹介を続けています。
”駅弁生活15年目”、縁あってニッポン放送のサイトで連載させていただくことになりました。
3つの原則で「駅弁」の紹介をしていきたいと思います。

①1日1駅弁
②駅弁は現地購入
③駅弁のある「旅」も紹介

「1日1駅弁」ですので、日によって情報の濃淡はありますが、
出来るだけ旬の駅弁と鉄道旅の魅力をアップしていきますので、
ゆるりとお付き合い下さい。

【プロフィール】

望月崇史(もちづき・たかふみ)望月

1975年12月8日静岡県生まれ。
早稲田大学在学中から、ニッポン放送で放送作家に。
卒業後の2002年「井筒和幸の土曜ニュースアドベンチャー」の番組サイトで始めた
ライター望月の駅弁膝栗毛」をきっかけに、全国の駅弁食べ歩きをスタート。
以来およそ15年、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。
1日1駅弁のウェブ紹介を日課とし、これまでに食べた駅弁は4500個以上。
ニッポン放送「ミュ~コミ・プラス」ルートハンター、鉄道特番などにも出演。
丸の内朝大学・温泉クラスの講師も務める。