グランクラスで北海道へ~東北・北海道新幹線「はやぶさ」グランクラス「和軽食」(34,980円、モバイルSuica特急券利用) 【ライター望月の駅弁膝栗毛】

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大宮駅に入ってきたのは、東北・北海道新幹線のE5系「はやぶさ5号」新函館北斗行。
北海道新幹線2回目の今回も、3/27に続いて東京~新函館北斗間・4時間2分の最速列車「はやぶさ5号」の乗車となりました。
この日は当初、東京から乗車の予定でしたが、出かけるのが少々遅くなってしまい大宮へ先回りした次第。
東京の城北、城西地域からですと大宮駅のほうが速くて安く、大宮~新函館北斗間なら「3時間38分」で4時間の壁も突破!
羽田へ出る煩わしさを考えると、大宮駅を使えるエリアなら「北海道新幹線」も、実は「使える」ように思います。

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前回(3/27)「はやぶさ5号」に乗車した際は、普通車指定席(15,460円、モバイルSuica特急券・スーパーモバトク利用)でした。
今回は、せっかくなら「グランクラス」はどんなものかと試してみることに・・・。
もちろん「グランクラス」でもモバイルSuica特急券で乗車が可能(クレジット決済)ですが、早期予約の割引はありません。
ただ、モバイルSuica特急券なら、乗車前であれば何度でも「乗車変更」が出来るのは有難いところ。
この日も直前で大宮からの乗車に変更したので「1,760円」、だいたい駅弁1個+お茶1本分が無駄にならずに済みました。

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グランクラス」というのは、新幹線における「ファーストクラス」のようなもの。
ただ、日本の鉄道は元々「1等車・2等車・3等車」だったことを考えますと、事実上の「1等車」復活でもあります。
1列車18席限定、シートは本革、45度まで電動リクライニング、軽食(和・洋)付き、ドリンク飲み放題が基本。
東北・北海道新幹線の「はやぶさ」「やまびこ」のほか、北陸新幹線の「かがやき」「はくたか」などでも営業。
早朝・深夜の列車や運行時間が短い列車はシートのみのサービスとなり、やや安い料金が設定されています。

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「駅弁膝栗毛」として注目するのは、グランクラスの乗客に提供される「軽食」。
乗車して着席すると、アテンダントさんが温かいおしぼりと合わせて軽食の注文にやってきます。
軽食」は和食と軽食の2択で、フリードリンクは備え付けのメニュー表からの選択。
今回は、アルコール「ビール/ワイン(赤・白)/日本酒」の中から「ビール」に・・・。
それというのも北海道新幹線開業記念として、ビールが期間限定で「サッポロクラシック」になっているのです!

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アテンダントさんがご丁寧に開けて下さった缶を早速グラスに注ぎます。
ただ、缶ビールの「プシュ!」が至福の時という人もいるハズ・・・。
出来るなら「お開けしましょうか?」のワンクッションが欲しかったかもしれません。
それでも北海道限定のビールを本州で味わえるのは、本当に嬉しいもの。
大宮を出たら早くも気分は「北海道」なんです!

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グランクラスで提供されるドリンクは、ロゴマーク入りの専用グラスで提供されます。
マークとサッポロクラシックの黄金色が旅情をかき立ててくれますね。
このほかスパークリングのアルコールとして、東北・北海道新幹線では青森駅隣接「A-FACTORY」製のシードル。
ソフトドリンクは、ホットが「コーヒー/緑茶/ハーブティー」。
コールドは「コーヒー/烏龍茶/アップルジュース/緑茶/コーラ/ミネラルウォーター」からチョイス出来ます。

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東京発・下り列車のグランクラスでは、東京駅などの駅弁を手がけている「NRE大増」が調製した「東京編」の軽食をいただくことが出来ます。
今回は「和軽食」をいただきましたが、概ね「NRE」の季節駅弁のミニチュア版といったイメージ。
駅弁ですと、味ご飯などは保存性から「濃い味」というイメージがあるかもしれませんが、筍ご飯はあっさりとした上品な味付け。
決して駅弁の使い回しではないメニュー構成は素晴らしいと思います。
運行本数が多いので厳しいことを承知で、折詰(器)も日本らしさを感じるものになったら、もっとドキドキがアップしそうです。

【グランクラス和軽食~東京編~お品書き】

さわら西京焼
こごみ天ぷら

きのこ柚子マリネ
花びら人参

玉子焼
筍とあさりの木の芽和え

煮物  巻き湯葉 蓮根 いんげん 飾り人参

季節御飯

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飲み物はお代わり自由。
ビールのつまみ代わりに和軽食をいただいたら、温かいお茶でじんわり〆ます。
もちろん取っ手が付いたグラスにも、ロゴマークが入っています。
揺れの少ない新幹線だけに、飲み物も安心していただくことが出来ます。

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新青森を出たところで手元の呼び出しボタンを押して、この日3本目のドリンク、青森の「シードル」を頼みます。
実は東北・北海道新幹線のグランクラスだからこそ楽しみたいのが「お酒」。
北上するほどトンネルが多くなり、いわて沼宮内以北は携帯も繋がりにくいので、お酒呑んで寝ちゃうのが一番楽チン。
グランクラスはブランケットやスリッパ、さらには45度のリクライニングシートが味方になって、寝るにはもってこいなんです。
関東平野を眺めながら一杯やって、気が付けば”北の大地”というのもイイですよね。

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グランクラスには、お茶菓子も付いてきます。
軽食後のデザートとしていただくことも出来ますが、お願いして後から持ってきていただくことも可能。
今回はりんごのシードルと一緒に、グランクラスオリジナルパウンドケーキ「早春~いちご」をいただきました。
北海道産のいちごを100%使用したジャムを配合、ケーキの小麦粉にも北海道産「きたほなみ」が100%使われています。
青函トンネル区間は時速140キロに落ちますが、とにかく揺れが少ないので飲食にはピッタリなんですよね。

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「はやぶさ5号」が木古内駅を通過したところで、アテンダントさんから乗車への感謝の挨拶が・・・。
トンネル区間が終わり、函館平野に入ってくると、防音壁の間から進行右手に函館山が見えてきます。
ちなみに東京~新函館北斗間のグランクラスを利用した場合、通常「38280円」、モバイルSuica特急券で「36740円」。
新青森を境に料金体系がリセットされるため、新青森までの利用より1万円以上高くなってしまうのが辛いところ。
でも「せっかく新幹線で北海道へ行くなら」とグランクラスを選ぶ人も多いようで、この日も北海道新幹線まで直通で利用する人が目立ちました。

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「はやぶさ5号」は定刻通り12:22に新函館北斗に到着、12:44発「はやぶさ22号」東京行のH5系と並びます。
ピンクのラインが入るのがE5系(右)、パープルのラインが入るのがH5系(左)。
12時半前後はこのジョイントが見られるため、ギャラリーの皆さんもまだまだ多いようです。
今回は大宮からの乗車で新函館北斗まで3時間半あまり、快適なグランクラスで酒の力を借りて、あっという間の北海道でした。
「4時間」「乗車率」「料金」といった数字だけが独り歩きしている感も大きい「北海道新幹線」。
でも、東京からはモバイルSuica特急券(スーパーモバトク)を使えば、新青森までの料金とほぼ同じ15,000円ほどで新函館北斗まで乗車できます。
出来ることなら、数字を見る前に、まずは北海道新幹線を「自分の目」で見てほしいもの。
今回は2度目の北海道新幹線で、開業1か月あまりの函館周辺を再訪していきます。

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
「ライター望月の駅弁膝栗毛」
(取材・文:望月崇史)

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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