プーチン大統領の高度な“ペット外交”とは!? 政治家とペットの濃密な関係 【ひでたけのやじうま好奇心】

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先ごろ、日露首脳会談が行われましたが…

日本の安倍首相とロシアのプーチン大統領、このふたりには、あるユニークな“共通点”があるのをご存じでしょうか?

実は、ふたりとも、大が付くほどの、愛犬家なんです。
いろいろ調べてみますと、こういう例、珍しくもございませんで…一国のリーダーというものは、なぜかイヌ好き、ペット好きが、やたらと多いんです。
そこで今日は、古今東西、有名な政治家たちとペットたちの濃密な関係に迫ってみましょう。

まずは、くだんの、ウラジミール・プーチン大統領。
このヒトのイヌ好きは、つとに有名でして、いっぱいイヌを飼っています。
しかも、自分のイヌばかりじゃありませんで、世界各国から、仔犬たちを譲り受けているんです。
2010年には、ブルガリアから、「バフィー」という名前のシェパードを貰いました。
2012年には、秋田県から、「ゆめ」という名前の秋田犬(いぬ)を貰いました。
だいたいこういうのって、貰ったらそれっきりで、知り合いとかに、あげちゃうもんじゃないですか。
ところがプーチンさんは、この仔犬たちを、それはもう天塩にかけて、大事に大事に育てあげた!
で、忙しいさなか、ヒマを見つけては、このワンちゃんたちと遊んでいる… というんです。
実際、この二匹とプーチンさんが、森の中、寝っ転がって遊んでる写真が、何枚も公表されています。
でも、これを真に受けて、「へぇ~。プーチンって冷たく見えるけど、意外といいヒトなんだな~~」なんて思うのは、早計に過ぎるようです。

雪深い森の中でイヌと戯れる写真をワザワザ公表するのにはワケがある… と思うのが自然でしょう。
そうなんです。
彼は、“ペットを愛する心優しき指導者”というイメージを、国の内外に向けてアピールしている、と言われているんです。

さて、アメをしゃぶらせることもあれば、ムチを振るうこともあります。
プーチンさんにとって、ペットなんてのは、外交の道具に過ぎません。
そのことが、実によく分かる出来事が、2007年1月、プーチン大統領は、ロシアのソチで、ドイツのメルケル首相と、会談を行いました。
メルケル首相といえば、女性としては大柄な方… 実は、プーチンさんよりも、背が高い。
コワモテでなるプーチンさんからすると、ちょいと屈辱的です。
さぁこのとき… プーチン大統領は、どうでたか?
なんと、真っ黒で不気味な超大型犬…「コニー」という名前のラブラドル犬を引き連れて登場したんです!

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部屋の中を、うろつきまわる真っ黒いイヌ…。
メルケル首相は、会談の間ちゅう、まるきり落ち着きがなく、明らかに震え上がっていました。
無理もありません。
実はメルケルさん、会談に先立つこと12年前の1995年、イヌに噛まれたことがあったんだそうです。
で、それ以来、イヌがトラウマになりまして、見るのもイヤになっていたんです。
のちに彼女は、記者団の取材に対して、怒りもあらわに、こう答えています。

「(プーチンが、なぜイヌを連れてきたのか)今となっては理解できるわ。あの行為は、自分がオトコであることを見せつけるためだったのよ…。」

ちなみにプーチン大統領は、「イヌが嫌いとは知らなかった」として、一応、謝罪の意を表明しましたが、ホントに「知らなかった」とは、とても思えませんね。
恐るべしプーチン… といったところでしょうか。

さて、お次は、日露首脳会談のもうひとりの主役、安倍首相です。
安倍さんも大変なイヌ好きでして、「ロイ君」という名前のミニチュアダックスを、長年、飼っています。

安倍さんの場合、ペットを政治の道具に使うようなことはありません。
というよりも、余りに「ロイ君」のことを愛するあまり、国会で問題となることもしばしば…。

たとえば… 安倍さんは、首相の公邸ではなく、ずっと、自宅に住んでいます。
このことが、野党に「危機管理意識が低いのではないか」と批判されたことがありました。
自宅住まいでは、いざというとき、フットワーク軽く動けないのでは?というわけです。
んじゃ、なぜ安倍さんは、批判覚悟で、自宅に住み続けているのか。
実は、理由のひとつとして、ロイ君の存在があると言われているんです。
かつて安倍さんは、自民党の動画番組の中で、こんな発言をもしたことがあります。

首相の公邸の庭には、ヘビが出るんだよ。」
「ロイを庭に離したりしたら、(ヘビに)クルクルッと巻かれてしまうんじゃないかと思うんだ…」

つまり、ロイ君がヘビの餌食になるのがイヤだから、首相公邸には住めない、というわけなんです。

さらに今年2月の衆院予算委員会では、安倍さん自らが、ロイ君にまつわる衝撃の事実を明かしました。
なんと、安倍さんの奥様、昭恵夫人が、間違えて、ロイ君の食べ物を食べていた… というんです!
軽減税率の対象品目の線引きについて、ペットフードが対象となるかどうか?
そんな質疑応答のさなか、安倍さんは、こう発言したんです。

「ペット用のセサミン(健康食品の一種)というものがある。」
「それをもらって、うちの家内に渡したら、ずっと飲んでいた。」
「後で聞いたら、(人間用もペット用も)中身は全く同じだった。」

このときは、第1委員室に、時ならぬ爆笑が巻き起こりました。
安倍さんも、ロイ君にまつわる話となると、ひときわユーモアが冴えるようですよ。

さて、愛犬家の総理大臣といえば、麻生副総理のおじいちゃん、あの吉田茂さんを忘れるわけにはいきません。
なにしろ、「ワンマン宰相」ならぬ「ワンワン宰相」と呼ばれたほどの愛犬家。
麻生さんの著書によると、生前の吉田茂さんは、ことあるごとにこう言っていたそうです。

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「太郎、よく聞いておけ。犬が嫌いな奴は、野蛮人だ。」

… いいこと言いますねーー。
さて、吉田茂さんはケアンテリアという種類の三匹のイヌを、たいへん可愛がっていたのですが…
この三匹のイヌの名前が、ふるっています。
ズバリ、「サン」と「フラン」と「シスコ」。
三匹続けると、「サンフランシスコ」… となります。
すなわち、吉田さんが調印したサンフランシスコ講和条約に引っかけて名付けられたわけです。

この「サン」と「フラン」と「シスコ」の話は結構有名だったりするんですが…
実は、まだ続きがあります。
「サン」と「フラン」の間には、のちに三匹の仔犬が生まれたのですが、
こちらの三匹も、お酒好きだった吉田茂ならではの名前が付けられていたんです。

三匹の子犬の名前は、「ブランデー」と「ウイスキー」と「シェリー」
国際派でならした元外交官だけあって、なんともシャレが利いているじゃありませんか。

さて、イヌを飼ってた政治家といえば、あのアドルフ・ヒトラーも有名です。
ヒトラーは、「ブロンディ」という名前のジャーマン・シェパードを、とても誇りにしていました。

で、ヒトラー自ら、ブロンディにいろいろと芸を仕込んでいたんですが…
ブロンディが、うまく芸がこなせたときには、ヒトラー、すこぶる上機嫌。
こなせなかった時には、ムッツリとして、誰の話にも耳を貸そうとはしません。
まわりの将軍たちは、ブロンディの芸の様子を見ながら、意見を具申することにしていたそうです。
ご存じのように、ヒトラーは、ベルリンの地下壕で、青酸カリをあおって自殺を遂げますが…
その直前、ブロンディは、青酸カリの効力を試すため、一足お先に毒殺されています。
やはり、独裁者のペットは、あまり幸せな最期を迎えることはできないようですね…。

さて、ヒトラーの仇敵、イギリスのチャーチルは、コンゴウインコというインコを飼っていたそうです。
この「チャーリー」という名前のインコ、チャーチルが死んだあとも、ずっと生きていたそうです。
(※イギリスの雑誌『ミラー』によれば)2004年頃、100歳を超えてもまだ元気だったらしい!)
さて、インコですから、とうぜん、喋ります。で、いつも、こんな言葉を話していたんだそうですよ。

「ヒトラーのバカやろう!」

…なんと、チャーチルの独り言というか、口癖が、このインコに、うつっちゃっていたんですね!

政治家のそばに、ペットあり。
古今東西、「政治家とペットの濃密な関係」をご紹介しました!

5月11日(水) 高嶋ひでたけのあさラジ!三菱電機プレゼンツ・ひでたけのやじうま好奇心」より

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