富士山麓の水辺を歩く~新富士駅「巻狩べんとう」(1,100円) 【ライター望月の駅弁膝栗毛】

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静岡と山梨にまたがる「富士山」。

同じように静岡と山梨にまたがって、富士川沿いを走るのがJR身延線。
373系電車が充当される特急「ふじかわ」は、身延線の看板特急。
静岡で新幹線「ひかり」、甲府で特急「あずさ」と接続して運行されています。
富士山エリアへは、途中の富士宮、あるいは甲府から富士急バスでのアクセスとなります。

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富士山の登山シーズンは夏休みですが、富士山を眺めるなら寒い時期が基本。
カラッと晴れた初夏を逃すと、秋までは霞んでしまう日が多くなります。
その意味では今の時期こそ、爽やかな風を感じて富士山周辺を歩くにはちょうどいいかも!?
平坦で美しい景色を見ながら歩けるポイントといえば、静岡・富士宮市の「田貫湖(たぬきこ)」。
1周およそ4キロで約1時間、天気が良ければ逆さ富士が美しく、湖畔の「休暇村富士」は人気の宿です。
(画像は2015年1月に撮影)

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体力に余裕があれば「田貫湖」から足を伸ばして「東海自然歩道」を歩いてみたいところ。
「田貫湖」の北側には「小田貫(こだぬき)湿原」があって、静岡県側の富士山麓では唯一の低層湿原が広がります。
大小125余りの池が点在していて、大きな湿原の中央には木道が設置され、湿原ならではの散策も・・・。
ふと振り返れば、湿原の向こうに大きな富士山の姿も・・・。
足が不安な人は、途中までクルマで行くことも可能です。(駐車場あり)

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さらに北へ洗い越しを渡りながら「東海自然歩道」を歩いていくと、富士宮市の猪之頭地区へ。
この地区にある癒しスポットといえば「陣馬(じんば)の滝」。
世界遺産「白糸の滝」に続く芝川(しばかわ)の支流で、上流からの水と富士山の溶岩の隙間から湧き出す水によって滝が出来ています。
「陣馬の滝」という名前は、源頼朝が「富士の巻狩り」を行った際、近くに陣を張ったことに因んだもの。
1日平均およそ48,000立方メートルという湧水量を誇る、富士山麓でも有数の湧き水ポイントでもあります。

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さあ、まぶしい新緑の中、上流から水が集まってきました。
地球が豊富過ぎる水量にこらえきれず、一気に噴き出してくるような感じ。
「富士山」のパワーのようなものを感じずにはいられません。

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そしてドォーッ!と流れ落ちて飛沫が上がります。
なんとも言えない清涼感!!
湧き水メインですから、夏でも涼しい場所なんです。
間近で富士山の湧き水が作る豪快な滝が見られることから、海外から訪れている人の姿もありました。

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源頼朝の「富士の巻狩り」由来の祭りといえば、富士宮市「富士山本宮浅間大社」の「流鏑馬(やぶさめ)祭」。
建久4(1193)年、源頼朝が「富士の巻狩り」を行った際、武運長久・天下太平を祈って浅間大社に奉納したことが起源とされています。
このおよそ800年の歴史を誇る祭りは例年、5/4~6の3日間に開催され、中日の5日午後に鎌倉時代さながらの流鏑馬が奉納されます。
実は私自身、小さい頃からよく行っていた祭り。
今年は天候にも恵まれ「浅間大社」には多くの人が詰めかけ、伝統の技の”瞬間”を見守りました。

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さて「富士の巻狩り」に因んだ駅弁といえば、新富士駅弁「富陽軒」の「巻狩べんとう」(1100円)。
東海道新幹線・新富士駅は、昭和63(1988)年に開業した駅で「こだま」のみが停車する駅。
新富士駅開業に際して誕生した駅弁の1つが、この「巻狩べんとう」でした。
当時、東海道新幹線の各駅で1つずつ1,000円均一で「新幹線グルメ」というブランドの新作駅弁が競作されました。
今は無くなってしまった駅弁も多い中で「巻狩べんとう」は新富士の定番駅弁として今も人気を集めています。

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武士の食事をモチーフにした大人の幕の内。
湧水に恵まれたエリアのご飯はやっぱり美味しいものです。

【お献立】
一、鮭の照り焼き
一、笹がき信田巻
一、牛肉、猪もどきしょうが煮
一、玉子焼き
一、鶏の雉焼き
一、ちぎりこんにゃく煎り煮
一、筍の古武士煮
一、しめじ茸旨煮
一、ふきの青煮
一、山葵茎甘酢漬(純米酢使用)
一、茄子与一漬け
酢取りしょうが、ゆかり御飯

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世界文化遺産に登録されてから、間もなく丸3年を迎える「富士山」。
改めて富士山周辺で育まれてきた文化的な歴史の重みを感じながら、その恵みを満喫したいものです。
(画像は静岡県富士宮市「白尾山公園」からの富士山)

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
「ライター望月の駅弁膝栗毛」
(取材・文:望月崇史)

【ごあいさつ】
はじめまして、放送作家の望月崇史(もちづき・たかふみ)と申します。
ニッポン放送には、昔の有楽町の社屋の頃から、かれこれ20年お世話になっています。
最近では、月~木・深夜24時からの「ミュ~コミ+プラス」で放送された、
ルートハンター」のコーナーに、5年ほど出演させていただきました。

そんな私がライフワークとしているのが「駅弁」の食べ歩き。
1年間に食べる「駅弁」の数は多い年でのべ500個。
通算でも4500個を超えているものと思います。
きっかけとなったのも、実はニッポン放送の番組。
2002年~05年に放送された「井筒和幸の土曜ニュースアドベンチャー」の
番組ウェブサイトで「ライター望月の駅弁膝栗毛」を連載することになり、
本格的に「全国の駅弁をひたすら食べまくる生活」に入りました。
以来、私自身のサイトや、近年は「ライター望月の駅弁いい気分」というブログで
「1日1駅弁」を基本に「駅弁」の紹介を続けています。
”駅弁生活15年目”、縁あってニッポン放送のサイトで連載させていただくことになりました。
3つの原則で「駅弁」の紹介をしていきたいと思います。

①1日1駅弁
②駅弁は現地購入
③駅弁のある「旅」も紹介

「1日1駅弁」ですので、日によって情報の濃淡はありますが、
出来るだけ旬の駅弁と鉄道旅の魅力をアップしていきますので、
ゆるりとお付き合い下さい。

【プロフィール】

望月崇史(もちづき・たかふみ)望月

1975年12月8日静岡県生まれ。
早稲田大学在学中から、ニッポン放送で放送作家に。
卒業後の2002年「井筒和幸の土曜ニュースアドベンチャー」の番組サイトで始めた
ライター望月の駅弁膝栗毛」をきっかけに、全国の駅弁食べ歩きをスタート。
以来およそ15年、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。
1日1駅弁のウェブ紹介を日課とし、これまでに食べた駅弁は4500個以上。
ニッポン放送「ミュ~コミ・プラス」ルートハンター、鉄道特番などにも出演。
丸の内朝大学・温泉クラスの講師も務める。