伊東駅「いなり寿し(のり巻入り)」(650円)~グリーンストライプの185系「踊り子」で旅の思い出を刻もう!【ライター望月の駅弁膝栗毛】

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185系「踊り子」、東海道本線・早川~根府川間

葉桜の間をぬうようにS字カーブを走り抜けていくのは、東京と伊豆を結ぶ特急「踊り子」。
グリーンストライプの185系電車は、最大15両編成で熱海まで走り、前10両が伊豆急下田行、後5両が修善寺行に分かれる列車もあります。
185系電車のデビューは、昭和56(1981)年3月ですので、今年で実に37回目の春。
当時、カジュアルな見た目は、国鉄特急らしくないとも云われましたが、国鉄の特急エンブレム、イラスト入りヘッドマークなど、今となっては「国鉄らしい」車両ですね。

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185系「踊り子」、東海道本線・早川~根府川間

昔、東京~九州間のブルートレインがたくさん行き交った東海道本線も、今は宇都宮・高崎線と直通するステンレス車体の普通(快速)列車が中心です。
その中で大きなモーターの音を響かせ、鋼製車体の列車がやって来ると、少しホッとした気分に。
私も湯河原~熱海~伊東の温泉へ出かける時は、東京12:00発の「踊り子115号」が定番。
海側の「A席」、下りは偶数番、上りは奇数番をシートマップで指定して、景色を満喫して下ります。

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いなり寿し(のり巻入り)

首都圏には、グリーンストライプの「踊り子」で伊豆へ出かけた思い出をお持ちの方も多いハズ。
その「踊り子」以前の特急「あまぎ」、急行「伊豆」の時代から、伊東駅の看板駅弁として、地元の方に愛されているのが、伊東駅弁「祇園」の「いなり寿し」です。
「駅弁膝栗毛」では、ちょうど1年前に「いなり寿し」の出来るまでに密着しましたが、今回は「いなり寿し(のり巻入り)」(650円)をご紹介しましょう。

*こちらの記事でご紹介しました。↓↓
シリーズ「駅弁屋さんの厨房ですよ!」(vol.1「祇園」編)~伊東駅「いなり寿し」(600円) 【ライター望月の駅弁膝栗毛】

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いなり寿し(のり巻入り)

のり巻入りの「いなり寿し」は、温泉マークが入ったおなじみのレトロな掛け紙の左上に、白抜き文字で「のり巻入り」と丸いロゴが加わるのがポイント。
掛け紙をはがし、ふたを外すと、折詰の中から、いつものいなり寿し4個に、かんぴょう巻きが4つ現れました!
揚げの甘い香り、酢飯の酸味、経木の折詰と相まって、それはもういい匂い!!
祇園の「いなり寿し」は、この瞬間が、旅情を誘われてホントにワクワクします。

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いなり寿し(のり巻入り)

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祇園オリジナルのかんぴょう巻き

伊東駅弁・祇園の「いなり寿し」は、去年秋、東日本エリアで行われた「駅弁味の陣2016」で、見事「思い出賞」を獲得しました。
これは、「旅の思い出として評価が最も高かった」駅弁に贈られた賞。
確かに「いなり寿し」には、お土産として持ち帰ることが出来る特徴はあるんですが、それ以上にふたを開けた時の香り、揚げのジュワッとした食感が、「記憶に残る」んです。
いなりの甘酸っぱさを満喫したい時は6個入りのレギュラーバージョン、アクセントを付けたい時は「のり巻入り」と選べるのもイイですよね。

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185系「踊り子」、東海道本線・早川~根府川間

現在、平日の185系「踊り子」は、東京9:00、10:00、12:00発、伊東13:05、14:06、16:02発の上下3本ずつですが、週末は増発され、30分おきに走る時間帯もあります。
185系電車もいつまで走るか分かりませんが、まずはゴールデンウィーク、伊豆方面へお出かけを予定している方も多いハズ。
伊豆からの帰り、グリーンストライプのちょっと懐かしい「踊り子」に揺られながら、「いなり寿し」の折詰を開いて、素晴らしい旅の思い出を胸に刻んでみてはいかがでしょうか。

(取材・文:望月崇史)

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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