レッドゾーンは核実験~米と北朝鮮はチキンゲームの状況に!?高嶋ひでたけのあさラジ!

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4/18(火)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!③

本日安倍総理とペンス副大統領の会談
7:10~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター小野寺五典(元防衛大臣・自民党政調会長代理)

マイク・ペンス米副大統領 the-WHITE-HOUSEPRESIDENT-DONALD-J.-TRUMPより

マイク・ペンス米副大統領 the WHITE HOUSE PRESIDENT DONALD J. TRUMPより

安倍総理大臣は今日来日するアメリカのペンス副大統領との会談で、北朝鮮に対し軍事力行使を含む全ての選択肢を掲げて圧力を強化するトランプ政権を支持する考えを伝えると見られます。ペンス副大統領は、昨日は韓国の黄教安(ファン・ギョアン)大統領代行と会談をし、北朝鮮が新たな挑発行為に踏み切った場合、強力な懲罰的措置を取る方針で一致しました。

高嶋) さあ北朝鮮に向かってどういうような対処の方法を取るのか。まずニッポン放送報道部森田耕次解説委員です。

森田) アメリカのペンス副大統領は今日の昼、アメリカ軍厚木基地に専用機で到着しまして、安倍総理と総理官邸で昼食を取りながら会談します。安全保障問題を中心に意見を交わす予定です。ペンス副大統領は、昨日の午前中は韓国の南北軍事境界線に接する非武装地帯を訪問しまして、アメリカと同盟国の忍耐は尽きかけていると述べております。また韓国の黄教安大統領代行と会談した後の共同記者会見では、アメリカ軍による最近のシリアへのミサイル攻撃やアフガニスタンへの大規模爆風爆弾、モアブの攻撃に触れまして「北朝鮮はトランプ大統領の決意とアメリカ軍の力を試すべきではない」とこのように警告しております。一方北朝鮮は軍事境界線付近に多数の長距離砲を配備しているということです。こうした中、安倍総理は昨日の衆議院決算行政監視委員会で朝鮮半島有事の際に、日本への難民流入の対処策を検討していると次のように明らかにしました。

安倍総理) 我が国に避難民が流入するような場合の対応については、避難民の保護に続いて我が国が庇護すべきにものに当たるか否かのスクリーニングといった一連の対応を想定しています。

森田) 一方先ほど入ってきたニュースによりますと、アメリカのスパーサー大統領報道官は記者会見で「アメリカが北朝鮮を軍事攻撃する判断の基準となるレッドライン、超えてはならない一線について明確に示す考えはない」と述べております。トランプ大統領は手の内を見せないとしています。一方イギリスのBBC放送は北朝鮮の韓成烈(ハン・ソンリョル)外務次官のインタビューを放送しまして、外務次官は「アメリカが軍事行動を仕掛けた場合、全面的な戦争になるだろう」と述べたということです。こうした中アメリカ軍の原子力空母カール・ビンソンですが、当初は15日ごろに朝鮮半島近海に到着すると見られていましたが、自衛隊関係者は「直行せずに随分離れたところにいる」と述べておりまして、どうも今のペースですと到着は北朝鮮が朝鮮人民軍創設85年を迎える25日ごろになるだろうということです。


北朝鮮が核実験をやればアメリカは行動に出ざるを得ない

高嶋) 元防衛大臣の小野寺五典さんとしては現下の情勢をどう分析されていますか?

小野寺) チキンゲームのような状況になんとなくなりつつある嫌な予感がします。というのはトランプ大統領が一番何を反省点にしているかというと、シリアで化学兵器を使ったときにオバマ大統領が「レッドラインを超えた」と言いつつも攻撃をしなかった。オバマさんが何もやらないと見くびられて問題が複雑化した。今度は強い姿勢でやるぞということで、化学兵器を使ったらすみやかにトランプ大統領はシリアへの空爆、アフガニスタンのモアブのような力による行動を取ったわけです。ということは北朝鮮が今度何かしたら、トランプ大統領はせざるを得ない。オバマと同じと言われてしまうから。何をやったらそうするか。皆さんが気づいているように、核実験をやったらこれは許さないだろうと。


軍事衝突となれば影響の大きい韓国と日本

高嶋) アメリカ人や日本人だって韓国内にかなりいます。よく聞く話で国境沿いにドーンとやってくる大砲のようなものがあって。それでソウルを火の海にすると彼らはすぐに言いますよね。人の命を引き上げて助けて、なおかつ北の威力をやっつけるというのはかなり大変な作戦を取らざるを得ないですよね?

小野寺) 日本への脅威というのは弾道ミサイルが、これはある面では数があると言っても無尽蔵にあるわけではありません。

高嶋) 国内のほうにやってくるやつですよね。

小野寺) そうです。日本はかなり距離がありますから。ただソウルとか、これは国境に接していますが、数百キロしか離れていませんので、大量のロケット砲がいくらでも打てる地域になります。数千両とあるロケット砲をすべて制圧するのは難しい。と考えるとソウルは火の海になるかもしれない。そういう危険性を孕んでいるので、むしろ北は韓国を人質に取っているような状況だと思います。

高嶋) 韓国の人たちは「怖いぞ」とか「大変だ」と退去して逃げ出すということは全くないのですかね? 慣れっこになってしまったのですかね?

小野寺) 韓国では今でも徴兵制がありますし、軍事的には個々の意識は高いと思います。そうは言ってもいざというときにどこまで逃げたらいいかわからない状況なので、韓国の方は北朝鮮との軍事衝突は避けて欲しい。

高嶋) 金正恩さんのお父さんの時代はなんとなく駆け引き、話の阿吽の呼吸を感じられましたが、息子になってから訳がわからなくなってしまった。アメリカの大統領はトランプさんだで。その辺はどうですか?

小野寺) 以前の北朝鮮は核ミサイルを交渉材料にして代わりに「これを辞めるから経済支援をくださいね」とある面でわかり合えたのですが。金正恩さんはわからない状況で、トランプさんはオバマさんが武力交渉をしなかったことを反省点と思っていますので、メンツのためにもやらざるを得ないと仮になった場合、一番影響を受けるのは韓国、次は日本です。これは緊張感をもって、今回のペンス副大統領に対しても安倍総理はしっかり日本の立場を伝えてもらいたい。


もしかしたら中国のコントロールが効かない?

高嶋) 安倍さんも大量の難民が押し寄せるなんて、ああいうことを言うのも珍しいですよね。

小野寺) 質問された場合には当然想定していると答えるしかないので。言われたので言っているということで、決して煽っているわけではないと。

高嶋) あらゆる選択肢がテーブルの上にあると。とりあえずトランプさんは中国に対して「あんたのところがしっかりしないから、勝手にやるんだ。締めろ!」とニュアンスで言っています。どこまでやると思いますか?

小野寺) 北朝鮮の貿易の9割が中国ですから、中国が石油を送らないとか北朝鮮にお金を上げないと言ったら止まると思います。普通であれば。私たちもずっとそう思っていましたが、一昨日北朝鮮が弾道ミサイル実験を失敗しましたが、すでに中国は北に対して、例えば国営の通信社が「北に石油を送るべきではない」と明確に言っているわけですよ。こういう状況でも北は実験をするということですから、ひょっとして中国のコントロールも効かないということになったら、私たちはさらに緊張感を高めないといけない。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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