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藤井フミヤ・尚之兄弟“F-BLOOD”再始動!思い出すのはチェッカーズ【GO!GO!ドーナツ盤ハンター】

昨今のアナログ盤ブームで、改めて注目されているのが歌謡曲のレコード(ドーナツ盤)。
デジタル音源より音に厚みがあり、またCDでは味わえないジャケットの大きさも魅力の一つ。
あえて「当時の盤で聴きたい」と中古盤店を巡りレコードを集めている平成世代も増えているようです。
そんなアナタのためにドーナツ盤ハンター・チャッピー加藤が「ぜひ手元に置きたい一枚」をアーティスト別・ジャンル別にご紹介していきます。

先日「おっ」と思ったのが、藤井フミヤ・尚之兄弟による「F-BLOOD」再始動のニュースです。1997年結成ですから、今年でちょうど20周年。もともと自分たちがやりたいときだけ活動するという自由なユニットで「どちらかが死ぬまで解散しない」と誓い合っているとか。グループ名の由来「藤井家の血」もそうですが、兄弟の絆の深さを感じます。
そしてこの二人が揃うと、やはり思い出すのがチェッカーズ。後期はバンドとしての音楽性をはっきり打ち出しながら、アイドルであることも常に忘れなかった稀有なバンドでしたが、1992年の大晦日に解散して早や25年。その偉大な功績を忘れないためにも、今回は彼らの、アナログで持っておきたいシングル盤をご紹介していきましょう。

【ビギナー向け】・・・『涙のリクエスト』(1984)

涙のリクエスト,The-Checkers

1983年9月『ギザギザハートの子守唄』でデビューしたチェッカーズですが、初動はパッとせず、「これでダメなら久留米に帰ろう」と、悲壮な覚悟で出した第2弾シングルです。
1984年1月にリリースされ、爆発的な大ヒットを記録。この年チェッカーズは『哀しくてジェラシー』『星屑のステージ』『ジュリアに傷心(ハートブレイク)』と4曲連続でチャート1位を獲得し、大ブレイクの一年となりました。その起点となった曲であり、歌謡曲とバンドサウンドをボーダレスにしたチェッカーズの「原点」でもあります。
作詞・作曲は、売野雅勇(まさお)・芹澤廣明コンビ。オリジナル路線に転向する前のシングルは、11曲中9曲がこのコンビの手によるものですが、その最初の作品です。
「最後のコイン」「ダイヤル回す」「トランジスタ」「銀のロケット」といったアナログワードが満載で、デジタル世代には「え、なんでリクエストするのにコインが要るんすか?ダイヤル回すってナニ?」という疑問が湧いてくるかもしれません。「赤電話」も「トランジスタラジオ」も「ロケットペンダント」も見たことすらないんだろうなあ…。
もっとも1984年の時点で、この60年代アメリカン・グラフィティ的世界はすでに20年前のものだったわけですが、まだ巷にはそれらの実物が普通にあり、歌詞も注釈なしで通用したのです。33年前に20年前の世界を歌って大ブレイクしたチェッカーズは、今の若い世代から見ると、3周ぐらい回って「すごく新しい」のかもしれません。
この5年後に昭和が終わり、アナログレコードは急速にCDへとって代わるのですが、昭和の残り香が漂う歴史的資料としても持っておきたい一枚です。100円〜300円で手に入りますので、ぜひ。

【上級者向け】・・・『NANA』(1986)

NANA,The-Checkers

通算12枚目、シングルでは初のメンバーによるオリジナル作品で、フミヤ作詞、尚之作曲の「F-BLOOD」作品です。初期チェッカーズを創った売野ー芹澤コンビと袂を分かつのは、本人たちにとっても大きな決断だったと思いますし、実際セールス面では、初期のような爆発的セールスは望めなくなるのですが、オリジナルでオリコン2位のヒットを記録したことは、藤井兄弟にとって大きな自信になったはずです。
一部で放送自粛となった、フミヤの「やろうぜNANA」という攻撃的な歌詞、また尚之の作曲面での進歩も特筆すべきところ。彼は後にジュリーに曲を提供したり、猿岩石『白い雲のように』を大ヒットさせますが、ここから作曲家としての才能を大きく伸ばしていきました。
本作から31年、永久活動宣言をしている「F-BLOOD」がどんな活動を見せてくれるのか、楽しみでなりません。

【その他、押さえておきたい一枚】

『神様ヘルプ!』(1985)

神様ヘルプ!,The-Checkers

作詞は『ギザギザ…』の康珍化が担当。テンプターズ『神様お願い』+ビートルズ『ヘルプ!』の折衷ができるのは、チェッカーズだからこそ。

『I Love you, SAYONARA』(1987)

I-love-you-sayonara,The-Checkers

フミヤ作詞、ベーシスト・大土井裕二作曲。大土井の作品も佳曲が多く、彼らの音楽的才能を示す名曲。ラストステージとなった1992年紅白歌合戦でも熱唱。

※4/22(土)のニッポン放送『八木亜希子 LOVE & MELODY』(毎週土曜朝8:30〜生放送)は、歌謡曲の様々なナゾに迫るスペシャル企画「歌謡探偵アキコ」をお送りします。藤井フミヤさんが『TRUE LOVE』のウラ側、そして作詞家・売野雅勇さんが『少女A』などヒット曲の創作秘話を語ります。もちろん、お二人にはチェッカーズの曲にまつわるエピソードも直撃!お聴き逃しなく!

【チャッピー加藤】1967年生まれ。構成作家。
幼少時に『ブルー・ライト・ヨコハマ』を聴いて以来、歌謡曲にどっぷりハマる。
ドーナツ盤をコツコツ買い集めているうちに、気付けば約5,000枚を収集。
ラジオ番組構成、コラム、DJ等を通じ、昭和歌謡の魅力を伝えるべく活動中。

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