平昌五輪出場権獲得!男子カーリング日本代表・両角友佑(32歳) スポーツ人間模様

By -  公開:  更新:

現在、カナダで開催されている世界選手権で男子が1998年長野オリンピック以来の出場権をつかみました。

「えっ、カーリングって、男子もあるの?」。

そう思われたリスナーもたくさんいらっしゃると思います。男子の知名度が低いのは、ひとえにオリンピック出場を逸しているからでしょう。

2017040400155(w680)

日本―ドイツ 第2エンド、ショットを放つ両角友佑=2017年4月4日 エドモントン(共同)写真提供:共同通信社

知名度急上昇といえば、スキップ(司令塔)の両角友佑。J1ガンバ大阪の遠藤保仁に似ている。出身は長野県。カーリングを始めたのは、地元で行われた長野オリンピックで、試合を観戦したことがきっかけでした。準決勝進出をかけた米国戦で日本は敗戦。13歳だった両角は、9歳の弟・公佑とともに声援をおくったそうです。「みんなが見ているああいうところで、プレーしたら楽しそう」。

翌99年、軽井沢中でカーリング部へ入り、キャリアをスタートします。指導者にも恵まれたことも見逃せません。同部を指導したのは、所属チームでもコーチを務める長野はと美さんでした。その後、コーチとともにAXE(アックス)というチームを結成。現在のSC軽井沢クラブへ発展しました。とはいえ、これまでの過程では、強い信念が見え隠れします。

両角友がプレーする上で、日本の限界を痛感したのは、まずディフェンスからというスタイル。攻撃しなければ、「世界との差はますます広がる」と一念発起し、00年ごろから、カーリング先進国、カナダで武者修行を行うようになりました。

「日本流は、リスクを回避することが第一。決して悪い戦術ではないけど、上を目指すにはこのスタイルしかない」

と、超攻撃的なSC軽井沢の基本戦術が完成したのです。

07年、SC軽井沢の職員となり、総務部に。総務といっても、何でもやります。経理や施設のメンテナンスなど、とにかくすべての仕事をこなします。この年から今回の世界選手権代表の4人が揃った。日本選手権で09年まで3連覇、13年から4連覇中と国内最強を誇っていますが、世界への壁はとにかく厚く、アジアチャンピオンとなったのは昨年。7度目の挑戦でした。

世界選手権などの試合を見ていると、チームワークは抜群です。意外だったのは、常に4人揃って練習を行っているわけではありません。プロ選手と違い、それぞれが仕事をもっている。セカンドの山口は同じ、SC軽井沢クラブ職員ですが、リードで、両角友佑の弟、公佑とサードの清水は別の会社へ勤務。強化合宿、大会などを除いて、それぞれの勤務にあわせて、長野コーチがマンツーマンで指導を行うのです。

さて、日本でカーリングが認識されるようになったのは、長野オリンピックからですが、65年、ビートルズの主演映画『ヘルプ 4人はアイドル』、また69年の『女王陛下の007』の劇中にカーリングシーンがあったことは、皆さん、知っていましたか。

4月7日(金) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」

Page top