秩父・羊山公園の芝桜と一緒に堪能したい駅弁~西武秩父駅「わらじかつ弁当」(800円) 【ライター望月の駅弁膝栗毛】

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きょう(5/4)は「みどりの日」。
首都圏随一の「みどり」がいっぱいエリアといえば埼玉の「秩父(ちちぶ)」!
望月も沿線在住歴20年以上となる「西武池袋線」の池袋駅にやってきました。
7番線の奥にある「特急専用ホーム」には、既に特急レッドアロー「ちちぶ」号が入線中。
西武線ではおなじみの特急用10000系電車ですが、ちょっと懐かしいカラーリング・・・。

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コレ、「レッドアロークラシック」という特急レッドアローの中で1編成しかないレアな編成。
初代レッドアロー(5000系)は昭和44(1969)年の西武秩父線の開通に合わせて登場、平成7(1995)年に引退し、現在の2代目になりました。
この2代目を1編成だけ初代風のカラーリングとしたものが、平成23(2011)年から西武池袋線を中心に走っていて、当たるとかなりラッキーなのです。
ちなみに、初代5000系の台車や主要機器などは、この10000系電車に流用されており、今も大きなモーターの唸りを上げて快走中。
また車体の一部は、北陸・富山の「富山地方鉄道」の16010形として活躍しています。

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今の時期、秩父といえば「羊山公園」で「芝桜まつり」が開催中。(5/8まで)
西武秩父駅から緩やかな上り坂を歩いて15分あまり、入園料(300円)を払って会場に入ると、甘い香りと共に一面ピンク色のじゅうたんが!
芝桜が植えられている面積はおよそ17600平方メートル、9種類、およそ40万株。
秩父はマイカーの人も多いですが混雑を勘案すると、池袋からほぼ1時間半で、この景色に出逢えるのは鉄道ならでは。
しかも正面にそびえる秩父のシンボル・武甲山(1304m)は、午後からのほうが順光になるので、朝寝坊しても美しい写真が撮れるのが有難い!!

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ただ、芝桜の丘全体をきれいに撮るなら、やっぱり午前中から日の高い時間帯がいいのかも。
植栽にはデザインがあって「秩父夜祭」の笠鉾、屋台の山車に乗った囃子手(はやして)が着こんだ「紅白襦袢(じゅばん)」模様をイメージしたものだそう。
平成12(2000)年から行われている「羊山公園」の「芝桜まつり」、去年は過去最高の48万人が訪れたそうですが、果たして今年はどうか?
時間的余裕のある方なら、出来るだけ平日、早めの時間に訪れるのがおススメ。
西武秩父駅前で入場券を先に買っておくのもイイと思います。

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「芝桜」も掛け紙に刷り込まれているのが、西武秩父駅弁「わらじかつ弁当」(800円)。
秩父エリアでは様々なお店で「わらじかつ丼」等が出されていますが、レッドアローの時間や混雑などでありつけない人も多い筈。
そんな時に重宝なのが西武秩父駅改札外売店、休日などは保温器付の特別ブースも設けて販売されている「わらじかつ弁当」です。
実はこの「わらじかつ弁当」、西武秩父仲見世通り「お食事処仲見世」で調製されており、普段は営業開始の10:30ごろからの販売開始。
なので限りなく出来立てに近い、温もりのある駅弁を手にすることが出来るのです。

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秩父のお隣・小鹿野のお店が発祥といわれる「わらじかつ」。
1足の「わらじ」になぞらえ、たれで味付けされた「2枚」のカツが白いご飯の上にドーンと載っているのが特徴です。
「お食事処仲見世」では「たれ」に醤油やざらめ、砂糖、みりんなどが使われているようで、掛け紙とふたを外すと甘い香りに包まれます。
思わず口の周り脂いっぱいにして、カブリと豪快にかぶりつきたい気分になるでしょう。
箸休めに酸味があってシャキシャキした食感を持つ漬物の「しゃくしな漬」が入っているのも秩父ならではです。

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「羊山公園」から西武秩父駅までは、西武秩父線のトンネルの真上を通るショートカットできる道もあります。
ちょうど西武秩父を発車したばかりの特急レッドアロー「ちちぶ」号がトンネルに吸い込まれていきました。
但し、とても急坂なので帰り道の利用がおススメで、足に不安がある方は緩やかなルートのほうがいいと思います。
さあ、今回の駅弁膝栗毛、「芝桜」は正直言って”前座”です。
次回、噂の「レストラン列車」に乗り込みます!

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
「ライター望月の駅弁膝栗毛」
(取材・文:望月崇史)

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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