2年のブランクを経て異例の現役復帰した「コート上の指揮官」その理由は?~横浜ビー・コルセアーズ・竹田謙選手インタビューその② 清水久嗣のB.LEAGUEレポート!

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男子プロバスケットボールリーグ・Bリーグ。
プロスポーツでいくつものチームを渡り歩く選手のことを『ジャーニーマン』といいます。
バスケットボールも例外ではありません。それだけ、その選手が様々なチームで必要とされる存在であることも事実。
「ベテランと呼ばれることは29歳のときに栃木に移籍してからずーっと最年長なので、何も気にならないですね」サラッとそう言って笑うのは横浜ビー・コルセアーズの37歳・竹田謙選手。
13年間で5つ以上のチームを渡り歩き、一度は現役を退きながら2年間のブランクを経て復帰。
チームに彼の経験を注入し、いくつもチームのピンチを救っています。

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©B-CORSAIRS

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©B-CORSAIRS/T.Osawa

2014年5月。「やりきった。」そう思ってユニフォームを脱いだ竹田選手。
バスケットボールを始めたのは中学校から。国学院久我山高校から青山学院大学に進学。バスケットの強豪エリート街道を進んでいると思いきや、すべて一般入試による受験から入学しバスケットボールを続けました。
2001年に旧日本リーグの東京海上ビッグブルーに加入してから5つ以上のチームを渡り歩くこと計13シーズン。日本代表にも選ばれました。
引退後は栃木でアシスタントGM兼アンバサダーを務め、女子バスケットボールのデンソーのアシスタントコーチに就任。その2年のブランクを経て、今シーズン現役に復帰しました。

その理由やきっかけは何だったか。
どうやらBリーグ開幕がきっかけ…というわけではなかったようです。

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©B-CORSAIRS/T.Osawa

「一年間、女子のチームのコーチやっていた時『なんかスゲー一生懸命やっているな』と。デンソーの女子選手が一つ一つのことを本当に徹底的にやっていたんです。それが自分の中で響きました。そして日本代表の女子チームはアジア選手権で優勝して、リオオリンピックでも活躍しましたよね。それを見ていて男子には無い“何か”があるなと思って。なぜか『もう少しできたらな』という気持ちになってきて…。実際コーチという立場で指導する中で、“自分に置き換えたらどうなる?”と純粋な疑問が出てきました。」
コートから離れて感じたこと、指導する立場で感じたこと、見えてきたこと。
選手時代には味わえなかった感覚が再び竹田選手を突き動かします。

「それで“やっちゃおうか”って。もう勢いがないと(復帰は)できないですよね。家族も『ちゃんと家族で暮らしていければいいよ』っていう話だったので。今は(復帰して)良かったなと思っています。」

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©B-CORSAIRS/T.Osawa

その時の感覚と勢いで決めたという現役復帰。
しかし、元日本代表プレイヤーとはいえバスケットボールは激しさを伴うスポーツ。そのブランクを埋めることは容易ではないはずです。
「コーチの時は週1回くらい選手と一緒にトレーニングしていましたけど、そのほかは特にトレーニングをしていませんでした。シュートの感覚とかも、しっくりくるようになってきたのは最近ですね。シーズンの前半はチームに迷惑もかけましたし、自分でも恐る恐るやっている部分は結構多かったです。」
ブランクを感じさせず、シーズン序盤からチームを幾度も救っていたように感じましたが、竹田選手の中では決して納得のいくプレーではなかったようです。
シーズンも終盤に差し掛かり「今はだいぶ感覚が良くなってきたんですけど…逆に体力が落ちてくるというか、疲れがたまってくるんですよね(笑)」

チームが厳しい状況にある中で、竹田選手の存在は欠かせません。
ベテラン選手には避けられない体力の不安は豊富な経験でカバーしてくれるはずです!

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©B-CORSAIRS/T.Osawa

竹田選手は今シーズン、スターティング5(先発メンバー)に名前を連ねたことがありません。しかし47試合中44試合で途中出場しています(3/29現在)
そして、その多くは、バスケットボールで大事な“流れを作る、取り戻す“シーンでの起用。どんなに強いチームでも流れに乗れない時、ピンチの時はあります。
竹田選手はそういうシーンで登場しては、プレーで流れを変えることもしばしば。
ヘッドコーチの考えを、プレーを通じて他の選手に伝えているかのような姿はまさに「コート上の指揮官」です。

実際に途中からコートに入る際、どんなことを念頭に置いているのでしょうか。
「試合の流れで“今どうなっているか”を気にしつつ、自分が入って“何かを変える”というのは意識しています。」という竹田選手。
「相手にプレッシャーをかける人が入るだけでも、全体の流れが変わる」バスケットボールにおいてに大切にしていることは「積極的に動くこと」。
「当然、(コートの)中でやっているときは気づかないこともありますし、なかなか口で『こうしよう』と(選手に)言っても変わらないところです。なのでディフェンスでプレッシャーをかけるとき、『エネルギーが足りていないな』と感じればわざと大げさにします。」

これは実際に竹田選手のプレーを見ていただいたいのですが、劣勢でコートに現れた竹田選手が“速く大きく動く”姿を確認できます。
他の選手はその姿にメッセージを感じ、チームの流れは好転し、勝利へと向かっていく。
そのために竹田選手はきょうもコートに立ちます。

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©B-CORSAIRS/T.Osawa

とはいえ37歳という年齢。しかもブランクを経て現役復帰という経歴の持ち主である竹田選手。今後のバスケット人生をどう見据えているのでしょうか。
「いつまでやろうとか、できるだけ長くやろうとかは余り思っていません。現役の間にそれだけ色んなことができるかっていうところに意識があります。当然、終わりは来るので。自分の出来ることは全部やり尽くして、いつ終わってもいいように後悔しないように毎日プレーしていたいですね。」
現役の時と違うのは「自分をより客観的に見ることができている」という竹田選手。かつて様々なチームを渡り歩いた『ジャーニーマン』はバスケットボールの新たな発見とチャレンジを目指す『ジャーニーマン』に。
竹田選手の第2のバスケット人生は始まったばかりです。

3月29日現在、中地区5位と苦境に立たされるチーム。竹田選手には残り試合にかける思いを尋ねました。
「とにかく崖っぷちに立たされているので、その崖から少しでも離れられるように1戦1戦全力で勝ちを掴みに行くのみです。目の前の試合に対して全力でいい準備をして、チーム全員で戦って…とにかく勝ちたいですね。内容はどうでもいいです。」
勝利に、結果に飢えている今、チームの底力が問われます。

今週末は中地区優勝に王手をかけている川崎ブレイブサンダースとの戦い『神奈川ダービー』。
横浜ビー・コルセアーズにとっては強いチームに勝って、勢いにのって苦境を脱する。そのきっかけにしなくてはならない注目の一戦です。

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横浜ビー・コルセアーズ vs 川崎ブレイブサンダース
開催日:4/1(土)18時~、2(日)14時~
会場:横浜国際プール(横浜市営地下鉄グリーンライン「北山田」駅から徒歩約5~10分)
チケット:https://b-corsairs.com/ticket/
横浜ビー・コルセアーズ:https://b-corsairs.com/
Twitter:https://twitter.com/b_corsairs
Facebook:https://www.facebook.com/YokohamaBcorsairs/

次回は4月3日(月)の更新予定。
「性格もざっくばらん?」名前も話題になったアルバルク東京のザック・バランスキー選手にお話を伺います。

(清水久嗣)

前編【熱いブースターと共に首位・川崎との「神奈川ダービー」に挑む~横浜ビー・コルセアーズ・竹田謙選手インタビューその① 清水久嗣のB.LEAGUEレポート!】はこちら>

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