働き方改革実行計画~繁忙期の残業上限100時間は大変な数字だ!高嶋ひでたけのあさラジ

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3/29(水)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!③

残業の上限規制に罰則も
7:10~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター鈴木哲夫(ジャーナリスト)

働き方改革実現会議に臨む連合の神津里季生会長(右から2人目)経団連の榊原定征会長(同3人目)ら=20170317首相官邸 写真提供:産経新聞社

働き方改革実現会議に臨む連合の神津里季生会長(右から2人目)経団連の榊原定征会長(同3人目)ら=20170317首相官邸 写真提供:産経新聞社


残業の上限は原則月45時間、年360時間なるも繁忙期は月100時間

政府は働き方改革実現会議で、罰則を付けた残業の上限規制の導入や、正社員や非正規労働者との不合理な差を無くす同一労働・同一賃金の実現を目指す実行計画をまとめました。残業の上限を原則月45時間、年360時間と明記するなど、初めて残業の上限時間が設けられました。

高嶋)相変わらず旧態依然の決め方だな、みたいな感じがしてしょうがないのですけどもね。働き方改革。それでは早速ニッポン放送報道部森田耕次解説委員です。

森田)「働き方改革」は安倍総理が“最大のチャレンジ”と掲げました労働政策の見直しの総称です。去年6月に閣議決定した「一億総活躍プラン」を実現する為の“柱”と位置付けているのですね。政府は昨日働き方改革実現会議を開きまして、改革の実行計画をまとめました。人口が減る中でも生産性を向上させて、多様で柔軟な働き方が選べる社会づくりというのがねらいです。最大の焦点であった残業規制については、上限の原則を月45時間、年360時間と明記しまして、特例で繁忙期の上限を設けました。ひと月で100時間未満、繁忙期が2ヶ月から6ヶ月続くのであれば月平均80時間以内としました。一方で自動車の運転業務や建設業、それからお医者さんは適用を5年間猶予するとしています。それから同一労働・同一賃金については、基本給や賞与、それから交通費、有給休暇などを正社員と同じ仕事であれば同じ待遇とするよう求めているのですが、企業側の理解が進むかどうかが課題です。いずれも企業や働く人の自主的な取り組みに委ねた面も多くて、個人消費の拡大や生産性の向上に着実に繋がるかどうか、ここも課題です。安倍総理は昨日の会議で次のように述べています。

安倍総理)戦後日本の労働法制史上の大改革であるとの評価もありました。ただ同時に法案を立案し、国会に提出をしてそしてさらに成立をさせなければ、単なる作文であり絵に描いた餅に終わってしまう訳であります。


繁忙期の残業100時間、しかも休日出勤は別 これで改革?

森田)今後法律については厚生労働大臣の諮問機関で改正案をまとめて、年内に法案を国会提出し、早ければ2019年の4月から順次施行される見通しになっています。

高嶋)鈴木さん、謳い文句は過労死防ぐだの子育て・介護を両立しながら女性が働けるだの高齢者も働ける環境を作るだの、いろいろ言っておりますけども、少なくともニュースなんか見ていると、安倍さんが賃上げを要求する、例えば「ベアアップ」とかね、ああいうのも並んでいるのは皆大企業の名だたる人たちばかりで、今回もそういう人に配慮して100時間というのが攻防戦になりましたよね。「以内」なのか「未満」なのかというので、それで安倍総理の一言で決まって、財界も総理の顔は立てて100時間ということなのですけどね。これで事が解決するかというと、いろんな職業、まだまだ適用されない人たちも結構いるし、建設業だとか運輸関係とか皆例外的に扱われているようだし。これってどういう風に取ったらよろしいですか?

鈴木)まずひとつは、この100時間というのは、議論がそこに矮小化されたというか注目が、マスコミが悪いと言われるとそれまでですが、ここの問題というのは100時間というのは大変な時間なのですよね。

高嶋)大変ですよね。

鈴木)週休2日と考えるとだいたい月に休日もあるから働く時間はひと月20日間くらいです。そうすると100時間ということは、1日5時間、ということは朝9時から5時で終わるのが夜の10時まで働くということですよね。さらにこれ休日が入ってないのですよ。だから休日出勤はまた別なのです。これ実は大変な上限だというのがひとつ。

高嶋)何が改革だっていう感じなのですよね。


働き方改革は経済成長の為の労働環境づくり?

鈴木)それであとひとつ根本的にこの議論をずっと聴いて取材していてもそうなのですが、何の為にこの働き方の改革をやるのか。どう見ても“経済”なのです。経済を要するにより成長させる為に労働環境をどうしていくか。でも僕は働き方の目標というのは経済ではなく、やっぱりその人それぞれの働き方だと思うのですね。もっと言えば人権と言っても良いけども、だからやるべきは例えば正規・非正規をどういう風にバランスを変えていくのかとか、例えば女性ですよ、まだまだ企業って女性に対して閉鎖的な所があって、そういう女性の働き方をどうするべきか。つまり多様な働き方、人として働く働き方をどう作っていけばいいのかという所に僕は主眼を置いてやるべきだと思う。

高嶋)こういうのって得てして帳尻合わせが優先して、それぞれの会社が、上の方は労働基準監督局とか気にしますから。休めとか、残業をさせるなとか、中間管理職には言うけど、現実には定められた仕事はやらなければいけない訳で、何らかの形で見つからないようにやっている訳ですよ。“モグラ仕事”みたいなことをね。家に持って行く昔で言う“風呂敷残業”なんかもそうだし、何かやっている訳ですよね。その辺をきっちり見極めて、監督して、そして本当に働いている人にとって「ああ、ゆとりが出たな」というような、そういうものにしないと働き方改革にならない。

鈴木)おっしゃる通りです。だからそれは要するに働く人たちの為に向けて何をやるかであって、経済を成長させる、活性化させる為にこの改革をやっているのではないですかということがメニューには並んでいる訳ですよ。

高嶋)何かお題目っぽいのですよね。

鈴木)だからそこの所をよく、まあ法律になるのはこれからですから、その辺りを国会で侃々諤々議論して欲しいと思いますね。経済成長の為に我々は働いているのでしょうが、違いますよね。だからそこの所をこの働き方改革でどこまで政治が規制してくるのかという、ここは相当厳しく見ないといけないと僕は思いますね。

高嶋)ひとつ仕事と言ってもいろんなレベルがありますからね。それからいろんな密度の違いがありますからね。

鈴木)年齢もある、性別もある、いろんな人が働いている、だからその人の生き方の問題なのかということ。

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