相手が自分より小さく見える!大相撲大関・照ノ富士春雄(25歳) スポーツ人間模様

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今場所は、初日から負けなしの12連勝と稀勢の里が優勝へ一直線。新横綱が場所を盛り上げています。ところが、不気味なのは、1敗で追走する照ノ富士の存在です。

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荒鷲(右)を攻める照ノ富士。上手投げで下す=エディオンアリーナ大阪 写真提供:共同通信社

今場所は4度目のカド番という厳しい状況で迎えた照ノ富士。16年は、初場所で原因不明の右鎖骨骨折で途中休場。11敗以上が2場所あり、夏場所は場所皆勤歴代大関のワースト記録を更新する13連敗でした。
つまずきの原因は2015年の秋場所13日目、稀勢の里に寄り倒され、右ひざを負傷したことによります。場所後に右ひざ前十字じんたい損傷、外側半月板損傷と診断されました。

「ずっと負け続けているばかりで、おもしろくない。おれはいったことは、必ずやる。まっていてくれ」

と名誉挽回のチャンス到来を待ち続けてきました。

それだけに、千秋楽の対戦が予想される稀勢の里戦まで、ガッチリと1敗をキープして、逆転優勝を狙っている。好調のバロメーターはビッグマウスとひざの状態。師匠の伊勢ヶ浜親方(元横綱旭富士)は、「まだ本調子ではない」と話していますが、照ノ富士は、

「相手が自分よりも小さく見える。そういう時、勝っちゃうんだ」

とつぶやくなど、手応え十分の様子です。
休場した白鵬が以前、「まともにやったら、絶対に勝てない相手」と漏らしたほどの逸材。「横綱になりたい」と入門当時から繰り返してきました。平成生まれ初の大関で将来、昇進すれば、これまた平成生まれ初の横綱となります。
場所入りする際の送迎車は、これまで必ず「72」をリクエスト。いわずと知れた72代横綱を目指すからです。それが、稀勢の里に先を越されて今場所から「73」へ変更されました。
昨日12日目に対戦した遠藤は、体形では圧倒しているものの、苦手でした。確かに、土俵際に運ばれ、あとひと息で敗れるところまで追い詰められたものの、粘りを発揮して浴びせ倒しで退けています。

「場所前は休まずけいこをした。それが良かったと思う。調子は普通だ」。

照ノ富士はストレートな物言いをします。普通という時は、調子が良い証拠。
欲しいものは、「金」とジョークとも、本音ともとれることを平気で言う。辛酸をなめつづけた大器が長いスランプを脱出して、覚醒したことでより場所を盛り上げています。千秋楽まで、稀勢の里をぴたりと追随する照ノ富士から目を離すことができません。

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3月24日(金) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」

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