古くて新しい日本食“天ぷら”が復権!活気ある老舗に新形態が加わり市場拡大!【ひでたけのやじうま好奇心】

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高嶋)けさの「やじうま好奇心」は、東島衣里アナが好奇心の赴くまま、足で稼いで調べてきた、アツアツの『天ぷら』のリポートです!

東島)流行りの食べ物、というのは毎年のように何かしら話題に上りますが、最近は何か?気が付いてしまいました。それは…「天ぷら」です。

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(左)「船橋屋」 / (右) 店内カウンター席 (船橋屋 本店 ぐるなびより)

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【天ぷら6種】船橋屋◆菊コース(船橋屋 本店 ぐるなびより)

新宿の「ビックロ」の裏側にある老舗天ぷら屋「つな八」とその対面(といめん)にあるこれまた老舗の「船橋屋」。前から人気店ではありましたが、これまで以上に行列が絶えず、売り上げは2割増との話。

調べてみると、“天ぷらが盛り上がっている”という現象は一部の店だけではありません。
シンクタンクの「富士経済」によりますと、天丼・天ぷら市場は、2014年から大幅な市場拡大が続き、去年も前年比20%増となっています。
天ぷら専門店だけではなく、ファミリーレストランも軒並み、「天ぷらメニュー」の充実を図っています。最初は、お年寄りからのニーズで天ぷらメニューを導入したのですが、意外に子供たちからの注文も多い、という現象が起きています。

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船橋屋別誂 関根の玉締め絞り(船橋屋 本店 ぐるなびより)

それでは、日本食の定番「天ぷら」が、なぜ今復権したのか?そこには様々な理由がありました。
そもそも天ぷらは台所が汚れるので「家で作ることが少なくなって、外で食べるものになった。」
そこへ来て、インバウンドの外国人たちが行列を作って「天ぷら」を食べている風景に、「天ぷらを見直す機運が高まった。」さらには、「立ち飲みと天ぷら」という新たなスタイルが立ち上がった。これがウケているのです。

「スペインバル」「肉バル」「餃子バル」といった、それぞれ専門の飲み屋さんがありますが、このところ「天ぷらバル」が、上野、新宿、広尾、渋谷、恵比寿とあちこちで増殖。
その内の一つに自腹で行ってみたんですが…

夕方4時。私が入ると、すでに女性客が天ぷらをパクつきながら、ワインをグイッといっています。日本酒もいろいろありますが、天ぷらはワインとかシャンパンにも合うという
ことで、店はお酒の種類が豊富。

大根てんぷら①

大根の天ぷらを食す東島アナ

注文は、「白身魚」とか「牡蠣」とか、好きなものを一つずつオーダーする方式。どれもカラっと揚がっていて美味しいんですが、一番人気だという「大根の天ぷら」は特に絶品でした。
厚さ2センチの大根の煮つけを、天ぷらにしているんですが、染み染みのダシが効いてものすごくジューシー。

カウンターの中で揚げているのは・・・ほかの「天ぷらバル」もそうでしたが、白衣を着た明らかに“天ぷら職人”!つまり、バイトの香りがまったくしない本格派、というのもポイントが高いのではないでしょうか。
聞けば、和食の料理人たちが天ぷらバルで独立する例も多いんだそうです。

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山陰もったいないプロジェクト立天○(たちてんまる)

もう1軒、天ぷらで立ち飲みが出来る人気店にこれまた自腹で行ってきました。
昼の11時から夜までやっている、新橋の「立天○(たちてんまる)」。
席はカウンター8人のみで小さめ。

昼の「天ぷらランチ」は600円で、エビにイカ、白身魚、ナス、ネギなど結構大きめの具材6種類。
ごはんと味噌汁がついて、私はお腹いっぱい。
さすがに飲みませんでしたが、アルコールを付けても1,000円切るということで、「千円でべろべろになれる=センベロの店」としてファンもしっかり付いています。

店の天ぷら職人に、「名物の“ばばあの天ぷら”を食べていってくださいよ!」と言われ、耳を疑いました。“ばばあの天ぷら”って?

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名物の“ばばあの天ぷら”

実は、立天〇は、島根・鳥取の山陰地方のもったいない食材を活用した天ぷら屋ということで、廃棄されてしまう美味しいものを持ってきて、天ぷらにして安く提供しています。
「ばばあ」というのはおばあちゃんにそっくりということから、現地でそう呼ばれている深海魚。たしかに、ちょっとしわしわです。

ばばあは、カニの網に引っ掛かってくる深海魚ですが、正式名称は「タナカゲンゲ」。
田中先生が発見した、下の下の魚、ということのようです。かわいそう・・・

ばばあ(タナカゲンゲ)2(w680)

ばばあ(タナカゲンゲ)

ばばあ(タナカゲンゲ)(w680)

ばばあ(タナカゲンゲ)

しかし、味は淡泊でタラに似ていて、天ぷらにして食べたらプリッとして美味しかった!地元では、「ばばあ鍋」にしているそうです。

他にも、高級魚の「のどぐろ」がなんと300円と、あり得ない価格!
店では「規格外の魚」や「漁で傷ついた魚」「珍しすぎる魚」など出荷が出来ずに値段が付かない、けど美味しい魚や野菜を天ぷらにするわけです。
この方法だと、エコだし、地方の美味しいものをアピールできるし、何より私たちも安く食べられる。うまいこと出来ているシステムです。

立天◯-店内

立天◯ 店内にて

夜になると、新橋のサラリーマンやサラリーウーマンでにぎわい、ちょいとひっかける気が楽しく食べて飲んで長丁場になるのか、ハイヒールを脱ぎ棄てる女性も続出。
そんな素足になってしまう女性の為に、店の壁には「ゴザあります」と親切に書かれていました。
エビが1本80円。安い!そのほか、いろいろあって、どれもリーズナブル。

「天ぷら」は油だからカロリーが高い、と思っている人が多いかもしれませんが、私も気になって調べたら、管理栄養士が勧めるぐらいの『健康食』でした。
衣をつけることで衣の水分を蒸発させながら中の食材を蒸して、食材のおいしさと栄養成分を逃がさない料理で、特に水に溶けてしまいやすいビタミンCは茹でるより天ぷらにした方が残る率が高い!
カロリーが高いと思われがちですが、天ぷらの盛り合わせ一人前は、オムライスよりもカロリーが低い。

・・・ということは、天ぷら屋さんが増えているのは納得ですし、世界無形遺産の「和食」の中でも、「天ぷら」こそ、日本人がもっと食べてもいい料理なのではないでしょうか。

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立天○(たちてんまる)
URL:http://mottainai-action.com/
住所:東京都港区新橋3-15-7
TEL:03-3431-0118

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3月21日(火) 高嶋ひでたけのあさラジ!三菱電機プレゼンツ・ひでたけのやじうま好奇心」より

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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