あけの語りびと

全国各地の高齢者施設を笑顔にする体操の先生「あけの語りびと」(朗読公開)

それぞれの朝は、それぞれの物語を連れてやってきます。
上柳昌彦あさぼらけ 『あけの語りびと』

今朝は、老人ホームや老人の介護施設で大変な人気を博しているごぼう先生という方をご紹介します。

ごぼう先生の本名は梁瀬 寛(やなせ ひろし)さん。1985年、愛知県岡崎市生まれ。
高齢者の「笑顔」をつくる会社、株式会社GOBOUの代表取締役です。
こんな肩書はともかく、ごぼう先生は自分で考案した健康体操の指導のために全国各地の高齢者施設をまわり、お年寄りたちから熱烈な支持を受けています。
「ごぼう先生、一緒に写真を撮って!」「ごぼうさん、サインちょうだい」と、まるでアイドル並み!

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ごぼう先生の指導は、とにかく元気で楽しい。 たとえば、こんな具合・・・。
「はい、右手でジャンケンしましょ。グー、チョキ、パー。グー、チョキ、パー。今度は左手で、パー、チョキ、グー。パー、チョキ、グー。はい、そしたら両手で同時にグー、チョキ、パー。パー、チョキ、グー。・・・大丈夫です、安心してください。だぁれも出来てません!」
出来ない自分を不安に思って、周りをキョロキョロ見回していたお年寄りは、ここで、ドッと笑います。

ご飯を食べているときも車を運転しているときも、とにかく、お年寄りが楽しんでくれそうな体操のアイディアを練っているというごぼう先生。

これまでに考案した体操は、

*食べ物が気管に入るのを予防する「口の体操」
*転倒予防のための「自力体操」
*物忘れ予防のための「できなくてあたりまえ体操」
*バランス強化のための「ボール体操」
*体の深い部分の感覚を刺激する「棒体操」

~などなど。

「あ!これがいい」「おもしろそう!」というアイディアがひらめけば、新聞紙を丸めた棒を100本作ったことも、風船を100個買いに走ったこともあるそうです。

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ごぼう先生は、高校時代までボクシングに夢中でした。インターハイから国体にまで出場してベスト16に入ったといいます。
さて、ボクシングにはケガがつきもの…。様々な治療院に通ううち、人の体を治すという夢に目覚め、高校卒業後は、浜松の専門学校に通って、鍼灸師の資格を取ります。
さらに、名古屋の大手接骨院で2年間の修業。そして、2009年、24歳の若さで「梁瀬訪問鍼灸治療院」を開設します。
(さて、自分には何ができるのか?自分にしかできないこととは何か?)
真剣に考えた末に出てきたのが「体操指導の出前サービス」だったのです。

介護の「ご」に、予防の「ぼう」で、ごぼう先生~というのは、あとに考えた説明で、本当のところは奥さんとの口げんかのとき、「あんたなんか、ごぼうじゃない!」と言われたのがキッカケだったとか?

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ごぼう先生は言います。
「車いすの方、認知症の方、半身不随の方、いろんな方がいらっしゃいます。100人のお年寄りがいれば、100通りのケアがあるんです。その共通項となるのが「笑い」。だから僕は全力で、笑わせます!もちろん相手は、人生の大先輩ばかり。ですから一番大切なのは〝尊厳〟の気持ちを忘れずに接することです」

これまで数多くのお年寄りとの出逢い。その中で忘れられないエピソードをうかがってみました。
「愛知県豊田市の山奥の公民館にうかがったときのことです。車いすに乗った静かなおばあちゃんが、最後に言ってくれたんです。『ああ~、久しぶり、こんなに笑ったなぁ』って…」

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2017年3月22日(水) 上柳昌彦 あさぼらけ あけの語りびと より

https://soundcloud.com/shovel_jolf/20170322a

朗読BGM作曲・演奏 森丘ヒロキ

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