折尾駅「折尾神楽」(1,300円)~地元・折尾に根ざしたお祭り駅弁【ライター望月の駅弁膝栗毛】

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885系・特急「ソニック」と813系の快速

3週間にわたる九州シリーズの〆は、再び北九州の鹿児島本線・折尾駅へ。
折尾駅では、博多~大分間を走る特急「ソニック」と快速列車との待ち合わせが行われます。
この快速には、門司港・小倉から博多をスルーして、熊本の荒尾までロングランする列車もあって、北部九州を「青春18きっぷ」などで移動する際には、重宝する列車です。
折尾の停車時間中には、駅弁の立売が行われることもあり、買い求める人の姿も見られます。

折尾神楽

折尾神楽

そんな折尾駅がある北九州市八幡西区で、毎年夏に行われるのが「折尾神楽」。
「折尾神楽」は、昭和45(1970)年の大阪万博で披露された石見神楽をルーツに、同じ年、折尾神楽保存会が始めたもので、今ではすっかり定着し、北九州各地の神社で奉納されているそう。
これに因んだ駅弁として、平成25(2013)年10月、「東筑軒」から販売が開始されました。
「第10回九州駅弁グランプリ」にエントリーされた駅弁の1つでもあります。
掛け紙に描かれている演目は、「天神」というものだそうです。

折尾神楽

折尾神楽

【お品書き】
折尾名物かしわめし
十六穀米おこわ
天ぷら(抹茶塩)
えび天・大葉天・れんこん天・オクラ天・春雨天
煮物
筍・里芋・椎茸・花人参・巻き昆布・絹さや
うなぎ蒲焼き(山椒のせ)
花かまぼこ
地鶏照り焼き(金箔のせ)
春雨サラダ
はじかみ
豊年団子

折尾神楽

折尾神楽

定番の「かしわめし」と、お祭り感とヘルシーさを兼ね備えた十六穀米のおこわがツートップ。
たっぷりの天ぷらと、地鶏の照り焼きの金箔が、“ごちそう”らしさを感じさせてくれます。
折尾名物「かしわめし」も食べたいけど、しっかりおかずも食べたいという向きに最適。
ちなみに「東筑軒」には、博多などでも販売がある「大名道中駕籠」という駅弁があるのですが、今回の駅弁は、これに続く“地域密着型駅弁”の第2弾という位置付け。
私も駅弁のお陰で、折尾で受け継がれ始めている“新たな伝統”を知ることが出来ました。

bl170321-5(817系)

817系電車

最近のJR九州の車両は、「白」を基調とした車両が“新たな伝統”になっているように感じます。
鹿児島本線の国鉄形の置き換えに投入されている817系電車も白い車体。
車内は混雑対策でロングシートですが、所々にヘッドレストが付いた座席もあります。
首都圏でもようやく、東急線などにロングシートでもヘッドレスト付の車両が登場してきましたが、実は九州では、平成11(1999)年デビューの815系から既にヘッドレストが付いていました。
流行りの豪華列車や観光列車、外部デザイナーによるデザインなど、日本の鉄道の“新たな潮流”は九州から生まれている・・・といっても過言ではないでしょう。

(取材・文:望月崇史)

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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