さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。

今回は、3月25日から公開となる『サクラダリセット 前篇』を掘り起こします。

ライトノベル界屈指の青春ミステリー映画が誕生

2009年に発表され、カルト的人気を誇る河野裕の青春ミステリー「サクラダリセット」シリーズがついに、完全実写映画化。
しかも前篇・後篇の2部作が連続公開ということで、期待しているファンも多いのではないでしょうか。
「リセット」という能力を絆に絶対的な信頼で結ばれている少年と少女が、幸福な結末を願って「過去を“巻き戻す”」前篇が、いよいよ公開です。

太平洋に面した日本の片隅にある地方都市・咲良田＜サクラダ＞。
そこに住む住人の半数は物理法則に反した特殊な能力を持っている。
しかし彼らが持つ能力は千差万別で、サクラダから出た途端に能力の存在を忘れてしまうため、閉ざされた街として存在していた。
浅井ケイは「記憶保持」の能力を持つ高校生で、過去に体験したすべての記憶を保持することが出来る。
彼は世界を最大3日分巻き戻すことが出来る「リセット」という能力を持つ、春埼美空と行動を共にしていた。
2年前、「リセット」の影響で同級生の相麻菫を死なせてしまった二人は、サクラダに住む人々の能力を組み合わせることによって相麻を蘇生させることが出来るのではないかと考え始める。
その相麻菫の再生こそが、すべての始まりだった…。

ストーリーだけを追いかけると、上映中はとにかく頭をフル回転させないと置いてけぼりになってしまいそうな独特な設定ですが、そこはメガホンを取った深川栄洋監督の腕の見せどころ。
元々、人間ドラマを描かせたら定評のある監督だけに、個々のキャラクターと独自の世界観をじっくりと描き出しています。

主人公 浅井ケイを演じる野村周平とヒロイン春埼美空役の黒島結菜の並びがとてもフレッシュで、ほかにも平祐奈、健太郎、玉城ティナ、恒松祐里と、これからの日本映画界に期待出来そうな若手俳優たちがズラリ。
そんな若いエネルギーを加賀まりこや大石吾郎といったベテランがしっかりと支え、物語に深みを与えています。

若者が中心のストーリーでありながら、大人も巻き込まれていく非日常的ストーリー。
年代を問わずハマる要素が満載です。

サクラダリセット 前篇
【前篇】2017年3月25日から【後篇】2017年５月13日から全国ロードショー
監督・脚本：深川栄洋
原作：河野 裕「サクラダリセット」シリーズ（角川文庫／角川スニーカー文庫）
出演：野村周平、黒島結菜、平祐奈、健太郎、玉城ティナ、恒松祐里、岡本玲、岩井拳士朗、矢野優花、奥仲麻琴、吉沢悠、丸山智己、中島亜梨沙、大石吾郎、加賀まりこ　ほか
©2017映画「サクラダリセット」製作委員会
公式サイト　sagrada-movie.jp