いろいろありますよね『おとなの事情』【しゃベルシネマ by 八雲ふみね・第171回】

さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。

今回は、3月18日から全国順次公開の『おとなの事情』を掘り起こします。

パートナーとの愛が試される?! 愛と嫉妬の人生讃歌

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今では、一人一台は持っていると言われているスマートフォン。
これをお読みの方にとっても、仕事にプライベートに、なくてはならないアイテムではないでしょうか。
そんなスマートフォンにまつわる人間関係の悲喜こもごもを描いた、極上のコメディ…。
いや、人によっては背筋が凍るサスペンス映画かも、しれません。
『おとなの事情』が、いよいよ日本でも公開となります。

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月蝕の夜、気心の知れた友人が集まる食事会。
参加者は新婚のコシモとビアンカ、反抗期の娘に悩むロッコとエヴァ、倦怠期を迎えたレレとカ―ロッタ、恋人に今日のディナーをキャンセルされたペッペの7人。

そこでエヴァが、食事中にかかってきた電話やメッセージをオープンにしようと提案。
詰め寄る女性陣に男性陣は渋々承諾、テーブルの上には7台のスマートフォンが並ぶ。
メールが届いたら全員の目の前で開く、かかってきた電話にはスピーカーに切り替えて話すというルールの元、究極の “信頼度確認ゲーム” が始まる……。

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ゲームがきっかけで夫婦や友人間にさまざまな疑惑が巻き起こっていく様を描いた、イタリア製のワンシチュエーション・コメディ。
パオロ・ジェノヴェーゼ監督は、ある男性が事故に遭って入院した時、病院に駆け付けた彼の恋人に携帯が渡され、彼女が携帯内のメールを見たことがきっかけで、退院後すぐに破局した…という、知り合いのカップルから着想を得て、本作を制作したとのこと。

イタリアでは28週ものロングランとなり、世界の映画祭でも賞賛を浴びました。
その魅力はなんといっても、巧みなストーリーテリング。
ゲームが進む毎に夫婦間のもめ事や家庭の問題、仕事や性格についての悩みなど、7人の本当の姿が次々と露呈していく様は、スリリングかつ滑稽。
しかしやがて、他人の不幸…と笑い飛ばしてもいられない、観る者の背筋も凍らせるようなブラックなユーモアがじわりじわりと忍び寄り…。
同時に、情報社会に囚われた現代人の闇をあぶり出すことに成功しています。

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他人の秘密は、蜜の味。
それにしても、お互いに良好な関係を保ち続けたいのであれば、秘密は知りすぎない方が賢明なのでしょうか。

あなたは友人やパートナーのスマホを覗き見してみたいですか?
そして、自分の携帯の中身を他人に見られても平気ですか?
この映画を観てコメディと感じるか、サスペンスと感じるか…。
それは、あなた次第です?!

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おとなの事情
2017年3月18日から新宿シネマカリテほか全国順次公開
監督:パオロ・ジェノヴェーゼ
出演:ジュゼッペ・バッティストン、アルバ・ロルヴァケル、ヴァレリオ・マスタンドレア、カシア・スムトゥニアク
©Medusa Film 2015
公式サイト http://otonano-jijyou.com/

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