金正男殺害事件・マレーシアは国の威信にかけてどこまでやるか?高嶋ひでたけのあさラジ

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3/2(木)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!④

マレーシアは北朝鮮に対してどこまで攻められるか?
7:10~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター佐藤優(作家・元外務省主任分析官)

いろいろな意味で立証することは難しい

北朝鮮の金正男氏が殺害された事件で、マレーシアの警察は殺人の罪で起訴した実行犯の女2人が、正男氏を殺害する意図を持っていたと指摘しました。検察は2人が事件直後にマレーシアを出国した容疑者4人と共謀した点も強調し、今後の裁判では、組織的な犯行だったと立証する方針とみられます。

高嶋)マレーシアは厳しいですね……殺人の疑いで起訴されて、有罪になると死刑なんですって。

佐藤)ええ。そういう国が多いですよね。麻薬と、殺人、委託殺人ですね。その辺は厳しいです。

高嶋)まぁ、某国のいきなり殺しちゃう大統領よりはいい、なんて言っている人もいましたけれどね。それでどうなんですか? 1人捕まっていた北朝鮮のリ・ジョンチョルというのは、証拠不十分。これで釈放しそうな気配ですよね。

佐藤)ここのところは業界用語で“クォーター化の原則”というのがあるのですよ。クォーター、区画化の原則と言って、あえてある一部分しか知らせないと。こういうオペレーションのやり方なんですね。これは今の法規からすると、そこのところで、クォーターって知らないですから。

高梨)佐藤さんの仰った振り込め詐欺方式と同じなのですか?

佐藤)一緒です。だから振り込め詐欺でも、入れ子とか出し子に関しては、警察の厳しい調べで「いや、実は何かおかしいことだと思っていました」と。それをだんだん言っている内に、それを振り込め詐欺だと思っていましたと供述取られて、そこで立証できるのであって、もし「振り込め詐欺なんてしていません」と頑張られたら、これはなかなか大変ですよ。

高嶋)それと肝心なのは身内からDNA鑑定の資料を取れないということですが、マカオには子どもがいるし、北京にも子供がいるでしょう?

佐藤)しかし、子どもがいて、資料を出すのはいいのですけれど、北朝鮮にも親族はたくさんいますからね。出すのは自由だけれども、その鑑定の結果があの、北朝鮮の太っているお兄さんの気に入らない鑑定結果だった場合では、「まとめて殺っちまえ」と成りかねないですからね。

マレーシアはデリケートにならざるを得ない

高嶋)今、何か気を使っているのですよね。 名前まで図星では言っていませんから。

佐藤)やはり、気を使わざるを得ないぐらい面倒くさいということですよ。たとえば広域団体について研究するときにその団体についての名前をうっかり出さないでしょう? 何か実際に事件が起きたわけでもなければラジオでも、疑惑段階のところでは広域団体の名前とか、そこの組長の名前とか出すと、そこは面倒くさいですよね。

高嶋)分かり切っているのに起訴状には「キム・チョル」って書いてあるとかね。

佐藤)裁判ってそんなものですよ。当たり前で分かり切っているところしかやらない。これが、あんまりにも分かりやすい裁判だとまともな裁判ではないということですから。

高嶋)でもここでちゃんと“彼”だったとマレーシアが証明できなければ……まぁ極めてだらしないですね。

佐藤)どんな方法でもやると思いますよ。国家の威信にかけて。

マレーシア・セパンの裁判所に出廷したインドネシア人のシティ・アイシャ容疑者(左)ベトナム人のドアン・ティ・フォン容疑者(右)=20170301 写真提供:時事通信

マレーシア・セパンの裁判所に出廷したインドネシア人のシティ・アイシャ容疑者(左)ベトナム人のドアン・ティ・フォン容疑者(右)=20170301 写真提供:時事通信

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