しゃベルシネマ

妻夫木聡×満島ひかり=人間の本性とは?【しゃベルシネマ by 八雲ふみね・第153回】

さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。

今回は、2月18日から公開となる『愚行録』を掘り起こします。

善意か、悪意か…。それぞれの証言から浮かび上がる“人間の本性”とは。

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日常で交わす何気ない会話や他人の噂話。
人間関係に秘められた羨望、嫉妬、見栄に翻弄された経験、ありませんか?
ひとは誰しも無意識のうちに、悪意なく他人を傷つけたり愚かな行為を繰り返す。
その根底には、決して悪意があるとは限らない…。

映画『愚行録』は、人の本音が見えにくい現代社会に一石を投じる、かつてない群像ミステリーとして注目を集めています。

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閑静な住宅街で起こった、一家惨殺事件。
被害者の田向浩樹は、エリートサラリーマン。
物腰が柔らかく上品な美人妻と娘、誰もが羨む仲睦まじい理想の家族だった。
しかし事件は未解決のまま1年が経過してしまった。

週刊誌記者の田中武志は改めて事件の真相を探ろうと決意し、関係者の証言を追い始める。
ところがそこから浮かび上がってきたのは、田向夫妻の外見からは想像もできない噂の数々。
被害者一家や証言者自身の思いもよらない実像が明らかになっていき、事件の真相が浮かび上がってくる…。

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原作は、第135回直木賞の候補になった貫井徳郎の同名小説。
「最悪に不快な読後感を残す話を構想した」と作者自ら語るように、そのネットリと絡みつくようなイヤ~な感覚は格別。
人間の嫌らしさが全面に現れていて、ともすれば人間不信に陥りそうな秀作です。

そんな異色ミステリーの完全映画化作品に、日本映画界の精鋭が集結。
主演の妻夫木聡、満島ひかりをはじめ、小出恵介、臼田あさ美、市川由衣、松本若菜、中村倫也、眞島秀和、濱田マリ、平田満。
繊細な演技の積み重ねで表現される、度重なる悪気のない“愚行”に心がざわざわするばかり。

そして監督を務めるのは、本作が長編デビューとなる石川慶。
ロマン・ポランスキーらを輩出したポーランド国立映画大学で演出を学んだという異色の経歴を持つ石川監督ならではの緻密な演出力が光ります。

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誰もが持っている愚かな部分に空恐ろしさを感じながらも、共感する部分もある本作。
いや、共感している自分自身が、ひょっとしたらいちばん恐ろしい生き物なのかも…とギョッとしてしまいます。
本作で描かれている人間像は、善とも悪とも決めつけることは出来ない。
それでもパンドラの箱を開けずにはいられない衝動こそ、人間の業なのでしょうか。

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愚行録
2017年2月18日から全国ロードショー
監督:石川慶
原作:貫井徳郎(創元推理文庫刊)
出演:妻夫木聡、満島ひかり、小出恵介、臼田あさ美、市川由衣、松本若菜、中村倫也、眞島秀和、濱田マリ、平田満 ほか
©2017「愚行録」製作委員会
公式サイト http://gukoroku.jp/

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