沼津駅「長泉旬便り 冬うらら」(1,000円)~御殿場線でダイナミックな富士を見る【ライター望月の駅弁膝栗毛】

By -  公開:  更新:

313系電車、御殿場線・足柄~御殿場間

313系電車、御殿場線・足柄~御殿場間

雄大な富士山をバックに走るJR御殿場線の上り普通列車・国府津(こうづ)行。
御殿場線は、国府津~沼津間を御殿場経由で結ぶ60キロあまりのローカル線です。
鉄道に詳しい方ならご存知、御殿場線は、昔の「東海道本線」。
あの「鉄道唱歌」の13~16番は、御殿場線の車窓が唄われていますよね。
今では毎時1~2本、2両編成の313系電車が、ワンマン運転されています。

小田急60000形・特急「あさぎり」、御殿場線・足柄~御殿場間

小田急60000形・特急「あさぎり」、御殿場線・足柄~御殿場間

御殿場線に小田急線からのロマンスカーがやってくると、少し華やいだ雰囲気になります。
御殿場線と小田急線の間では、小田急線・新松田駅手前のJR松田駅に入る連絡線を使って、昭和30(1955)年から、半世紀以上にわたり直通列車が運行されています。
特に平成3(1991)年~24(2012)年までは、特急「あさぎり」として相互乗入れが行われていました。
現在、特急「あさぎり」は、小田急60000形(MSE)による新宿~御殿場間の運行となっています。

長泉旬便り 冬うらら

長泉旬便り 冬うらら

そんな御殿場線の沼津寄りにある「下土狩(しもとがり)駅」は、東海道線時代は三島駅でしたが、駅の場所は三島市ではなく、お隣の「長泉町(ながいずみ・ちょう)」にあります。
その長泉町にスポットを当てた駅弁が、沼津駅弁「桃中軒」から期間限定で登場しています。
題して、「長泉旬便り 冬うらら」(1,000円)。
掛け紙のデザインや題字は、桃中軒の地元・沼津西高校の芸術科の女子生徒の皆さんが手がけたものです。

長泉旬便り 冬うらら

長泉旬便り 冬うらら

【お品書き】
壱の重
・長泉産白ネギと焼鳥の山椒御飯
・香の物
弐の重
・ネギと鮪の玉子焼き
・鰆のわさび味噌焼き
・ブロッコリー/花人参
・高野豆腐煮/大根煮/昆布煮/海老酒塩
・勝利の玉子「あしたかつ」
・野菜の寒天よせ(人参、キャベツ、大和芋、さつま芋)
・蓮根のもちもち揚げ

長泉旬便り 冬うらら

長泉旬便り 冬うらら

とじ紐をほどき、掛け紙を外すと現れる二段重。
壱の重は、ゴロンと太めの長泉産白ネギと焼き鳥が載ったご飯で、山椒が効いた大人の味。
弐の重は、焼き、揚げ、煮物とバランスよく、バラエティに富んだおかずが全7種入りました。
少量ずついろんな味が楽しめる、女の人にも嬉しそうな構成です。
玉子が入った「あしたかつ」は、地元の料理コンテストの優秀作を参考にしたものだそうです。

桃中軒は、地元のJA(今回はJAなんすん)などの協力を得て、特定の自治体をピックアップした、季節ごとの地域密着型駅弁を作っています。(この冬バージョンは2/28まで)
駅弁膝栗毛でも、去年8月に、富士宮市にスポットを当てた「夏バージョン」をご紹介しました。
こういった“アド街ック天国”的地域密着駅弁は、岡山駅弁・三好野本店などでも見られるトレンド。
桃中軒の“アド街”季節駅弁・・・、今度はどの街に“出没”するのか、興味深いところです。

特急「あさぎり」、御殿場線・足柄~御殿場間

特急「あさぎり」、御殿場線・足柄~御殿場間

とにかくダイナミックな富士山を眺めるなら、「御殿場線」がお薦めです。
特に富士山の東側に当たる御殿場は、風で粉雪が飛ばされ、麓近くまで真っ白!
また、南東斜面の宝永火口も間近に見られます。
沼津~御殿場間は、前にご紹介した「ふじのくに家康公きっぷ」のフリーエリア。
御殿場線沿線ゆかりの駅弁と共に、大きな富士山を眺めてみてはいかがでしょうか?

(取材・文:望月崇史)

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

Page top