土俵入り、先代師匠の不知火型ではなく雲竜型を選んだのはなぜか?大相撲大関・稀勢の里寛(30歳) スポーツ人間模様

By -  公開:  更新:

今日、25日、第72代横綱・稀勢の里が誕生します。両国国技館で協会の春場所番付編成会議、臨時理事会で正式決定した後、使者が伝達式の会場となる都内のホテルへ出向いて昇進を伝えます。

稀勢の里

横綱昇進の伝達式を終え、笑顔を見せる稀勢の里(中央)。右は田子ノ浦親方=25日、東京都千代田区 写真提供:時事通信

通常、伝達式は各部屋、もしくは地方場所なら宿舎。ところが、3代目若乃花以来、19年ぶりの日本出身横綱の誕生で、注目度が違います。千秋楽後の一夜明け会見でも100人近い報道陣が集まり、江戸川区の田子ノ浦部屋では入り切れないほどでした。そこで今回はホテルでの伝達式となったということです。

27日に行われる明治神宮での奉納土俵入りは雲竜型を選択。尊敬する先代師匠(横綱隆の里)は不知火型でしたが、「昔からあこがれがあった」という雲竜型は、二所ノ関一門で昭和の大鵬、平成・貴乃花といった名横綱が行ってきました。

父の萩原貞彦さんも、

「バランスを考えれば、それがいい」

と発言。現在の3横綱で雲竜型は鶴竜だけ。稀勢の里が雲竜型となれば雲竜型が2人となり、それぞれの型が二分されることになります。

土俵入りは一門の親方が伝授するものです。本来なら、貴乃花親方が指導することになり、かなり絵になる。しかし、一門を離脱しており、元横綱大乃国の芝田山親方が行います。あす、1日でマスターして、明治神宮での本番を迎えます。

これまでは、ハデなことは一切せずに、イベントなど全く無縁の力士。とはいえ、これからは2月3日、成田山新勝寺の節分会へ参加するなど、それなりのつとめを果たさなければなりません。

悲願の初Vを飾る前、優勝といえば、04年初場所の幕下時代の1度だけでした。横綱へ昇進するまで、さまざまな苦汁を味わってきただけに、これからが輝く時です。来場所、春の大阪で果たしてどんな土俵を見せるのか。

今日の焦点は、協会の使者に対しての口上となりますが、

「特別な言葉はいらないと思う」

と、先輩横綱が口にした四字熟語よりも、自分らしさを優先する様子です。並みだけれども、力強い熱意が聞けるのではないでしょうか。

radiko_time_0202

1月25日(水) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」

Page top