1冊の本で変わった私の人生 売上の一部が寄附になるドッグアイテム発売中!【わん!ダフルストーリー】

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1冊の本で変わった私の人生 売上の一部が寄附になるドッグアイテム発売中!【わん!ダフルストーリー】

■1冊の本がきっかけで、動物保護活動へ

1冊の本で変わった私の人生 売上の一部が寄附になるドッグアイテム発売中!【わん!ダフルストーリー】

先住犬のこうめと

ドッググッズブランド「寿羽COTOHA Tokyo」を手掛ける龍野綾子さん。寿羽の特徴は、畳縁(たたみべり)を使った首輪やリードなど、日本の伝統工芸の技を活かした商品を扱っていること。そして、その売り上げの1部(3~15%、商品によって異なる)が動物保護活動に寄附される仕組みになっていること。
欧米で幼少期を過ごした綾子さんが「日本ではまだ欧米ほど寄附文化が定着していません。もっと気軽に寄附できる仕組みを作りたくて…」と願って、考えた仕組みだそうです。

もともと別の仕事をしていた龍野さんが動物保護活動に関わるきっかけになったのは、10数年前に図書館でたまたま手に取った「小さな命を救いたい」という1冊の本がきっかけでした。

「獣医師の西山ゆう子さんが書いた本だったのですが、この本を読んで私は生まれて初めて、捨てられたペットが保健所などで殺処分されているという事実を知り、大ショックを受けました」という龍野さん。
いてもたってもいられなくなり、すぐにある愛護団体のシェルターにボランティアとして住み込み、保護活動を始めることにしました。

そのシェルターで龍野さんは、後に愛犬となるエレナ(メス、ゴールデンレトリバー)と運命的な出会いをしました。
「そのシェルターには当時数十頭の犬がいたのですが、その中で1頭だけフィラリアのために隔離されていたのがエレナです。エレナは飼い主が夜逃げをするにあたって保健所に連れ込もうとしていたところを救われた犬。子犬の頃に他の犬にかまれたことがあるせいか、警戒心が強かったのですが、なぜか私には初対面の時からすごく懐いてくれたんです」とのこと。

まるで以前からの知り合いであるかのように、鼻を鳴らして甘えてくれるエレナ。不思議な縁を感じた龍野さんは約1ヶ月後、エレナを自宅に引き取ることにしました。

■エレナがくれた、かけがえのない日々

おやつを食べている私の目の前で、くれるのをじっと待つエレナ

おやつを食べている私の目の前で、くれるのをじっと待つエレナ

龍野さんのもとで暮らすようになってから、エレナには大きな変化がありました。まず、心身共に元気になり心配していたフィラリアが陰性に。表情も明るくなって人懐っこくなり、龍野さんの実家の先住犬・小梅とも仲良く遊べるようになったそうです。
「お散歩が大好きで、ウキウキした足取りで歩いていた姿が目に焼き付いています」と龍野さんは懐かしみます。

元気いっぱいだったエレナに変化が現れたのは、推定13歳を過ぎたころ。ある日の夜、エレナは急にバタンと倒れてしまったのです。その2か月前に受けた定期検診の結果は良好だったので「まさか病気ではないだろう」と思いつつも、翌朝、かかりつけの獣医にエレナを診てもらった龍野さん。
診察後、獣医から告げられた病名は「肝臓がん」。余命1ヶ月の宣告も受けました。

驚きのあまり、最初はその事実を受け止められなかった龍野さんは、藁にもすがる思いで他の獣医師に意見を求めましたが、結果は同じ。「すでに手の施しようがないと言われ、目の前が真っ暗に…。でも一生懸命に息をしているエレナを見ているうちに、こんなことではいけない…と我に返ることができました」。

龍野さんは「医療ができないのなら、私ができる限りのことをエレナにやってあげよう」と一念発起。食事改善をし、人に勧められたサプリやビタミン点滴を試しました。エレナが貧血で倒れる度に注射をうってやり、息が苦しそうなときには呼吸器を口に当ててあげたり…と献身的に介護。
その甲斐あってエレナは獣医師に告げられた余命よりも長く生き、病気発覚の2か月後に安らかに息を引き取りました。

■毎日を大切に、一生懸命に生きよう!夢はネットテレビ番組の制作

新たなおもちゃを貰ってご満悦のエレナ

新たなおもちゃを貰ってご満悦のエレナ

「エレナとの最後の日々を通じて、私が実感したのは『明日が来るのは当然ではない』ということ。考えてみたら、明日、自分が生きている保証なんてどこにもないんですよね。一日一日を大切にいきなくてはいけないんだ、大好きな人や犬と一緒に過ごせる時間を大切にしなくちゃいけないんだってことを、エレナが私に教えてくれました」という龍野さん。

2015年には冒頭で紹介したドッググッズブランド「Cotoha Tokyo」を立ち上げ、現在はネットショップの運営、保護団体との連携などに忙しい毎日を送っています。

「大好きな犬たちのために自分ができる限りのことをしたい…という願いが少しずつ形になってきて、とても嬉しいです」と話します。
「Cotohaのことを知ったのがきっかけで、殺処分問題に関心を持ってくれる人が増えたら、とても嬉しいです。地道な活動ですが、少しずつでもいいので前に進んでいきたいと願っています」。

長散歩の合間のひと休み

長散歩の合間のひと休み

そして龍野さんには今年、叶えたい夢がもう1つあります。それは『飼うならTV』というネット番組を始めること。
「保護犬・保護猫を引き取って暮らしている人にインタビューして、愛犬・愛猫とのエピソードを披露してもらう番組です。観た人に『保護犬や保護猫を飼うのも選択肢の1つだな』と思ってもらえたら嬉しい。1人でも多くの人に保護犬や保護猫と暮らす楽しさを知ってもらうために、番組制作を頑張りたいと思っています!」。

放送開始予定は未定ということですが(2016年12月現在)、準備は着々と進んでいるそうです。
放送される日が、楽しみですね!

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  わん!ダフルストーリー Vol.48

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