12年後に干支の物語が動き出す…年賀はがきの切手デザイナー【10時のグッとストーリー】

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番組スタッフが取材した「聴いて思わずグッとくるGOODな話」を毎週お届けしている【10時のグッとストーリー】

今日は、「年賀はがき」の切手部分の絵柄を描いている「切手デザイナー」にまつわる、グッとストーリーです。

おととし2014年の暮れ、ネット上で、年賀はがきのデザインが話題になりました。
2015年はひつじ年。はがきに印刷されている切手部分には「編み棒を手に持ち、首にマフラーを巻いた羊の絵」が描いてありましたが、実はその前のひつじ年・2003年の年賀はがきには、「羊がマフラーを編んでいる絵」が描かれていたのです。

公益財団法人 日本郵趣協会

公益財団法人 日本郵趣協会 twitter ‏(@kitteclub) より

このことに気付いた人たちが、「この羊さん、12年越しでマフラーを完成させたんだ!」と2つの絵を並べてツイッターやSNSで拡散。粋な演出として大きな反響を呼びました。
この趣向は今年の年賀状でも続き、前のさる年・2004年は猿が温泉に入っている絵でしたが、2016年はその横に、小猿が一頭増えています。「このお猿さん、12年経って親になったんだ!」と、これも大反響に。

この羊と猿のデザインを担当したのは、星山理佳(ほしやま・あやか)さん。日本郵便に所属する「切手デザイナー」の一人で、今年で18年目になります。

「羊のときは『気付いてくれるかな〜』と思っていたんですが、誰かが気付いた途端、急に問い合わせが殺到して、ビックリしました」という星山さん。
年賀状は新年を祝うイベントなので、使う人に気持ちよく楽しんでもらいたい、という思いから、遊び心あふれるアイデアが浮かんできたそうです。

星山理佳

未年の年賀はがきを手にするデザイナーの星山理佳さん=1日、東京都千代田区 (2014年12月11日撮影) 写真提供:共同通信社

星山さんは、来年用の年賀はがきの切手部分も担当。前のとり年・2005年は雄鳥(おんどり)を描きましたが、2017年に描いたのは「卵」の絵でした。酉年だから鳥の絵、という普通の発想から離れた、意表を突くデザイン。

「今年はそう来たか!という、新鮮な驚きを受け取ってもらえれば」
という星山さん。
年賀はがきのデザインは、1年以上前から準備を始めるそうで、「いまは再来年の干支・犬のことで頭がいっぱいです(笑)」。

切手デザイナーは現在、星山さんを入れて7人しかいません。日本郵便が毎年発行しているオリジナル切手のほとんどは、この7人が分担してデザインしています。
星山さんは美大で就職活動中、大学の掲示板で募集の張り紙を見て応募。それまでは、そんな仕事があることすら知りませんでした。一般のデザイナーと大きく異なる点は、事務作業の多さです。

「私たちは会社員でもありますから」という星山さん。記念日関連の切手をデザインする際、関係省庁と細かい折衝を行ったり、寺社仏閣を描く際、申請を行うのも切手デザイナーの仕事。
さらに、制約の多さも切手ならでは。サイズが小さい上に、色は基本的に6色しか使えず、描いてはいけないものも多い中で、どれだけ使う人に喜んでもらえるか、そこが腕の見せ所です。

いま星山さんが担当している記念切手の中で、特に好評なのが「星の物語」シリーズ。
「星山だから星、ということで、その前の『星座シリーズ』から担当させてもらって、今年で7年目になります」…キラキラした可愛いデザインが、星好きの女性たちに人気で、発売直後、すぐ完売することも多い人気シリーズになりました。

切手の中に星座を描くにあたっては、間違いがあってはいけないので、完成した原画を持って国立天文台に行き、専門家に監修してもらいます。
「『この星とこの星の角度が、ちょっと違いますね』とかチェックがとても細かくて、しかも先生たちの説明が熱いんです。毎回、たくさん直しが出ますよ」

しかし、新作を楽しみに待ってくれているユーザーのことを思えば、細かい直しもまったく苦にはなりません。そんな徹底的なこだわりが、根強い人気の秘密なのです。

星山さんに、理想の切手について聞いてみると、こんな答えが返ってきました。
「みんなに喜んでもらえて、かつ、どこに出しても恥ずかしくないものですね。便箋を封筒に入れて、最後に切手を貼ったときに『ああ、思いのこもった素敵な手紙になった』…そう思ってもらえる切手を、これからもデザインしていきたいです」

八木亜希子,LOVE&MELODY

番組情報

LOVE & MELODY

毎週土曜日 8:30~10:50

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今、聴きたい曲を書いて送ってくださいね。

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