2016年音楽芸術の新語/流行語は「青ってる!?」【雑学と音楽 ザツオン Vol.8】

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音楽にまつわる雑学を楽しむコラム【ザツオン】
今日はその第8回目

2016年、どんな年でしたか?今年の新語/流行語は「神ってる!」で、今年の漢字は「金」ということで。
自分的に振り返ってみると……では、発表させていただきます!
ハイ!「青ってる!」と勝手に決定させていただきました!

今年、2016年は「ザ・ビートルズ来日50年」ということで盛り上がり!
『ライヴ・アット・ザ・ハリウッド・ボウル』が、最新リミックス&リマスター発売!
映画『ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK The Touring Years』が全国公開!
当時、ツアーマネージャーが撮影した写真がジャケットに。
チャーター機に乗り込む4人の姿の清々しさったら…、青ってる!!

ザ・ビートルズ『ライヴ・アット・ザ・ハリウッド・ボウル』THE-Beatles-Live-At-The-Hollywood-Bowl

このリリースに合わせてニッポン放送のイマジンスタジオでは、宇崎竜童さん萩原健太さんをゲストに迎えて上柳昌彦アナの進行で、試写試聴イベントを実施しました。私が構成を担当させてイタダキました。
さすが、スタジオ機材での超爆音で聴いたビートルズのライヴサウンド!
鳥肌モノのド迫力体験に参加観覧の皆さんから大歓声が湧き上がり、まるで目の前にビートルズがいるかような錯覚になりました!
宇崎さんは学生時代に50年前の武道館コンサートを体験、参加の方々の中にも4人のナマ演奏を観た方がいっぱい!
その貴重なお話しをイベントで聞けたのも素晴らしい体験でした。
※参考:ミート・ザ・ビートルズライブinイマジンスタジオ~John Lennon Spirit Foundations 2016~開催!

映画のDVD/BLディスクが12/21(水)に発売、年末年始の楽しみです!
おまけに!あの日、日航機“松島”からタラップで降り立った時に着ていたアレ!
「JALオリジナル法被」の復刻版が年内の期間限定で提供されるとか!
JL044便ロンドン発羽田行きのファースト/ビジネスクラスが対象だそうです。
あのハッピを着ながら映画を観たら超ハッピーでしょうねぇ…!

ザ・ビートルズ-EIGHT-DAYS-A-WEEK--The-Touring-Years
※参考:来日から50年、あの感動を再び!『ザ・ビートルズ~EIGHT DAYS A WEEK - The Touring Years』【しゃベルシネマ by 八雲ふみね・第73回】

そして!やっぱり…、青ってる!!そうです、青いベロマーク!
12月2日発売、ザ・ローリング・ストーンズの『BLUE & LONESOME』!

BLUE-&-LONESOME,ザ・ローリング・ストーンズ

11年ぶりの新作はシカゴブルースの名曲12曲を原点回帰なフルカバー!
アルバムタイトル『ブルー・アンド・ロンサム』はリトル・ウォルターの曲。
ハウリン・ウルフやライトニン・スリムやオーティス・ラッシュ等々、ブルース好きなら涙チョチョ切れ失神寸前ビリビリのツボ選曲ですね!
名門レーベル「デッカ」のコンソールやマイクを使用して生演奏一発録音。
たった3日間でレコーディングが終了したらしい意欲マンマン作は、隣のスタジオで作業していたクラプトン氏も友情参加した豪華盤!
巨匠マディ・ウォーターズの存在をアメリカに知らせた英国野郎どもが、シカゴブルースの魅力を再び世界伝播するわけです!素晴らしすぎます!
個人的には『Black and Blue』(1976年)以来の大好きアルバムになりました。
そして!サー・ミック・ジャガーが第8子の父親に!おめでとうございます!
お相手のメラリー・ハムリックさんとは、年の差42歳のカップル!
やってくれますぜ、73歳のパパ!

そして、次なるコチラも…青ってる!!
ウェストコースト・ジャズの伝説な“Mr.Blue”チェット・ベイカー。
ロバート・バドローの監督/脚本の2015年作品、イーサン・ホークが完全無欠の物憂げプリンスを演じています!
『ブルーに生まれついて/BORN TO BE BLUE』が劇場公開されました。

ブルーに生まれついて,BORN-TO-BE-BLUE
※参考:イーサン・ホークの歌声に鳥肌!『ブルーに生まれついて』【しゃベルシネマ by 八雲ふみね・第103回】

あぁ、名曲「レッツ・ゲット・ロスト」のブルー感がタマりません!
トランペットとヴォーカルで、行きつ戻りつな男と女の夢芝居です。
サングラス姿のイーサン・ホークは、チェット・ベイカーと言うよりもグラハム・ボネット似かも?!(すいません)しかし!6ヶ月でマスターしたというトランペットはスゴイ!
チェット・ベイカー本人が吹く雰囲気にクリソツです。
サントラ盤もイーサン自身のトランペットと歌ですからね、オドロキです。
もうひとつ大切なことは…リアルな“自伝”ではないそうです!
チェットのエピソードを前後左右に散りばめ構築したストーリーに、恋愛の相手を空想追加した“ラブファンタジー”です、オドロキです。
劇場ロビーに貼られていたポスターの宣伝コピー違いが面白かったです。
日本版では「痛いほどの音楽と、愛」で、海外版では「LOVE IS INSTRUMENTAL」です。
ともあれ、クルマやファッションやセットのあちこちに、“淡いブルー”が印象的に配置された素敵な映像美学でありました。
誰もが知るアーティストに、誰もが心揺さぶられるファンタジーを加えた作品。
これからも増えていくことでしょうね。
あんなジャズミュージシャンが、こんな役柄で出演しています。
ソレを見つけるのも楽しいです。

本当に…悲しいブルーもありました。
デヴィッド・ボウイ、プリンス、レナード・コーエン、キース・エマーソン、グレン・フライ、モーリス・ホワイト、ナタリー・コール、ガトー・バルミエリ、ジョージ・マーティン、富田勲(敬称略)その他、素晴らしい音楽家の訃報が。
レオン・ラッセルが11月13日に74歳で、デルタの向こうに渡りました。
「スーパー・スター」「ア・ソング・フォー・ユー」「ディス・マスカレード」「ブルー・バード」「デルタ・レディ」などなどなどなど…名曲の数々。
若き頃の60年代、天才プロデューサー/フィル・スペクターのもとで、スタジオミュージャン“レッキング・クルー”で名演奏。
そして、70年代は、個性的なレーベル『シェルターレコード』を展開。
バグラディシュ・コンサートではジョージ・ハリソンやボブ・ディランと共演。
私が一番好きな曲はアルバム『WILL O’ THE WISP/鬼火』(1975年)から、B面ラストのバラードが「レディ・ブルー」です。

WILL-O’-THE-WISP,鬼火,レオン・ラッセル

♪悲しい人だね 悲しんでいるんだね 僕に愛の歌を歌ってみせてよ。
僕が君を愛しているってことを 君に知ってほしいんだよ 愛しているってことを♪♪

そして、2016年に待望していたコチラも…青ってる!!
ブルーと言えば!浮世絵の“ベルリンブルー/ベロ藍”の葛飾北斎先生!
11/22(火)にオープンしました『すみだ北斎美術館』です!

さっそく行ってまいりました!北斎ファンで超満員でした!
構想30年で1,800点だそうです、ありがとうございます(涙)。
世界に誇るピーター・モースの北斎コレクションと、浮世絵研究の第一人者な楢崎宗重さんのコレクションを収蔵。
もちろん、あの『富嶽三十六景』の「凱風快晴」や「神奈川沖浪裏」あり。
開館記念展『北斎の帰還』のメイン作品「隅田川両岸景色図巻」は、100年ぶりに発見された長さ7メートルの見事な絵巻を展示!
で!私の個人的オススメは素晴らしい保存状態でベロ藍の綺麗な作品、『諸国滝廻り 木曾路ノ奥阿弥陀の滝』です、感動いたしました!

諸国滝廻り木曾路ノ奥阿弥陀の滝

諸国滝廻り木曾路ノ奥阿弥陀の滝 公益財団法人アダチ伝統木版画技術保存財団

日本滝百選のひとつ、岐阜県郡上市白鳥町に流れる「阿弥陀ヶ瀧」。
落差が60メートルにも及ぶ豪快な名瀑でありまして、
“洞窟で法師が祈ったところ阿弥陀如来が現れた”という故事。
その名滝をば上から下から正面から見た北斎ならではの多視点版画!
版画の旅人みたいに見物しつつ一献やりたいものです、Someday!
※参考:開館15日で3万人!大人気『すみだ北斎美術館』に行ってみました!【ひろたみゆ紀・空を仰いで】

墨田区原付バイクナンバー

そして!墨田区は11月から原付バイクのナンバーを
こんなスバラしき絵柄で交付しているんですね~!
地元の中学3年生からの公募デザインが原案だそうです。

そんなわけで!
『雑学と音楽 ザツオン』第8弾いかがでしたか?
2016年、音楽芸術の新語/流行語は「青ってる!」でした!
2017年もヨロシクお願いいたします。
音楽のもうひとつの楽しみ方、次回もお楽しみに!
Merry Christmas and Happy New Year ♪♪

神部恒彦(a.k.a 北大路おさんどん)
1960年北海道生まれ。
1981年「オールナイトニッポン」のADとして放送業界で活動開始。
音楽やドキュメンタリーを中心としたテレビ・ラジオの構成/選曲を担当する。
1992年いったん全ての仕事を終了してシベリア鉄道で渡欧。
1年間に渡りフランス/スペインを拠点に欧州各国の景勝地や美術館を見て回る。
さらに渡米、自動車でアメリカ大陸を横断しながら様々な音楽聖地を巡って帰国。
幅広い音楽/雑学知識と好奇心でジャンルを問わない番組/イベント構成を手がける。
趣味:大相撲/F-1観戦、全国各地の居酒屋訪問と見知らぬ人々との会話。

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