観光列車「ラ・マルせとうち」で行く瀬戸内国際芸術祭(その2)~岡山駅「あったかあなご焼きめし」(1,280円) 【ライター望月の駅弁膝栗毛】

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4月9日から運行を開始した岡山~宇野間を1時間で走る観光列車「ラ・マルせとうち」。
2両編成・全車グリーン車指定席の快速列車で、運賃+グリーン料金の「1,350円」で乗車出来ます。
車両のデザイン・監修を「瀬戸内国際芸術祭」の総合ディレクター・北川フラム氏が担当。
瀬戸内海の島々で行われる「瀬戸内国際芸術祭」へのアクセス列車としての活躍が期待されています。
今回は運行開始3日目の4月11日に、岡山から乗車して宇野までやってきました。

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実は最初の画像、手前の足跡に合わせて撮影した列車の画像。
宇野駅には「ラ・マルせとうち」の乗車記念に撮影できるポイントが設けられました。
誰でも試したくなる遊び心がある仕掛けは、列車を下りても楽しいですよね。
架線の柱が少し邪魔に感じますが、何人かで訪れた場合は人が立つポイントと重ねれば上手く撮れそう。

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JR宇野みなと線アートプロジェクト」エステル・ストッカー

かつて「宇高連絡船」の発着駅として活況を呈した「宇野駅」。
しかし1988(昭和63)年の瀬戸大橋線開業に伴ってローカル線の終着駅となりました。
90年代には駅の縮小が行われ、今では日中1時間に1本程度の普通列車が発着する駅に・・・。
そんな宇野駅が「瀬戸内国際芸術祭」の「JR宇野みなと線アートプロジェクト」によってリニューアル!
イタリアのアート作家、エステル・ストッカー氏の手で、駅舎が1つのアート作品となっています。

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「宇野のチヌ」淀川テクニック

この宇野駅~宇野港の周辺でも「瀬戸内国際芸術祭」は展開されています。
駅から5分ほどの所にある「宇野のチヌ」は「瀬戸内国際芸術祭2010」の際に制作されたもの。
宇野港周辺の沿岸や児島湖で拾い集めたゴミ、漂流物を使ってチヌのオブジェを作成したといいます。

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「舟底の記憶」小沢敦志

舟底の記憶」は「瀬戸内国際芸術祭2013」に合わせて制作されました。
旧海軍の船で使われていた錨やノルウェーの船のスクリューのほか、地元・玉野市内で不用になった各種の鉄製品を組み合わせたそう。
日常にあるものや廃材を使った「アート」って、気付かされることが多くて刺激になりますよね。

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「終点の先へ」小沢敦志

放置自転車をアート化、鉄を熱して叩き溶接し、新たな自転車に再生したといいます。
地元紙の報道によると、この自転車には1つ1つ「宇高連絡船」の船名が・・・。
しかも、その船名と自転車の色を合わせているんだとか。
何とも「鉄分」濃い目な「鉄作家」さん、鉄道好きなら親近感を憶えそう。

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しかも「瀬戸内国際芸術祭」の期間中は、この自転車を「レンタサイクル」として借りられます。
宇野港に隣接した「瀬戸内国際芸術祭」のインフォメーションセンターで10台限定。
1日「600円」で、自分の身をもって「アート」を感じることが出来るのです。
なお預り保証金「2,000円」も必要となります。(返却時に保証金は全額返金)
夏こそはコレで「宇野みなと線」の終点の先へ行ってみたくなりますよね!
(画像提供:玉野市商工観光課)

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アートなスポットに変貌を遂げている宇野港のある「玉野市」のご当地グルメといえば「たまの温玉めし」。
たまの温玉めし」とは、穴子を混ぜ込んだ焼き飯に温泉たまごをトッピングしたもの。
2010年代に入って誕生した「新しい」ご当地グルメです。
この盛り上がりに合わせ、岡山駅では三好野本店によって、ほぼ継続的に「たまの温玉めし」の駅弁が販売されています。
3月末に購入した際は「あったかあなご焼きめし」として販売されていました。

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「あったか」とか「あっちっち」といった表記のある駅弁は、ほぼ全国的に「加熱式容器」に入ったもの。
この駅弁も例に漏れず、ひもを引き抜いて7~8分待つと、ちょうど温まって食べごろと記されています。
ご存知かと思いますが、こういった加熱式容器は、生石灰と水を反応させ消石灰になる際に生まれる熱を利用。
化学式では「CaO+H2O→Ca(OH)2」、消石灰はグラウンドのライン引きでおなじみですね。
(参考:双日プラネット株式会社HP)

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加熱式なのをいいことに購入から少し経って食べようとしたため、移動中に紅生姜が散乱・・・。
今回は、リアルさを優先すべくお許し下さい。
混雑時に駅構内で人とぶつかったりして、絵的に厳しく「買い直し」で2個目とか時々あるんですよね。
たまのSea温玉会」の監修を受け、玉野市産の雑穀入りご飯にあなごを入れて蒲焼のたれで炒め、温泉玉子を載せています。
蒲焼のたれを使って炒めただけあって、雑穀の食感を超えた濃厚な味わいを感じられます。

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最初、たれの焼きめしを味わってから、温玉を崩して黄身と共にさらに濃厚に味わいます!
玉子を崩すタイミングは、食べる人によってこだわりがありそうですよね。
食べ終わるころには、すっかり口の中がトロントロン!
サッパリとしたお茶が恋しくなりそうです。

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春の「瀬戸内国際芸術祭」は終わってしまいましたが、まだまだ夏~秋と続きます。
宇野港からは直島、豊島、小豆島などへの船が出ていきます。
そんなアートを巡る島旅のスタートは、観光列車「ラ・マルせとうち」から・・・。
体内時計を「ゆっくりモード」に切り替えるのにちょうどいい「1時間の旅」だと思います。

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
「ライター望月の駅弁膝栗毛」
(取材・文:望月崇史)

【ごあいさつ】
はじめまして、放送作家の望月崇史(もちづき・たかふみ)と申します。
ニッポン放送には、昔の有楽町の社屋の頃から、かれこれ20年お世話になっています。
最近では、月~木・深夜24時からの「ミュ~コミ+プラス」で放送された、
ルートハンター」のコーナーに、5年ほど出演させていただきました。

そんな私がライフワークとしているのが「駅弁」の食べ歩き。
1年間に食べる「駅弁」の数は多い年でのべ500個。
通算でも4500個を超えているものと思います。
きっかけとなったのも、実はニッポン放送の番組。
2002年~05年に放送された「井筒和幸の土曜ニュースアドベンチャー」の
番組ウェブサイトで「ライター望月の駅弁膝栗毛」を連載することになり、
本格的に「全国の駅弁をひたすら食べまくる生活」に入りました。
以来、私自身のサイトや、近年は「ライター望月の駅弁いい気分」というブログで
「1日1駅弁」を基本に「駅弁」の紹介を続けています。
”駅弁生活15年目”、縁あってニッポン放送のサイトで連載させていただくことになりました。
3つの原則で「駅弁」の紹介をしていきたいと思います。

①1日1駅弁
②駅弁は現地購入
③駅弁のある「旅」も紹介

「1日1駅弁」ですので、日によって情報の濃淡はありますが、
出来るだけ旬の駅弁と鉄道旅の魅力をアップしていきますので、
ゆるりとお付き合い下さい。

【プロフィール】

望月崇史(もちづき・たかふみ)望月

1975年12月8日静岡県生まれ。
早稲田大学在学中から、ニッポン放送で放送作家に。
卒業後の2002年「井筒和幸の土曜ニュースアドベンチャー」の番組サイトで始めた
ライター望月の駅弁膝栗毛」をきっかけに、全国の駅弁食べ歩きをスタート。
以来およそ15年、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。
1日1駅弁のウェブ紹介を日課とし、これまでに食べた駅弁は4500個以上。
ニッポン放送「ミュ~コミ・プラス」ルートハンター、鉄道特番などにも出演。
丸の内朝大学・温泉クラスの講師も務める。