旭川駅「いくら盛弁当」(1,200円)~旭川から“肩のこらない”ローカル線体験!宗谷本線「比布駅」へ行く 【ライター望月の駅弁膝栗毛】

By -  公開:  更新:

宗谷本線のキハ54

宗谷本線のキハ54

旭川と日本最北端の駅・稚内を結ぶ「宗谷本線」。
道のりはおよそ260キロ、終着・稚内まで向かう列車は特急3本、普通3本のわずか6本です。
普通列車の主役は、国鉄末期に投入された「キハ54」形気動車。
シートは元・特急などの物に取換えられており、進行方向に向かって座れたり、リクライニングする車両もあります。
この日は旭川14:20発、普通列車・音威子府(おといねっぷ)行に25分ほど揺られて、ある無人駅で下車しました。

比布駅

比布駅

その駅とは、宗谷本線の「比布(ぴっぷ)駅」!
40歳以上なら恐らくご存知、昭和55(1980)年放映のピップエレキバンのCMで有名になった駅です。
私もCM以来、1度は下りたいと思いながら通過ばかりしていて、36年越しで念願が叶いました!

駅があるのは人口3,800人あまりの町・北海道上川郡「比布町(ぴっぷ・ちょう)」。
その玄関口「比布駅」は、JR線唯一の「半濁音」で始まる駅でもあります。

※人口は平成28(2016)年9月末現在

比布駅

比布駅

比布駅の開業は、明治31(1898)年11月25日、間もなく開業118年を迎えます。
実は去年から今年にかけて「比布駅」は、駅舎の改築が行われたばかり。
今年9/4には、町を挙げてグランドオープンの記念イベントが行われました。
昔ながらのレトロな雰囲気を活かした駅舎の前には、CM当時の国鉄仕様の駅名板も・・・。
駅舎には「ピピカフェ比布駅」(営業時間:10:00~18:30、火曜定休)もあって、長めの待ち時間でもゆったり過ごせそうです。

参考:比布町ホームページ ※広報ぴっぷ(PDF)

キハ40・快速なよろ

キハ40・快速なよろ

比布駅には、旭川~名寄間の快速「なよろ」は停車、特急「スーパー宗谷」「サロベツ」は通過します。
思えば、ピップエレキバンのCMでも、通過列車が使われていました。
今もご記憶の方は少ないかもしれませんが「ぴっぷ」と書かれた国鉄の駅名板の前で、樹木希林さんが「何か来ないうちにおっしゃったら?」とピップの横矢会長(故人)にフリます。
会長がおもむろに「ピップ!」と言いかけると、国鉄急行色の気動車に遮られるCMでした。

駅舎の掲示によると、撮影は昭和55(1980)年6月18日、午前中に1本しかない急行を狙って行われたそうです。
万が一、NGを出したら、夕方まで待たなければならないという緊迫感があったのだとか。
CMでは下りの気動車急行が使われていましたので、昭和55年の時刻表を調べてみました。

旭川6:25発・311D急行「礼文(れぶん)」
旭川10:02発・313D急行「なよろ1号」
旭川13:06発・303D急行「天北(てんぽく)」

考えられるのは早朝の「礼文」、10時台の「なよろ1号」でしょうか。
元々このCMは、北海道旅行をしていた本州の大学生が「比布駅」の駅名に気付いて、ピップエレキバンの会社にCMを作るように署名活動を行ったのがきっかけなんだそう。
ちなみに比布町が作っている「町のPR動画」は、このCMのパロディとなっています。
コチラはキハ183系が通過していきますので、特急「サロベツ」が撮影に使われたようですね。

いくら盛弁当

いくら盛弁当

昭和55年の時刻表には、近くの和寒(わっさむ)駅にも「駅弁」マークがありました。
旭川以北では名寄駅弁が、平成21(2009)年まで頑張っていたのですが残念ながら廃業。
宗谷本線を旅する場合、旭川で駅弁を買わないと、音威子府の駅そばにありつけない限り、稚内まで駅弁はありません。
そんな道北旅の食の要「旭川駅立売商会」の「いくら盛弁当」(1,200円)に出逢いました。
今年10/1から発売されたばかりの新作だそうです。

いくら盛弁当

いくら盛弁当

ふたを開けると一面のいくら!
ご飯よりいくらの醤油漬のほうが多いんじゃないかという勢いです。
北海道産のご飯の粒の間に細かく見えているのは、小さくほぐされた鮭の身とゴマ。
鮭といくら、硬軟織り交ぜた食感がよく、口の中でいくらがはじける度に食欲が湧いてきます。
旭川の駅弁は積極的に新作を投入しているので、行く度に違う駅弁に出逢えることも多いですよ。

キハ40・快速なよろ

キハ40・快速なよろ

今回は1時間弱の滞在で、上りの快速「なよろ8号」のキハ40に乗って旭川に戻ります。
実は旭川⇒比布間は、快速なら永山1駅停車で18分、360円で来ることが出来ます。
また比布までの列車もあって、宗谷本線では“比較的”本数が多い区間なんです。
旭川から往復1時間、720円のチョイ乗り感覚で「比布駅」訪問も出来そう。
北海道のローカル線で気楽に”肩のこらない”プチ鉄旅が楽しめますよ!

(取材・文:望月崇史)

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

Page top