北海道出身!中島みゆき【GO!GO!ドーナツ盤ハンター】

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昨今のアナログ盤ブームで、改めて注目されているのが歌謡曲のレコード(ドーナツ盤)。
デジタル音源より音に厚みがあり、またCDでは味わえないジャケットの大きさも魅力の一つ。
あえて「当時の盤で聴きたい」と中古盤店を巡りレコードを集めている平成世代も増えているようです。

そんなアナタのために、ドーナツ盤ハンター・チャッピー加藤が「ぜひ手元に置きたい一枚」をアーティスト別・ジャンル別にご紹介していきます。

カープ2連勝の後、ファイターズ3連勝で盛り上がる日本シリーズ。
前回、広島出身の吉田拓郎を取り上げましたが、今回は北海道が誇るシンガーソングライター・中島みゆきのレコードをピックアップしてみましょう。
来月から毎年恒例のライヴ『夜会』が開幕。
1970年代から2000年代までNo.1ヒットを世に送り出している息の長さは特筆すべきですが、ここではアナログ時代のみゆき作品から「持っておくべき一枚」をご紹介します。

【ビギナー向け】・・・『悪女』(1981)

悪女

1980年代の中島みゆきを代表する大ヒット曲。彼氏が好きで好きでたまらないけれど、どうやら別れの予感。こっそり他の女に走ろうとする彼のことを思い、自分が「悪女」になって嫌われようとする、けなげな主人公。男性用のコロンを買って、浮気をしているように演じてみたけれど、つい隠しておいた本音がほろっと出てしまう。「行かないで…」。
女心のキメ細かい描写がみゆき作品の特徴ですが、この曲はまさに真骨頂。モノトーンのジャケットも素晴らしく、みゆきさんって本当に美人だな、と思います。ただ、このジャケ写と『オールナイトニッポン』でリスナーのハガキを読んで、明るくケタケタと笑う「ラジオキャラ」は完全に別人格。最初に番組を聴いたときは、あまりのギャップにショックを受けました(笑)。
現在も日曜深夜に月イチで『オールナイトニッポン』を担当していますが、声のトーンは相変わらずで、曲とラジオは陰と陽、補完関係にあるのかもしれません。

【上級者向け】・・・『時代』(1975)

時代

デビュー2作目のシングルであり、最初のヒット曲。ヤマハ主催「ポプコン」と「世界歌謡祭」のグランプリ受賞曲でもあります。デビュー曲『アザミ嬢のララバイ』を発売する直前に、実父が脳溢血で倒れ、翌年亡くなるのですが、そんな辛い時期に彼女自身を支えた曲でもありました。
この曲がリリースされた1975年は、のちに「ニューミュージック」と称されるアーティスト、シンガーソングライターたちが世に出始めた頃でもあり、中島みゆきもその中の一人ですが、今やスタンダードナンバーになったこの曲を20代前半で書いたのは、同世代のユーミンと共に、突出した才能を感じます。先述の『悪女』とは対照的に、垢抜け無いジャケットもまた貴重で(萌え系?)、ぜひ押さえておきたい一枚です。
ヒットした割に値段は高めで、中古店では700円〜1,500円ぐらいで見掛けますが、この曲、実は2種類のジャケットがあり、ポピュラーなものが写真のもの。もう一枚は、本人が江ノ電の線路を横断しているものですが、こちらはレアなので、もし見付けたら即買うべしです。

【その他、押さえておきたい一枚】

『わかれうた』(1977)

わかれうた

5枚目のシングル。最初のビッグヒットで、初のオリコン1位を獲得。
『ザ・ベストテン』にもランクインしましたが、出演はしませんでした。

『横恋慕』(1982)

横恋慕

13枚目のシングル。
オリジナルアルバムには収録されておらず、CDだとベスト盤でしか聴けない。
鏡のようでよく見ると表情が違うジャケットにも注目。
やはり美女!

【チャッピー加藤】1967年生まれ。構成作家。
幼少時に『ブルー・ライト・ヨコハマ』を聴いて以来、歌謡曲にどっぷりハマる。
ドーナツ盤をコツコツ買い集めているうちに、気付けば約5,000枚を収集。
ラジオ番組構成、コラム、DJ等を通じ、昭和歌謡の魅力を伝えるべく活動中。

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