広島カープ・新井貴浩内野手(39歳)スポーツ人間模様

今シーズンの広島は手ごわい印象を受けます。

ところで、本拠地、マツダスタジアムでスタンドからの声援が最も多いのは、誰? といわれたら、やはり黒田選手ですよね。
でも黒田は連日、出場するわけではありません。
となると、次にスタジアムからの声援が多いのは新井貴浩。

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通算2000本安打まであと11本と迫り、熱いカープファンが精いっぱいの声援をおくっています。
ヒットを1本打つたびに、限定300枚が発売される『二千本への道』カウントダウンTシャツも、即完売。
大いに盛り上がっている証のひとつでしょう。

実は新井、2007年オフにFAを宣言して阪神へ移籍しています。
理由は、広島を嫌いになったわけではありません。
もう一度、同じチームで金本と勝負をしたかったから。
ところが、ファンはそんな事情を知らない。
まるで裏切者扱いをされたのは、それほどファンが新井を愛していた裏返し。

2008年4月1日、古巣との最初の対戦では、広島市民球場のスタンドからブーイングを浴びせられ、あちらこちらから、新井のレプリカユニホームがグラウンドへ投げ入れられました。
そんな異様なムードにもかかわらず、新井は3打数2安打ときっちりと仕事をしています。

昨年、広島へ復帰したわけですが、ファンも声援の倍返し。
マツダスタジアムで最初の打席には、「うそだろう、と思うぐらい。本当にうれしくて、打席でも涙をこらえるのが大変でした」と振り返っています。
これには実は黒田のバックアップも見逃せません。
『ぼくが戻ってきたのは、新井の復帰が大きい』と言っていた。

125試合に出場して、打率2割7分5厘、本塁打7本と、新井にしてみれば決して満足できる成績ではなかった。
でも、78試合で4番をつとめ、契約更改では、「戻ってきてくれなかったら、最下位になっていたかもしれない」とねぎらいの言葉が。
で、年俸が3倍増の6000万円にアップしました。

そうはいっても、意外な事実もあげておきましょう。
2014年オフ、阪神は2億円からの大減俸を提示しましたが、7,000万円で契約するつもりだった。
にもかかわらず、新井は自由契約を申し入れて広島へ移籍。

以前、「ファンよりも、ぼくはカープを愛している」と語ったひとことは本当でした。

この手の人情話が実に多い選手で、2010年楽天を率いたブラウン監督が解任されましたが「一緒に食事がしたい」と、新井は仙台へ足を運びました。
広島時代、確かに世話になったことは確か。
当時の恩義を忘れずに、「カープのためにありがとうございます」と感謝の気持ちを表して送り出したそうです。
もちろん、ブラウンさんも、「彼こそが、真のリーダーだ」と大感激。

さて、2000本安打を目前にして、新井登場のたびに広島は沸きに沸いている!ということで、楽しみですね。

(原文)青木政司

4月13日(水) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」