撮れる!触れる!世界屈指のコレクション・デトロイト美術館が東京上陸!【ひろたみゆ紀・空を仰いで】

デトロイト美術館展エントランス(w680)

愛知・大阪と回ってきた『デトロイト美術館展』が、いよいよ東京にやってきました。

モネ、ドガ、ルノワール、ゴッホ、ゴーギャン、セザンヌ、マティス、モディリアーニ、ピカソなど…まさにヨーロッパ近代絵画の「顔」ともいうべき巨匠たちの名画が一度に見られるのです!

モネ_グラジオラス

クロード・モネ《グラジオラス》 1876年頃 油彩、カンヴァス City of Detroit Purchase

アンリ・マティス《窓》 1916年 油彩、カンヴァス City of Detroit Purchase

ドガ_緑の部屋の踊り子たち

エドガー・ドガ《楽屋の踊り子たち》 1879年頃 油彩、カンヴァス City of Detroit Purchase

それだけでもすごいのに、今回の展覧会の特徴は、目で鑑賞するだけではない楽しみ方ができるのです。

まずは音声ガイド。絵画の情報を【聴く】ことができます。最近の美術展ではよく使われていますよね。鈴木京香さんのふくよかな優しい声で珠玉の名画に隠されたストーリーが語られます。

しかし、それだけではありません。【読む】こともできます!
美術にまつわる小説を書いている作家の原田マハさんが、デトロイト美術館の知られざるストーリーに触れ、小説「デトロイト美術館」を執筆。
1885年に創立して以来、自動車業界の有力者らの資金援助を得て、世界屈指のコレクションを誇る美術館として成長したデトロイト美術館。しかし綺羅星のようなコレクションを誇った美術館は、2013年、デトロイト市の財政破綻から存続の危機にさらされます。財源確保のため所蔵品が売却されてしまうのか?市民の暮らしと前時代の遺物、どちらを選ぶべきなのか?全米を巻き込んだ論争は、ある老人の切なる思いによって変わっていきます…実話をもとに描かれる、ささやかで偉大な軌跡の物語。これを読んだらコレクションへの愛おしさが増すことでしょう。

デトロイト美術館展撮影

さらには、美術館展では通常考えられないことですが、【撮る】ことができるのです。全ての作品の写真撮影が可能です!
毎日というわけにはいきませんが、月曜と火曜(祝日を含む)は撮影OKです。
混み合いながらも静かな美術館でカシャッ、カシャッとシャッター音が響くのは初めての体験でした。
それに、少しでもいいアングルで写真を撮り合おうと、人々が絵画の前のいいポジションを譲り合う姿がとても美しかったです。

ゴッホ_自画像(w680)

フィンセント・ファン・ゴッホ《自画像》 1887年 油彩、板に貼り付けたカンヴァス City of Detroit Purchase

一番人気はこの絵でした。ゴッホの自画像。教科書などで見たことはありましたが、実際に絵に対峙するととても不思議な感覚を覚えます。ゴッホと目が合ったような凄い目力を感じるのです。平面ではわからない立体感と筆力が描き出す迫力。本物ってこういうことなのか…逆にゴッホに見つめられているようでしばらく動けなくなりました。

デトロイト美術館展館内(w680)

そして、極めつけは【さわる】!!え?展示してある絵画に?
いえいえ、そうではありません。何点か触れる複製画があるのです。絵画の凹凸や質感…画家の筆遣いまでも再現した「さわれる複製画」。筆のタッチやキャンパスの生地目など原画の凹凸を解析し、作画面自体を盛り上げていく立体複製画製作技術で作られました。インクジェット技術と2.5Dや3Dプリント技術を応用して、絵画の色と表面形状を実物と同じように表現することができるのです。実際に触ってみると、絵の具を重ねることででる立体感と色使いを感じることができます。画家の息づかいまで感じるられるような気がします。

かつて自動車産業の隆盛で富の象徴だった、その街が可能にした奇跡のコレクション。大きな財政危機を乗り越え、作品は一点も失われること無く今なお市民に憩いと学びを与え続けています。
そのコレクションの中核を成している印象派、ポスト印象派、20世紀のフランス、ドイツの数々の傑作の中から海を渡ってやってきた選りすぐりの全52点。作品を通してデトロイトという街にも想いを馳せることができます。
聴いて、読んで、撮って、さわって楽しめる『デトロイト美術館展』。芸術の秋にあなたも全身で楽しんでみませんか?

『デトロイト美術館展』
東京展 会期:2016年10月7日(金)~1月21日(土)
※休館日:10月21日(金)
開館時間:9:30~16:30(但し、毎週金曜日、10月22日(土) 9:30-20:00)
※入館は閉館の30分前まで
会場:上野の森美術館(〒110-0007 東京都台東区上野公園 1-2)
公式ホームページ:http://www.detroit2016.com/index.html

レポート:ひろたみゆ紀

ひろたみゆ紀,空を仰いで

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