海上自衛隊の中東派遣~現場へのミッションは明確にするべき

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月25日放送)に外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦が出演。海上自衛隊の中東派遣の問題について解説した。

海上自衛隊の範囲、河野防衛大臣はホルムズ海峡も検討と発言

河野防衛大臣は24日の衆議院安全保障委員会で、海上自衛隊部隊の中東派遣の検討を巡り、ホルムズ海峡も活動の範囲から除外せずに検討を進める考えを示した。

飯田)菅官房長官が18日の会見で派遣の検討を発表しましたが、そこではオマーン湾、アラビア海北部の公海、イエメン沖のバブルマンデブ海峡の東側の公海が中心になるということです。

宮家)これって8月からずっと考えて来たことでしょう。そして、アメリカはあまり強く言って来ないですよね。いつもだったら、こんなものでは到底すまないのですけれど、いろいろな理由があって、トランプさんは要請してこない。勿論、アメリカには配慮しなくてはいけない。しかし、イランは友好国ということになっているから、両方に配慮しなければならない。絶妙なバランス感覚を発揮した結果だと言う人もいれば、何て中途半端なのだと言う人もいるでしょう。そのような微妙な結論を今回は出したということです。当然のことながら、自民党の部会ではコテンパンにやられてしまった。なぜホルムズ海峡に行かないのか、意味がないではないかと。確かにそれも正論です。そこで若干、軌道修正をしているということでしょう。しかし、これでホルムズ海峡も行きますとなったら、また逆の方から追及されるでしょう。

飯田)そんなところに行って戦争するのか、という。

宮家)そもそも、私の理解が間違っていなければ、防衛省設置法の「調査研究」で行くわけですよね。海上警備行動ではない。もし万一のことがあったらどうするのか、それについては決めないで行かせるのですよね。しかし、行かされる方はどのような形で、どのような目的で、ミッションは何なのか。そのときにどのような対応をしていいのか、いけないのか。それについて、きちんと最高指揮官が命令を出さなくてはいけないはずです。あとは現場に任せるとか、そういう話ではありません。

飯田)それで判断に迷うことが、現場では命取りになる可能性もありますものね。

宮家〉ええ。一般に軍人はミッションが明確にされて、初めて仕事ができるのです。「絶妙のバランス」ということは、実は決めていない部分があって、それが致命的になるとも限らない。よく考えて、早く結論を早く出していただきたいと思います。

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