「サンライズ瀬戸」を降りると待っている本場の讃岐うどん!~高松駅・連絡船うどん「きつねうどん」(390円) 【ライター望月の駅弁膝栗毛】

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東京と四国・高松を結ぶ寝台特急「サンライズ瀬戸」。
岡山までは「サンライズ出雲」を併結した14両編成で運行。
岡山からは285系電車の7両編成で運行され、高松には朝7:27に到着します。
全車個室寝台が基本なので、セキュリティ的な面でも安心な夜行列車です。
最近は「出雲」のほうを中心に、女性のお客さんがすごく増えたように感じます。

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この「サンライズ瀬戸」、週末を中心に「こんぴらさん」の玄関口・琴平までの延長運転が行われています。
サンライズ瀬戸」は、高松から予讃線を坂出まで戻って、多度津から土讃線へ。
途中、善通寺に停車し終点・琴平には8:52着となります。
この9時前という時間帯、門前のお店がだんだん開き始める時間。
始発の飛行機で来ると10時頃ですので、混み始める前に1時間早くスタートできる訳です。

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琴平へ延長運転する「サンライズ瀬戸」は、高松で7:27~54まで「27分」停車します。
実はこの「27分間」が本当に有難い!
仮に岡山で駅弁が買えなかったとしても、高松駅で駅弁を調達する時間は十分にあるのです。
でも、朝から駅弁は思いという人にピッタリなのが、高松駅の改札内にある「連絡船うどん」。
このお店、かつて「宇高連絡船」のデッキで食べられたうどんの系譜を継ぐお店なんです。

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現在「連絡船うどん」は、JR四国系の「めりけんや」のお店となっています。
その中にあって「連絡船うどん」の歴史を今に伝えているのは「きつね」「月見」「鳴門わかめ」の3種類。
今回は「きつねうどん」(390円)を券売機でチケットを買っていただきました。
讃岐らしいコシのあるうどんが体を目覚めさせながら、香川らしく「いりこだし」が効いたおつゆと、揚げの甘みがジュワッとマッチ。
寝起きの体に優しく、じんわりと沁み込んでいくような感じがします。

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この「連絡船うどん」、うどんによって出汁を変えているそう。
「ぶっかけ」の隠し味にはカツオ、「さる」には、昆布、いりこ、カツオの合わせ出汁といった具合。
ちなみに「讃岐うどん」といえば、コシの強いうどんというイメージがありますよね。
関西のうどんの歴史に詳しい先生に訊いた説では、元々「生醤油」の食べ方がベースだからなんだとか。
濃い醤油の味が麺に沁み込まないように、コシの強いうどんになっていったというんですね。
逆に大阪などでは、水に恵まれないため、出汁の味がしみ込みやすい柔らかいうどんになったのだそう。
最近はドコでもコシの強いうどんが好まれる傾向がありますが、きちんと歴史を踏まえた上でうどんをいただきたいものです。

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「連絡船うどん」の出汁の余韻に浸りながら、およそ1時間。
サンライズ瀬戸」は、ほぼ定刻通り琴平駅に到着。
東京から琴平まで乗り換えなし!
長い石段を登る前に十分、英気を養うことが出来ましたよね。

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琴平駅のホームには、昔懐かしい「洗面所」が健在。
こんぴらさんのマーク入りの洗面台というのも面白い!
列車を下りても眠かったら、冷たい水で思い切り顔を洗っちゃいましょう。

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週末限定、東京駅から「こんぴらさん」まで直通の「サンライズ瀬戸」。
”こんぴらサンライズ”、まだやったことが無い方は、ぜひお試しあれ!

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
「ライター望月の駅弁膝栗毛」
(取材・文:望月崇史)

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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