10時のグッとストーリー

舞踊団「曼珠沙華」~マザーテレサの助言が創立のきっかけに

番組スタッフが取材した「聴いて思わずグッとくるGOODな話」を毎週お届けしている【10時のグッとストーリー】

(C)国際文化交流舞踊団「曼珠沙華」

「彼らは動く日本美術館だ!」「天国を見せてくれる舞踊集団」……海外でそんなふうに絶賛を浴びている舞踊団が、茨城にあるのをご存じですか?

衣裳も舞台装置もすべて自前、ときには自費で世界のさまざまな地域に行き、現地の人たちと国際交流も行っているこの舞踊団。日本ではまだ無名のままですが、今年(2019年)で創立25周年を迎えました。

なぜ海外公演をメインに活動しているんでしょうか? 母親から座長を受け継いだ2代目にお話を伺いました。

(C)国際文化交流舞踊団「曼珠沙華」

茨城県常総市に本拠を置く、国際文化交流舞踊団「曼珠沙華(まんじゅしゃか)」。赤い彼岸花の別名「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」と同じ字を書きますが、こちらは仏教の言葉。

「曼珠沙華(まんじゅしゃか)は天界に咲く白い花で、見た人を悪行から遠ざけてくれる花です。私たちの舞台を観てくれた人が、嫌なことを忘れてくれたらいいですね」

そう語るのは、2代目座長の藤中夢弥(ふじなか・ゆめや)さん。男役から女形、お笑いもこなし、演出・構成・振り付けから音楽の編集まで、ステージのすべてを手掛けている舞踊団の「顔」です。

(C)国際文化交流舞踊団「曼珠沙華」

そもそも「曼珠沙華」が設立されたのは、1995年。夢弥さんの母・ママローザさん(ステージ名)がインドの「マザーテレサハウス」でボランティアを経験した際、死期が近いおばあさんの前で踊ったことがきっかけでした。

そのおばあさんに大感激され、マザーテレサに「あなたはここじゃなく、日本でやることがあるのでは?」と直接言われたお母さんは、「曼珠沙華」を設立することにしたのです。

(C)国際文化交流舞踊団「曼珠沙華」

ある日、チェルノブイリ原発事故による放射能汚染地域から、夏休みの間だけ北海道へ保養に来ているベラルーシの子どもたちを慰問に行った際、「この踊りを家族にも見せたい!」と言われ、お母さんは自分で資金を集めてベラルーシ公演を開催。これが海外公演のスタートになりました。

「母は“人と人の縁”を大事にする人なんです。うちが海外公演を中心に活動しているのは、その縁が世界中に拡がって行ったからなんです」と言う夢弥さん。そんな母・ママローザさんから、座長の座を譲られて9年。大劇場から辺境の村まで、条件さえ合えば、世界中どこにでも行くのがモットー。

(C)国際文化交流舞踊団「曼珠沙華」

これまで公演を行った国は、ベラルーシ・イタリア・フィリピン・ミャンマー・ブラジルなど17ヵ国におよび、100万人以上を動員しました。初代座長のお母さんは本職がデザイナーで、豪華絢爛な衣裳と舞台装置はすべて手作り。日本舞踊をベースにした踊りで「和の世界」を海外に伝え、反響を呼んで来ました。

「お客さんは私たちを通じて日本を知り、日本を見るのよ。この舞台に“日本”があるの!」…そんな母からの言葉を胸に、夢弥さんは舞台を作り、いまもお母さんとともにステージに立っています。

(C)国際文化交流舞踊団「曼珠沙華」

実は夢弥さん、高校生のとき母に言われて初めて舞台に立った際は「すごく恥ずかしかった」そうで、跡を継ぐ気はありませんでした。

当時はヘアメイクアーティストになるという夢がありましたが、「あなたが辞めたら『曼珠沙華』は終わってしまうのよ!」と説得され、舞台を続けるうちに、人前で踊る面白さに目覚めて行きました。

(C)国際文化交流舞踊団「曼珠沙華」

「母が座長だったときは大衆演劇の色が強かったんですけど、自分が座長になってからはジャズやロックも採り入れて、いまっぽくしました。でも創立以来の『お客さんに美しいもの、楽しいものを観てもらいたい』という基本精神は変わっていません」……そう語る夢弥さん。

いまやイタリアに個人ファンクラブができるなど、海外でも認められるようになって、自信が付いたと言います。

(C)国際文化交流舞踊団「曼珠沙華」

「母とはケンカすることも多いですけど、いまはこの道に進んでよかったなと、心から感謝しています。直接は言いませんけどね(笑)」

ミャンマーで公演した際、忘れられない出来事がありました。以前招待したハンセン病患者の子どもが、成長して、再び会いに来て、こう言ってくれたのです。

(C)国際文化交流舞踊団「曼珠沙華」

「それまで隔離生活を送っていたけれど、あなた方の公演を観て、人生に希望を持つことができた。おかげで軍医になれたよ。ありがとう!」……そう言われた夢弥さんは言います。

「何百人、何千人もの人たちが、私たちの踊りを観て喜んでくれて、『ありがとう』と言ってくれる…。お客さんの笑顔が止まらない、そんな瞬間に立ち会うと、『曼珠沙華』をやっていて本当によかったと思いますね」

(C)国際文化交流舞踊団「曼珠沙華」

■国際文化交流舞踊団「曼珠沙華(まんじゅしゃか)」設立25周年記念特別公演
開催日時:11月2日(土)浅草公会堂  午後4時開演(3時半開場)
料金:全席指定 7,000円(小学生以下無料)
電話:曼珠沙華事務局 0297-20-3224

八木亜希子 LOVE&MELODY
FM93AM1242ニッポン放送 土曜 8:00-10:50

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