新花巻駅「白金豚弁当」(1,150円)~10/14「鉄道の日」!鉄道はニッポンの元気の触媒だ 【ライター望月の駅弁膝栗毛】

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SL銀河

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10月14日は「鉄道の日」。
明治5(1872)年10月14日、新橋~横浜間に日本初の鉄道が開通してから今年で144年となりました。
蒸気機関車が引く汽車に始まり、今では電車・気動車が主流に・・・。
でも、明治に敷かれ始めた2本のレールのネットワークは、今なお私たちの暮らしを支えています。
「鉄道」が日本の近代化に、大きな“触媒”の役割を果たしてきたことは間違いありません。

白金豚弁当

白金豚弁当

触媒の役割を果たす金属といえば「白金(プラチナ)」が有名です。
花巻ゆかりの人物・宮沢賢治は、著書で養豚を触媒としての「白金」に例えたのだそう。
これに因んだ花巻のブランド豚が白金豚(はっきんとん)です。
奥羽山脈の湧き水が流れる自然の中で、愛情いっぱいに育まれたという白金豚。
新花巻駅弁・まるろくには、この白金豚を使った「白金豚弁当」(1,150円)があります。

白金豚弁当

白金豚弁当

白いご飯の上に載ったカツをメインに、ゆで玉子、菜の花辛子和え、味噌大根のシンプルな構成。
白金豚のカツは、よく衣に沁みたソースと薄めのお肉で、駅弁の基本「冷めても美味しい」を実現しています。
この薄めのお肉には、実は列車の高速化という時代背景もあるのだそう。
たとえ乗車時間は短くとも、体に無理なく、ご当地の味と旅の情緒を味わってほしい・・・。
花巻を訪れてくれた人の体のことまで思いやる「まるろく」さんの温かい気持ちが伝わってくる駅弁です。

快速はまゆり

快速はまゆり

「白金豚弁当」が買える新花巻から三陸へのアクセスを担うのは、釜石線の快速「はまゆり」。
盛岡~新花巻~釜石間を、特別料金不要で2時間10分~20分かけて結びます。(一部指定席)
充当されるキハ110系は元々、急行列車だったため、リクライニングシート装備の乗りドク車両。
10/21までは「鉄道の日」に合わせ、全国のJR線の普通・快速列車が3日間乗り放題の「秋の乗り放題パス」(7,710円)も出ており、もちろん快速「はまゆり」も利用可能。

地域の足として、そして三陸の復興を応援する路線として、今日も走る釜石線。
鉄道は「ニッポンの元気」を生み出す“触媒”のような存在なのかもしれません。

(取材・文:望月崇史)

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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