かんぽの法令違反1400件~販売はなぜ行きすぎたのか

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月1日放送)にジャーナリストの有本香が出演。かんぽ生命の不正販売をめぐる中間報告のニュースについて解説した。

かんぽの法令違反1400件~販売はなぜ行きすぎたのか

【かんぽ生命保険適切販売で中間報告】会見する(左から)日本郵便の横山邦男社長、日本郵政の長門正貢社長、かんぽ生命の植平光彦社長ら=2019年9月30日午後、東京・大手町 写真提供:産経新聞社

かんぽ、契約不正調査の中間報告~法令違反1400件

日本郵政グループは9月30日、かんぽ生命保険の不正販売をめぐる調査の中間報告を公表した。社内規定に違反したとみられる契約は少なくとも6300件以上あり、この内1400件は特に悪質な法令違反の疑いがある。

飯田)調査完了したのは全体の4割弱ということで、まだまだ氷山の一角にすぎないのですが、それにしても出ました。

有本)4割弱でこれだけ出て来るということは、我々にとってもショックですよね。今後の再発防止のためには、高齢者、70歳以上の人には原則で保険営業をしないというようなことになるのでしょうね。単純に年齢で相手に対して制限をかけるのが、はたしていいのかはわかりませんが。ただ保険というのは、高齢者になってからかけるものでしょうか。

飯田)もともとの意味としてはそうですね。

かんぽの法令違反1400件~販売はなぜ行きすぎたのか

郵便局が身近な田舎ではかんぽに入ることは安心感を得ることだった

有本)ちょっと違う気もしますよね。趣旨にのっとった形で営業するという原則に戻すことはあるのでしょうね。これに関して、2つ思うことがあります。いま私自身は東京に住んでいますが、実家は田舎にありました。田舎だと、ほとんどの方がかんぽに入っている感じではないですか。田舎では郵便局との距離がすごく近いわけです。ですから、他の保険会社のセールスもあるけれども、とりあえずかんぽに入っておこうということは、1つの安心感でもあったと思います。だけど、こういうことになると、むしろいろいろなつながりや信頼感を失うという点がありますよね。

飯田)郵便局は近くにいて、いつも顔を見せてくれるから、その人が言うのだったらというね。

かんぽの法令違反1400件~販売はなぜ行きすぎたのか

保険の不適切販売問題を受け再発防止策を説明するかんぽ生命保険の植平光彦社長(右)と日本郵便の横山邦男社長=2019年7月10日、東京都千代田区 写真提供:時事通信

かんぽの営業がアグレッシブに

有本)そうですね、安心感があったと思います。そしてもう1つは最近、郵便局のかんぽの営業がずいぶんアグレッシブになったという印象が、私個人もありました。

飯田)今回の問題となっているかんぽについて、ある意味で自社製品についてですけれど、郵便局も自社以外の外資系の生命保険を扱っていましたよね。

有本)売っています。パンフレットもありますよね。

飯田)その辺のセールスはどうだったのでしょう?

有本)かんぽと違う商品となると、他社、しかも外資系の医療系保険などはどうですかね。売っていたと思いますが、そういうところも関連が出て来るのですかね。

飯田)弁護士で構成する特別調査委員会では、現場の実力に見合わない目標設定などが出ていますが、どうだったのでしょうね。

有本)ノルマがきつかったということなのでしょうね。

飯田)ノルマがきつかったのは、かんぽだけだったのかと考えてしまいますよね。

有本)ありますよね。そうなって来ると、もう少し話は複雑ですよね。

飯田)確かにそういう医療保険は、ご高齢になって心配だなと思うときに、「これだったら」という。

有本)「ならこれもかけておこう」という感じにもなるし、逆に売る側からすると、売りやすいということもあるかもしれません。「こういうものもありますよ」という感じで、重ね売りができるということかもしれませんよね。いまのところ4割くらいしか調査が完了していないということですし、全体の総括も出ていません。民営化から路線変更を迫られたなかで、営業が積極的になるのは必ずしも悪いことではないのですが、そのなかで行き過ぎを是正する機会にしないといけないですよね。

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