しゃベルシネマ

伊藤健太郎 × 玉城ティナ、悪夢のような主従関係?!

【しゃベルシネマ by 八雲ふみね 第696回】

さぁ、開演のベルが鳴りました。支配人の八雲ふみねです。シネマアナリストの八雲ふみねが観ると誰かにしゃベりたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。

 

今回は、9月27日公開の『惡の華』を掘り起こします。

押見修造の代表作を実写映画化~絶望の思春期を描いた、超変態狂騒劇!

「別冊少年マガジン」にて創刊号(2009年10月)から2014年6月号まで連載され、2013年にテレビアニメ、2016年に舞台になった、押見修造による人気コミック「惡の華」。

思春期の暗黒部を赤裸々に描き出し、熱狂的な共感と支持を集め続けている衝撃作が、まさかの実写映画化となりました。

山々に囲まれた、地方都市。中学2年生の春日高男はボードレールの詩集「惡の華」を拠り所に、息苦しい日々をやり過ごしていた。

ある日の放課後、憧れのクラスメイト・佐伯奈々子の体操着を見つけた春日は、衝動的に体操着を盗んで逃げ出してしまう。その一部始終を見ていたのが、クラスの問題児・仲村佐和。彼女はこの一件を秘密にする代わりに、ある“契約”を春日に持ちかける。

仲村との悪夢のような主従関係のなかで、春日は変態的な要求に翻弄され、アイデンティティは崩壊。やがて、絶望を知る。そして、「惡の華」への憧れにも似た魅力を仲村に感じ始めるのだった。そんなある夏祭りの夜、2人は大事件を起こしてしまう…。

主人公の春日高男を演じるのは、ニッポン放送「伊藤健太郎のオールナイトニッポン0(ZERO)」でおなじみの伊藤健太郎。ドラマや舞台に次々と出演し、目覚ましい成長を遂げているのは言わずもがな。

本作では“爽やかな好青年”というパブリックなイメージをかなぐり捨て、新境地を開拓。井口昇監督が構築したド変態ワールドのなかで、ある種、普遍的とも言える“思春期の衝動”を見事に体現しています。

そして仲村佐和役には、同じくニッポン放送で「玉城ティナとある世界」がオンエア中の玉城ティナ。美しすぎるビジュアルを武器に、何者とも交わらない異質な仲村にカリスマ性さえ感じさせられる演技を披露。その唯一無二な存在感にも注目です。

少女漫画によくありがちなキラキラとした“青春”ではなく、その奥底にある青春の残酷さや絶望感、行き場のない孤独を描き出した本作。他人には決して言えない、思春期ならではのモヤモヤとした感情を経験した覚えのある人なら、共感できるはず。

“超変態狂騒劇”なんて謳われていますが、これはれっきとした“青春映画”です!

『惡の華』

2019年9月27日(金)からTOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー
監督:井口昇
原作:押見修造「惡の華」(講談社『別冊少年マガジン』所載)
脚本:岡田麿里
主題歌:リーガルリリー
出演:伊藤健太郎、玉城ティナ、秋田汐梨、飯豊まりえ
(C)押見修造/講談社 (C)2019映画「惡の華」製作委員会
公式サイト http://akunohana-movie.jp/

八雲ふみね

映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。
機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。
初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。
トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com

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