日米貿易交渉~メディア報道とは違うその内容

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(9月25日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。新たな日米貿易協定が最終合意に達したという報道について解説した。

日米貿易交渉~メディア報道とは違うその内容

日米貿易交渉が終了~首脳会談で最終合意へ

茂木外務大臣は23日、アメリカ通商代表部のライトハイザー代表と会談し、新たな日米貿易協定について最終合意に達したことを明らかにした。26日に行われる日米首脳会談で交渉の妥結を正式に確認することになる。

飯田)首脳会談を前にして交渉が続いていましたが、現地23日夜、茂木外務大臣が会見を行いました。交渉はすべて終了したと話しているということです。

日米貿易交渉~メディア報道とは違うその内容

トランプ米大統領(中央右)との再会談に臨む安倍晋三首相(同左)。左端は茂木敏充経済再生担当相。右端はライトハイザー米通商代表部(USTR)代表=2019年8月25日、フランス南西部のビアリッツ 写真提供:時事通信

過去の日米貿易交渉のなかで最も楽な交渉だった

高橋)いろいろなニュースで日本が譲ったものが多いと言いますが、そうではありません。過去の日米貿易交渉のなかで、最も楽だったと思います。

飯田)最も楽だった?

高橋)何もやっていないのですから。はっきり言えばTPPで終わりですよ。甘利さんは苦労しましたが、その後の茂木さんはサッとやってしまいました。あるのは自動車関税だけでしょう。これも2.5%になるのはいつかという先の話なので、文書にするかどうかという話をしても仕方のないことです。これが争点だと聞いて、こんなものは争点にはならないだろうと思いました。逆に言えば、これくらいしか話題がなかったということです。

飯田)アメリカ側としては、頑張ったということを国内向けに見せたいし。

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自動車関税~TPPと同じとなれば制裁はほとんどない。それも先のこと

高橋)だから少し大げさに言うでしょうね。でも日本が自動車関税に関して、細かく制裁はしないように書けと言ったら、アメリカはたまらないでしょう。おおよそTPPと一緒となれば、ほとんど何もとっていないということがわかってしまうのですよ。ですから、「そこまで言うなよ」という話ではないでしょうか。

飯田)その辺の押し引きというか。

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リップサービスレベルのトウモロコシ購入~正式文書を交わしたものではない

高橋)つまらない話をしていると思いました。これくらいしか話すことがなく、あとは関係のないトウモロコシを買うことで終わったでしょう。あれは誰が買うのかわからないのですよ。政府が買うか誰が買うか、はっきりしていません。

飯田)買主の主体などもまだ。

高橋)ふわふわとした話でしょう。

飯田)もともとは、トランプ大統領のツイッターから始まった話ですよね。

高橋)日本側からすると、たぶん民間が買うだろうというレベルかもしれません。アメリカ側からすれば誰が買うかわからないけれど、安倍総理が買うと言っているという話です。

飯田)アメリカ側からしてみれば、その辺はあとで上手くやってくれという。

高橋)リップサービスで、買わなくても何の問題もないレベルですよ。

飯田)確かに、正式に文書を交わしたものではないですよね。

日米貿易交渉~メディア報道とは違うその内容

民主、急進左派が直接対決 =2019(令和元)年7月30日、米デトロイト(ロイター=共同) 写真提供:共同通信社

トランプ大統領のキャンペーンの材料の1つにすぎない

高橋)政府間交渉で民間に買わせるのは無理ですよ。買うかもしれないというのでは、文書にならないでしょう。トランプ大統領からすると、「安倍総理はそう言ったでしょう」とは言えますよね。

飯田)キャンペーンのアピールとしても使える。日本にはこれだけ買ってもらえるのだと。自動車に関しても2.5%の関税を撤廃、もともとのTPPでもかなり先ですよね。10年や20年くらい。

高橋)すごく先ですよ。細かい協定を決めたところで話を書くかというレベルです。書いても書かなくても、どちらでも関係ありません。

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