北朝鮮による拉致問題~解決へ向けて日本がとるべき道

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(9月17日放送)にジャーナリストの有本香が出演。日朝首脳会談に向けて、また拉致被害者を取り戻すために日本がするべきことについて持論を交えて解説した。

北朝鮮による拉致問題~解決へ向けて日本がとるべき道

日朝首脳会談 初の首脳会談を終え、お互い署名した「共同宣言」を交換し握手する小泉純一郎首相(左)と北朝鮮の金正日総書記=2002年9月17日 写真提供:産経新聞社

安倍総理~日朝首脳会談について条件をつけずに実現目指すと述べる

安倍総理大臣は16日、北朝鮮による日本人拉致被害者の家族らと面会し、日朝首脳会談について条件をつけずに金正恩委員長と向き合って行くと話した。

飯田)北朝鮮による拉致被害者の家族のみなさんが開いた集会のなかで、総理は2002年9月17日、平壌で日朝首脳会談が行われてから17日で17年目となり、一刻の猶予も許されないとも述べたということです。

有本)あれから17年経つのですね。ハノイでの米朝首脳会談、あるいは昨年(2018年)のシンガポールでの米朝首脳会談でも、拉致問題についての話をトランプ大統領は金正恩委員長にして下さってはいます。しかし、動かない。ここへ来て北朝鮮は、制裁が効いて苦しい状況にあるとは言いますが、そう簡単に折れて来るわけでもない。そのなかで今度は金正恩委員長が、トランプ大統領に対して第3回の米朝会談を平壌でやろうと言っています。アメリカ側はつい最近、ボルトンさんがお辞めになりましたよね。

北朝鮮による拉致問題~解決へ向けて日本がとるべき道

ボルトン米大統領補佐官(左)と握手を交わす河野外相=2019年7月22日午後、外務省 写真提供:産経新聞社

日本には痛いボルトン氏の辞任

飯田)ボルトン大統領補佐官。

有本)これは日本側には痛いです。拉致問題に対してはいままで最も厳しく、そしてアメリカの要人ではいちばん多く、拉致被害者家族に面会している方でもあります。

飯田)アメリカはボルトンさんが辞めたので、ポンペオさん主導で、いままでより融和的に行うのではないかと言われています。

有本)そうですね。もはや韓国というチャンネルは、日本にとってほとんど頼りにならない。それは日韓関係がよくない状況だからではなくて、文政権以降、日本に有益な情報はほとんどもたらされていません。少なくとも日本は、アメリカから情報を得るしかないだろうということです。南北の朝鮮半島の関係も、もはや韓国はほとんど北に見くびられてしまっている状態です。

北朝鮮による拉致問題~解決へ向けて日本がとるべき道

米朝首脳会談 ドナルド・トランプ米大統領、金正恩朝鮮労働党委員長、米朝首脳会談、拡大会合、第2回米朝首脳会談、アメリカ、北朝鮮=2019(平成31)年2月28日、ベトナム・ハノイ(ロイター=共同) 写真提供:共同通信社

イラン、イギリスなど北朝鮮と関係のある国々ともやりとりを

有本)日本がアメリカ頼みであることは間違いありませんが、イランを含めて、北朝鮮と関係のある国々ともやりとりをする必要があります。例えば、イギリスは平壌に大使館を置いており、諜報機関なども非常に優れています。いま日本とイギリスは、情報面での連携が強くなっていますので、日本政府はこういうところともやり取りしているのだろうと思います。拉致問題は安倍総理の政治的な悲願ですし、官邸が中心になっていろいろなことを行っています。それと同時に、新しい外務大臣の茂木さんが日米の通商関係の交渉をそのまま引き継いで行うということですが、もちろん外務大臣ですので通商面だけではなく、広い分野で外交を行うことも今後は期待されます。

北朝鮮による拉致問題~解決へ向けて日本がとるべき道

【第4次安倍再改造内閣】記念撮影に臨む新閣僚ら 前列左から、赤羽一嘉国国土交通相、茂木敏充外務相、安倍晋三首相、麻生太郎副総理、財務・金融相、高市早苗総務相 2段目左から、 田中和徳復興相、衛藤晟一1億総活躍・沖縄北方相、橋本聖子五輪・女性活躍担当相、河野太郎防衛相、竹本直一IT・ 科学技術相 3段目左から、江藤拓農林水産相、河井克行法務相、菅義偉官房・拉致問題相、 加藤勝信厚労相、北村誠吾地方創生相 4段目左から、小泉進次郎環境相、武田良太国家公安委員長、菅原一秀 経済産業相、西村康稔経済財政・社会保障改革相、 萩生田光一文部科学相 5段目左から、近藤正春法制局長官、岡田直樹官房副長官、西村明宏官房副長官、杉田和博官房副長官=2019年9月11日午後、首相官邸 写真提供:産経新聞社

谷内氏から北村氏への国家安全保障局長人事

飯田)情報面のやり取りというと、官邸の人事がまた発表になって、国家安全保障会議(NSC)の事務局に当たる国家安全保障局の局長が、外務省出身の谷内さんから警察庁出身の内閣情報官だった北村さんに代わりました。それこそ北村さんはハノイで、北の要人と接触かと…。

有本)そう言われた人ですよね。すごくいい人事だと思います。

飯田)これは1つ格が上がったという形になりますか?

有本)そういう感じもします。前任者がどうだったということは、あまり言いたくはないのですが、そもそも外務省のOBがこれを行うということには疑問の声もありました。谷内さんは特別、官邸とはいろいろな信頼関係があるので属人的なこととしてはいいのだけれども、その出身省庁が外務省というのはどうなのかという部分があった。そういう点でもとてもいいですし、北村さんという人事も何かを暗示しているなと思います。

北朝鮮による拉致問題~解決へ向けて日本がとるべき道

拉致被害者家族との面会であいさつするトランプ米大統領(中央左)=2019年5月27日午後、東京・元赤坂の迎賓館[代表撮影] 写真提供:時事通信

全面解決に向けて世論を盛り上げるべき

有本)いままで私たちは拉致問題や日朝問題に関して、周辺の情報からいろいろなことを見立てるということを言って来たのですが、それが少し空しくなりつつあります。いまは実際に起こったこと、動いたことでしか何も言えないと思います。1日も早く、まずは何かが動くということ。それで全面解決を望むわけですが、拉致被害者に認定されていてまだご帰国が果たされていない12人。この方たちについては当然なのですが、一方で800数十人いると言われている、拉致の疑いを排除できない特定失踪者の方。そのなかで特に何人かは、間違いなく北に拉致されているであろうという情報がある方もいらっしゃいます。こういう方たちも含めて、全面解決ということをもっと世論として強く盛り上げて行く必要があります。

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