大雨による「浸水」に備える! 地下鉄でも採用されている防水設備とは?

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9月1日(日)からの1週間、ニッポン放送では防災への意識を再確認してもらうキャンペーン“防災ウィーク”を実施し、「草野満代 夕暮れWONDER4」(毎週月~木曜日・16~17時40分)には、三和シヤッター工業株式会社の木下順二氏(環境建材事業部 防災建材支店 防災建材課長)がゲストとして出演。自然災害に備える重要性を語ったほか、災害時に防水機能を発揮するさまざまな商品を紹介した。

大雨による「浸水」に備える! 地下鉄でも採用されている防水設備とは?

三和シヤッター工業株式会社 木下順二氏

ゲリラ豪雨、大型台風、大雨、浸水、自然災害……、ここ最近よく耳にする言葉だが、溢れ出した雨水は経済活動やインフラに大きな打撃を与える。いつ、どこで起こってもおかしくない水害から会社や施設、人命、財産を守るためにはどうすればいいのか?

番組出演を終えた木下氏に、編集部がインタビューを行った。

編集部:どういったきっかけで、防水に強いシャッターを作ろうと思ったのですか?

木下氏:元々は東京メトロ様から、地下鉄の出入り口をシャッターで防水ができないか? というお問い合わせをいただいたことがきっかけなんです。そこから、地下に出入口のあるオフィスビルでも同じようなニーズがあるだろうと考え、それで商品化を始めました。商品化までは5年ほどかかって「防水シャッター」が完成し、いまは実際に東京メトロの各駅に順次採用していただいていて、この辺り(東京・有楽町ニッポン放送周辺)だと二重橋前駅で採用されています。

大雨による「浸水」に備える! 地下鉄でも採用されている防水設備とは?

防水シャッター(写真は東京メトロ要町駅のもの)

編集部:この「防水シャッター」の特徴を教えてください。

木下氏:「防水シャッター」は、普通の戸締りを行う管理用のシャッターとしても使えるのですが、緊急時には、ボタン操作1つ、約5分で防水機能を発揮するシャッターになります。浸水の高さは最大3メートルまで対応しており、設置開口としては幅6m・高さ4mまで製作可能で、これは防水シャッターとしては業界初の商品です。地下鉄の他に、データセンターや銀行など、要求されるスペックの高い施設で導入していただいています。

編集部:マンションでも採用されているような防水商品もあるのですよね?

木下氏:マンションだと、「自動起伏式防水板」という商品の問合せが多く、普段は床にしまわれている板が、排水しきれない雨水が発生すると浮力で“自動的に”立ち上がります。マンションですと、誰が防水板を設置するのか? 誰が防水ボタンを押すのか? ということも問題になるのですが、「起伏式防水板」なら自動的に防水板が上がったり下がったりするので、管理人さんが24時間いない所でも安心です。

編集部:豪雨のニュースでは、よく土のうをお店の前に積み上げて浸水を防ぐ映像が流れますが、土のうの代わりになる防水製品もあるのですよね? コンビニエンスストアさんなどの店舗出入口で採用されているとか。

木下氏:「ミリオンガード」という商品ですね。マンションや店舗の自動ドアの枠を利用するタイプで、既存枠を利用するので工事が必要ありません。金具を引っ掛け、キャッチクリップで固定するだけで簡単に設置できます。土のうでは20~30分かかってしまうのですが「ミリオンガード」だと、約3分で設置することができます。

大雨による「浸水」に備える! 地下鉄でも採用されている防水設備とは?

ミリオンガード

編集部:普段のドアが、緊急時に防水ドアになる「Sタイトドア」という商品についても教えてください。

木下氏:「Sタイトドア」は日常で使うドアに防水性能を持たせ、特別な操作をせず、いつも通りにドアを閉じるだけで、浸水高さ1メートルまで防水機能を発揮してくれます。

編集部:三和シヤッター工業さんと、他メーカーさんの製品の違いはどんなところでしょうか?

木下氏:これまで、防水建材商品というのはJISなどの明確な基準が無かったのですが、三和シヤッターの防水シャッターや防水ドアは、「一般財団法人 建材試験センター中央試験所」から、業界初の浸水高さや漏水量などきちんとした基準にそった技術評価を得ています。せっかく設置したのに水が漏れ、大事な商品や機械製品が壊れてしまった――! ということにならないためにも、きちんとした第三者機関で評価いただいた商品を選んでほしいと思っています。

編集部:こういった防水対策の製品を、おすすめしたい施設や場所はありますか?

木下氏:特に病院施設で採用していただきたいと思っていますが、まだ採用に至っていない病院が多くあります。病院には高額な医療機器が1階部分にも置かれていますし、多くの人が行き交う場所でもありますので、ぜひ設置を検討いただきたいと思っています。

大雨による「浸水」に備える! 地下鉄でも採用されている防水設備とは?

インタビュー中の木下氏

防水の備えというと、時間をかけ、たくさんの人と協力して重い土のうを積み、浸水に備える――というイメージだが、すばやく、簡単に、安全に浸水を防いでくれる商品がある。こういった設備を積極的に取り入れ、いつ起こるかわからない災害への備えが必要ではないだろうか。

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